その7県道9号線 田代峠 旧道2001.4 および 2000.4撮影
 秋田県河辺郡雄和町

 主要地方道9号線は、秋田市と本荘市を内陸から繋ぐ、海岸沿いの国道7号線の迂回路としても重要な路線である。
穏やかな田園風景の多い道ながら、途中、雄和町から岩城町へと抜ける部分は、ヘアピンカーブもあり冬季は特に難所とされる峠であった。
1999年に、トンネルを供する新道が開通し、それと共に封鎖されてしまった旧道を、辿ってみた。
なお、本文中特に説明のない写真は、2001年4月撮影のものである。


 雄和町側から、旧道との分岐点。
新道の先に見えているのが、田代峠トンネルである。
現道は、この一本のトンネルで、あっという間に、大内町へと抜けてしまう。
旧道は、車止めとチェーンで封鎖されており、四輪車の進入は出来ない。


 封鎖されてそれほど経っていないので、まだまだ現役の路面状況。
ただし、ペイントは消え、路傍からススキの大群が押し寄せてきている。
そのせいか、道幅は狭く感じられる。



 たいした勾配もなく登ってゆくが、峠の直前に、最も難所であっただろうヘアピンを成す急登攀がある。
この写真は、2000年の4月に撮影されたものだが、同じ4月でも、先ほどまでの写真(2001年)と同じ時期とは思いにくいほどの、残雪の多さだ。
この部分は、さすがに危険と考えられたのか、アウト側が非常に広く作られていた。



 深い切通になった田代峠。
僅か海抜90mほどで、旧道に入ってから500m足らずの走行で到着出来る。
まったく展望の効かない、峠である。



 大内町側の下りは、直線的で難所は無い。
2001年にはもう、ご覧のように杉の枯葉に覆われ、廃道としての貫禄(?)をすっかりモノにしていた。
傾いた標識は、現役当時から?
いずれにしても、四季の変化の激しい東北の廃道は、劣化が早いと思うのだが、いかがだろうか?




 まもなく現道に合流する。
そこにも、車止めとチェーンが張られている。
しかし、入り口自体は、大変に目立つので、気軽な旧道探索スポットとして、いかがだろうか?
旧道区間は、僅か1kmほどだ。





 私が山チャリを始めた後に旧道化した道のひとつ。
あまり面白みのある旧道ではないかもしれないが、なぜか標識などが多数残されたままになっており、それなりに風情を感じられるので、好きだ。
気軽だしね。
2003.3.9作成
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