自画像

私、ヨッキれんは、

小さいときから旅が好きでした。
中学生のときに、初めてマウンテンバイク(MTB=山チャリ)を手にして以来、
当時住んでいた秋田県のあらゆる道を走らんと、
小さな暇を見つけては家を抜け出し、
汗にまみれ、藪を掻き分け、たくさんの峠を越えました。
はじめは、走ることが自体が目的だったと思います。

しかし、いつしか私が夢中になっていたのは、
誰からも顧みられず荒れ果てた、―廃道。
とうに主役の座を降りた、―旧道。
人や車はおろか、光さえ通さぬ、―隧道。
時刻表から抹消された、―廃線。
東北の一時代を築くも、全ては昔語りの彼方、―林鉄。

そんな、地図にも描かれていない道たちだったのです。


“失われた”道の探索には、
前を行く車の轍を追いかける旅とは違った、
「発見」という喜びが、満ち溢れていました。
私はますます夢中になってしまいました。

沢山の道の中には、一人の力だけでは辿りきれないような、
本当に過酷な道もありました。
そんなときには仲間を募り、共に挑むこともしました。

余りの道の悪さに、ついには自転車を投げ捨ててしまうこともありました。
それでも私は諦めず、先へ進みました。
飽きることなく漕ぎ、歩き、這い、暗き坑へも果敢に潜り続けました。


そして月日は流れ、かつて少年だった私も、いまやすっかりおじさんです。
しかし、私はこの生が続く限り、道というものと戯れ続けるつもりでいます。


このサイトは、廃道や廃線など、一般的ではない“道”の探索記録です。

私が実際に現地を訪れ、通行した、印象深い道たちを、
多くの写真と臨場感に拘った文章で綴りました。
全国各地に点在する、忘れられた廃道旧道隧道
二度と軋みを上げることのない、廃線林鉄

そういった道の数々を、ご覧下さい。



われわれのそばには、たくさんの道があります。

地図に載っている道が全てではありません。

過去そこにあった道や、まだ姿を見せない道があります。

そのどれも、未知へと繋がる道たちです。



もし、それらの存在に改めて気づいたとき、

あなたの周りの見慣れた風景も、

また違ったものに見えてくるかも知れません。


このサイトが、あなたの “未知しるべ” となれば幸いです。


ヨッキれん

山さ行がねが

当サイトのタイトル。
略して「山行が」。
秋田弁で「山に行かないか」の意。私が子供の頃、親友と山へサイクリングに行く誘い文句でよく使われた言葉である。


廃道

使われなくなった道の総称。
[英]-obsolete road-
このような道を好んであるく者を、ob-roader オブローダーと呼ぶ。


隧道

トンネルのこと。
古めかしい言い方だが、戦後しばらくまでは、トンネルの代わりによく使われた語である。


林鉄

森林鉄道の略で、明治から昭和30年代まで盛んに利用された、林業用の鉄道の総称。私が長く住んだ秋田県は、全国有数の林鉄王国だった。


ヨッキれん(当サイト作者):

平沼義之。
1977年10月13日千葉県松戸市生まれ。神奈川県横浜市で育ち、小学6年の夏に引っ越した秋田の地で、サイクリング&廃道に目覚める。現在はコンビニ店長を脱サラし、日本初の「廃道探索で生計を立てる」プロ・オブローダーとして、細々と生計を立てながら廃道探索(=オブローディング)に没頭中。

メールアドレス:yokkiren@yamaiga.com
blog:おぶろぐ/ Twitter/ Facebook




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2007.7.17作成
2020.4.15更新