山チャリと道
 


 かつて日本が、青々とした原生林に覆われていた太古の昔、
道は、唯一人間の踏み込むことの許される領域と考えられ、神聖視されると同時に、大変親しまれた。
いまなお、深い山の中では一本の道こそが人の通う証しであり、そこには、僅かばかりの安心感がある。
それだけに、寂れた道や、終点というものには強い寂しさを感じずにいられないのだが、不思議と惹かれもする。
 また、「みち」は「未知」に通じ、旅の醍醐味を最も感じさせる、まさに旅の主役となるものである。
そんな、山チャリにとって最大のキーパーソンである様々な「道」について語りたい。



国道国道写真
 国道は日本中に網の目のように400本以上存在しているが、その様相は様々である。
元々国道には一級や二級といったような、重要度に応じた区分があったが、現在では廃止され、ただ「何号線」の様に通し番号が振られているだけである。
しかし、現在でも、大方かつてあったその“身分制度”が生きている。
(当ページの説明文に於いても便宜上この言葉を多用している。)
すなわち番号が一桁や二桁の国道は主に国が直接管理する“上級”国道であり。
3桁のものは皆、県が国の代行で管理している“下級”国道である。
 その整備状況は山間部では特に格差がある。
たとえば、どんな峠越えでも一桁や二桁番号の国道では、完全舗装完全二車線が貫かれているが、3桁では、未舗装はさすがに減った(秋田にはもう無いようだ)ものの、対面通行は平然と存在するし、大型車の通えないほど狭隘な部分も残る。
 ここに秋田県にある国道の番号を全て挙げてみよう。
7、13,46、
101、103、104、105、107、108、282、285、341、342、344、397、398、454。
ここでは全ては紹介しないが、いくつか紹介しよう。

7号線

 秋田県内を最も長距離走っていると思われる国道。(ん。でも密かに341号のほうが長いかも?)
新潟市と青森市を結ぶが秋田県内の多くの主要都市を経由している。
文句無く一級国道のはずだが、歩道の無い区間も県南に多く残るし、山チャリでも輪行しないなら頻繁に走る羽目になる道だけに歩道なしは、かなり頂けない。
しかも通行量の割に並行する日本海沿岸自動車道の整備が遅れ、深夜などは未だに大型車天国である。
歩道が無くて特に嫌なのは、秋田本荘間であるが、一方、秋田市以北の大部分では既にバイパス化が完了している。
ま、それほど特徴のある道ではないので、一度とおったら、後は輪行するなりしてショートカットしてしまいたいというのが正直な感想だ。

13号線

 国道7号と並び、秋田の最重要国道の一つ。
雄物河の流れと聳える神宮寺嶽 福島市と秋田市を結ぶので、終点が秋田県内にある一番“番号の若い”国道ということになる。
県内陸部の主要都市の多くを経由しているので、山チャリで通うことも多い(これまで私が最も長距離走った国道に間違いないだろう。)が、最高につまらない。
内陸を通うだけにそこかしこに小さな起伏があり、しかも一級国道らしく景色に特徴が無く、とにかく眠くなる。
一番嫌いな国道かもしれない。
唯一好きなのは、大曲市付近の景色か。
神岡町から大曲市に至る付近は、次第に大きく高く聳え立つ神宮寺嶽をすぐわき目に見ながら、最も接近した場所で、玉川にかかる大きな古い橋を渡り、大曲市街に入る。
この辺りのダイナミックな景色の変貌は、好きである。

46号線

闇の中ぽっかりと口を開ける仙岩トンネル  奥羽山脈を貫き、盛岡市と秋田市を結ぶ秋田にたった3本しかない一級国道の一つ。
秋田市が終点ということになっているが、秋田から協和の間は国道13号線と重なっており、普通はその部分が46号でもあるとは気付かない。
この国道の使命はただ一つである様に感ずる。
それは東日本の長大な脊梁である奥羽山脈を貫くことだ。
だから、大小多数のトンネルと、無数の橋梁がその殆どを占める「仙岩道路」は、この道の本分である。
国道本来の弾丸道路的な活躍が見れて好きな区間だ。
そして一方、忘れられつつある旧国道に、北の自然の厳しさを垣間見るのも粋なものだとおもう。

101号線

 3桁国道の中で一番番号の若いのがこの国道だ。(100号線は欠番)
青森市と秋田市を結んでいるが、秋田県内では奇妙な経路を持っている。

 地図を開いてもらうと分かりやすいが、国道46号がそうであった様に、秋田市内のどこを探してもこの道は無い。
初めて現れるのは、昭和町大久保付近であるから、市内のどこか(多分茨島交差点かな?)から20Kmほども国道7号線を間借りしているようだ。
 ここから先の経路が複雑怪奇であり、よほど道路標識に注意して走らないと、正確に国道101号を辿ることは出来ない。
とても文章だけでは表現できない複雑さで、八郎潟残存湖畔の農村をすり抜けてゆく。未だに対面通行区間も残る。
しっかりと所々におにぎりがあるから、国道と分かるものの、はたしてこんな調子でどうやって遥か彼方の青森に向かうというのか心配になってくる。
最近ではここに、高速道路と見まがうまでに立派な日本海沿岸高速アクセス道路が完成しつつあり、遂にバイパス化工事かと思いきや、なんとその実態は、県道103号男鹿昭和飯田川線のバイパスであるなど、本当に見放された寂しい国道だと思う。
 こんな区間は5Kmほど続くが、遂に4車線の立派な道となる。
しかしこれも、重要幹線道である県道56号秋田天王線の4車線化工事後、そこが国道に指定されたに過ぎない。(この辺は、もと住んでいた場所なんで、詳しいのだ。)
その証拠に、101号は、県道56号のどこまでも続く広く長い直線道路に、突如申し訳なさそうに割り込んでくる。これは気の毒だ。
県道を走っているドライバーには、「いつの間に国道になったの?」という感じだ。
 しかしやっとのことで、国道らしい姿を手に入れた101号線だが、気が付くと、なにやら道はひたすらに男鹿半島に踏み込んでいく。青森に行くのではないのか??そんな心配をよそに、道は、立派な元県道56号の男鹿大橋で海を跨ぎ、男鹿市に入る。
そしてまたしても転落人生が始まるのだ。
 男鹿市脇本から男鹿市船川の間は、寒風山の山麓斜面が海に落ち込んでいく地形であり、交通の難所である。
この難所を海沿いの直線的なルートでトンネル越えするのが、県道56号だ。
一方、我らが101号といえば、トンネル開通以前の旧県道である、茶臼峠越えを強要されるのだ。
なぜだ! なぜこれほどまでに苛められるのだ!(しかもこの峠、県内有数の怪奇スポットとして悪名高い…。)
 船川から先、やっと青森へ向け北進を開始する。
半島の中心である男鹿中の集落を超え、反対側の五里合に至ると、この道の最大の汚点に遭遇する。
といっても、ここでもよほど注意深く進まねば、いつの間にか、“国道っぽい”若美町の町道に入ってしまい、そのまま何事も無かったかのように、いつの間にか国道に戻っているということになる。
本当の国道は、一部、わき道にそれ、幅2m程度ののあぜ道のような舗装路を経由している。
なにゆえ!! (いずれ写真撮りに、再びいきたいと思っている。)

 その後も案の定、併走する県道42号男鹿八竜線の旧道のような情けない道が続き、八竜町にて、あっけなく、再び国道7号線に吸収される。
7号線を間借りしたまま、能代市に至ると、やっと、やっと!
やっと本来の101号線に出遭える。
ここでは、能代市街を貫くメインストレートであるし、米代河口を長大橋で跨ぎ、その足で延々青森県境に向け北進を続ける。
そこに、他に有力の道は無く、地域のライフラインとして、大活躍している。

 元々は青森と能代を結ぶ国道であった101号線に、大幅伸遠と引き換えに数々の汚点を与えてしまったのは、なぜなのだろうか?

344号線

秋田県内に起点や終点がある国道を資料から抜き出してみて、奇妙な路線を見つけることが出来た。
この344号線だが、起点湯沢市(ちなみに終点は山形県酒田市)とあるものの、全く見たことが無い。
そんな馬鹿な?と思って地図をたどると、確かに344号線が酒田市にあることを認めた。
しかもかつて一度だけ、ちょっと走ったこともあった。
しかし、秋田県内には、何処をどう探しても、344号線は見当たらない。これは何か?

 どうやらこの道は、起点の湯沢市から、国道13号線と重なりながら、県境の雄勝峠を越えてしまい、なおも走り、起点から40kmも走った山形県金山町においてやっと、そのオリジナルの姿をあらわす様なのだ。
こんな、忍者か詐欺みたいな国道もあったもんだと驚いたが、マイナー好きのヨッキれんは今度全走したいと思った。

 東北地方を描いた広域図のようなものが手元にあったら、是非見てみてもらいたい。
秋田県内に、東北地方では他に例を見ないほどに、多くの国道が一点に集約している点があるのに気付かれただろうか?
言い方を変えれば、たくさんの国道がそこから放射状に伸びている。
大都会にありがちな、美しい地図形状だ。
 その中心地は、意外なことに県都秋田市ではなく、本荘市である(かつては、県庁所在地であったこともあるが)。
ここは、国道105号、107号、108号が仲良く終点(105号のみ起点)とし、しかも、107号に至っては、398号を共有させている。
さらに、大動脈国道7号が南北に貫いているうえに、なんと北に向かう7号は341号と共有しているのだ。
すなわち、本荘市(しかも本荘市内の極めて狭い地域)には、6本の国道がひしめき合い、その内1本の国道の起点であり、4本の国道の終点であるのだ。
凄いのじゃなかろうか?本荘市の規模を考えるとなおさら…(失礼)。
もしかしたらここには、国内最高対記録(複数のWEbサイトを調べた結果/2001年3月)“6個”のおにぎりの描かれた青標識が見つかるかもしれない!
…もし見つけられた方がいたら教えてくださいネ。

 * その後の実走調査の結果… *
見つけましたよ、おにぎりいっぱいの青看!
残念ながら、今のところ6つは見つかっておらず、5つまでですが。
詳細はこちらで!


 国道は、旅をするのに、最も長距離走ることが大半の道だ。
それだけに、飽きられやすく、また多くは無個性であるが、国道を走るときの安心感、たとえば深夜の長距離走行時に暗闇の中に浮かび上がるコンビニの明かりを見つけてホッとするような気持ち、は代え難いものがある。
さらに、栄えている道ほど、廃れたときの“面白さ”は格別であり、国道の旧道(特に山間部)は、それだけで山チャリの目的地になることもしばしばだ。

 総じて、私は国道が好きである。
県道県道写真
 秋田県には、県道1号線から403号線までの路線がある。(リストはこちら
しかし、欠番が非常に多く、しかも、不規則に欠番が混じっているので、正確な路線数は数えにくい。
しかも国道以上に路線の改廃が早く、路線名も変わることが多い。
実際には、2001年3月現在で、170路線くらいあるだろうか。
 県道は、国道ほどには整備されていないことが多い。
財政難に喘ぐ市町村の管理している県道などは、山間部では対面通行は珍しくない。
悪路もまだまだ多く残り、通行不能区間や不通区間も少なくない。
 県道には、国道での一級二級のような区分が、現役で生きている。
それは、主要地方道と、一般県道の区分である。
秋田県に限っていえば、1号線から73号線までは、幾つもの欠番を含みつつも主要地方道だ。
143号以降が一般県道である。(74から142の間は現在欠番のようだ。)
先ほど挙げた“市町村の管理している県道”というのが、ほぼ(完全?)この一般県道に該当すると思われる。
意外なのは、これは秋田県だけだと思うが、自転車道(サイクリングロードとも言う)が県道に認定されている点だ。
3路線が、401号402号403号にそれぞれ認定されている。
 県道のうち、主要地方道は大方、安心して走れる。
ここ数年、特にこれら主要地方道の改良及び拡張工事が盛んであり、山間部においても、2車線の部分が多い。
ひどい例外も残るが、確実に減ってきている。
 やはり、県道の侮れないのは、一般県道のバラエティーの多彩さだ。
殆ど林道と変わりない(というか、外見上全く変わりない)ような道が、普通の道路地図では堂々と“太い黄色”で描かれていたりするので、ここは祈るような気持ちで現地に至るしかない(現地に電話で聞くという手もあるが…チキン!)。
しかし、そのスリルが堪らないという部分が、確かにあり、結局県道は、山チャリストの楽しむ場所なのだと思っていたりする。

 もう一つ、県道の多くはチャリにとっても手ごろな長さなのが嬉しい。秋田県にある国道はどれをとっても、長く、とても一日で完走できそうなものは無い。しかし県道であれば、短いものは数100mから、平均して10Kmも無いものが多く、完全走破などの楽しみ方が出来る。
 * アノ噂について… *
以前から秋田県道232号太平山八田線は、路線名からか、はたまた地元での太平山信仰の敬虔さがあってか、山頂へ至る登山道も県道に指定されている、国内唯一の登山県道であるとの噂が実しやかに言われていたが、これはどうやらデマらしい。
実際行ってみると、金山滝駐車場で道は普通に終点となっている。

 総じて、私は県道が、とても好きである。
市町村道町道写真
 国道、県道、ときたら、次は市道や町道、村道といったものがある。
しかし、余り印象に無い。
自治体によっては、独自に番号をふったりしているようだが、一般に知るすべは無く、興味が湧いてこない。
国道や県道で無い道は大半が市町村道であり、その総延長を把握するものもいないであろう程、雑多に、長く、存在している。
国道、県道、市町村道は原則的に全てが“一般道”であり、誰でも分け隔て無く通行できる。
例外として通行車両を規制している道(後述の「自動車専用道」や「自転車道」など)や、優先車両を規定している道(「農道」や「林道」)、個人の所有物である私道などがあるものの、日本中にある道の延長の上での最長はやはり、市町村道であろう。
 よって、いまひとつこだわりを感じることが出来ず、なんか、山チャリ的に燃えてこない。
特に、「いやー、熱い林道だぜ!」などと思っていた道が、実は町道だったりすると、ちょっとショッパイ。

 総じて、私は、市町村道に、これといった思い入れが無い。 

高速道路/自専道高速入り口の写真
 山チャリストのみならず、全チャリライダーの宿敵、というか天敵。
これほどいい道があるのに、なぜチャリで通ってはダメなのか?理屈じゃないんだ!チャリで通りたいんだ!!
国道なんかをオッチラ走っていると、突如偉そうな(そう見えない?)緑の標識。
なぜか、高速の出入り口付近の歩道はないがしろにされているところが多く、その上横断歩道なども無くて、我が物顔で通り過ぎる車のご機嫌を伺いながら、しょぼしょぼと通り抜けることになりやすい。

 かつて、高速道路内を走らないまでも、パーキングエリアにチャリごと侵入し、トイレや公衆電話を利用した経験あり。
あの時は、爽快だった。(ちょっとヒヤヒヤしたが。)
ただばれたら、やばそうだから、もうしないけど。

 高速道路には一つ、付き物がある。
それは、“側道”という、高速道路敷地の端にほぼ確実に走っている、幅2mくらいの狭い道である。
保安上必要なものらしく、どんな山奥や険しい場所を通る高速でも大抵、側道があるようだ。
この側道。殆どの場所で、当然のことながら利用者は極端に少ない。
未舗装であったりすると、すぐに草生して使いものにならなくなってしまうのだが、結構ハードな勾配を見せることが多い。
急勾配を探したいなら、高速の側道を探せ!と、声を大にして言いたい。
ま、つまらない景色しかないし、すぐ行き止まりになったりして、走っていると、すぐに嫌になるが。

 総じて、私は、高速道路や自動車専用道路が、大嫌いである。
有料道路(元)有料道路の写真
 現在秋田県内には、有料道路といえるものは、河辺町にエアポートラインという僅か2Km程の道があるだけで、これも間もなく無料開放される見通しだ現在高速道路以外の有料道路は一本とて存在しない。
将来、計画どおりに“秋田中央道路”が完成したらこれは有料道路になるらしい。(むしろこれは都市高速道路的な有料道路だが、秋田に都市高速とは…ミスマッチだ。)
 というわけで、山チャリでの有料道路の走行経験はとても少ない。
というより、前出のエアポートラインだけだ。(ちなみにチャリからも軽車両料金の50円を徴収しやがった。
しかし、観光立県秋田であるから、かつては有料であった道は多く存在する。
酔狂かもしれないが、(私の知りうる限り)全て挙げてみたい。
有料道路名場所現在名
八幡平アスピーテライン秋田県鹿角市〜岩手県松尾村県道23号西根八幡平線
秋田県内最高高度に位置する道である。(見返り峠)
未走であり、今年は是非挑戦したい。
田沢湖有料道路西木村〜田沢湖町県道60号線、県道247号線
日本最深の湖である田沢湖畔の周りを3分の2ほど巡る道。
秋田有数の観光地である。
栗駒有料道路皆瀬村〜東成瀬村県道282号仁郷大湯線
とにかく山深い栗駒の中枢域を縦貫する、風光明媚は当たり前で、神々しい景色の中を走る道。
麓からチャリでここに至るのは至難だが、その価値がある。
鳥海ブルーライン秋田県象潟町〜山形県遊佐町県道210号鳥海公園小滝線
東北第2の高山である鳥海山の五合目を目指しひたすらにつづらを描く、山チャリスト感激の道。
ただ登って降りるだけでなく、県境を越えて反対に降りられるのが嬉しいよね。
寒風山有料道路
(パノラマライン)
男鹿市県道55号入道崎寒風山線
決して高くは無いが、芝山のため高原のような壮大な景色が楽しめる寒風山山頂に至る道。
山名の通り、冬季に登ることは、全身凍傷止む無しの危機に陥る事を意味する!
入道崎八望台有料道路男鹿市県道121号入道崎八望台北浦線
男鹿半島最大の展望地である、八望台を経由する山岳道路。
さすがにお金を取っていただけあり、立派な景色だ。
大桟橋道路男鹿市県道59号男鹿半島線
大桟橋は「だいさんきょう」と読む。日本有数の海岸美を堪能できる海のスカイライン。
あまりのすばらしい線形に痺れる。(景色もいいが、険しい断崖にへばりついた道が、美しいのだ!!)
エアポートライン
(淀川河辺有料道路)
雄和町県道61号秋田御所野雄和線
秋田市から秋田空港の最短系路上に存在する、秋田県企業局(だったかな?)が県内で最後まで料金をせっせと徴収し続けていたが、2001年1月当初予定を繰り上げて、無料化。

 これら元有料道路の多くは、いまだ現役の観光道路であることが多い。
観光道路という奴は、山チャリストにとってもお薦めできるルートに違いないが、生半可な道でないことが多いので、安易にチャレンジすると死ぬ。
しかし、走り甲斐は間違いなくあるので、やっぱ外せないルートだと思う。

 総じて、私は、有料道路が大好きである。

自転車道自転車道の写真
 自転車道は、その名の通り自転車で通行することを想定し建設された道であるから、自転車にはつらいような勾配はまず現れない。
したがって、走りやすい。
しかし、問題は、サイクリング人気が今一つなのかもしれないが、如何せん未整備の場所が多く、荒れがちだ。
何より、そうそう自転車道などない。
あっても、公園内一周とかは、あんまり山チャリストが食指を動かされるようなものではない。
結局、一般的な場所にある自転車道も、鉄道や森林軌道の廃線跡地で、車道として再利用するほど利用価値がないような道や、狭くて車道にはできない河川の土手上に作られたりするものがほとんどで、あまり面白みがない。
 ちなみに県内には、延長が10Kmを超えるようなものは3路線だけ存在し、なぜかすべて、県道に指定されている。
ただ、ヘキサがあったり、地図上で県道として表示されていたりはしない。
短いものは、そこら中にありそうだが、調査する気にはならない。

 総じて、私は、自転車道に興味がないといえる。
私道私道とおぼしき道の写真
 私道は読んで字の如し、私ヨッキレンの所有する道のことで…
はなくて、だれか、その土地の持ち主の所有物である。
世間一般に利用されている道は、全て公道であり、その土地は、国や県、自治体などの持ち物であったり、または契約で所有者から借り受けていたりする。
一方、私道は、個人の持ち物であるから、所有者の許可なく関係者以外が立ち入ることはできないし、不法侵入として検挙される恐れもある。
だから入っちゃだめですよ。
もちろん、ヨッキレンも、私道に入ったりはしません。
…そこが私道であると気付かせてくれるものを見落とす事はあるかもしれないですけど…。

 総じて、私は、私道にはあえてコメントしない事にします。
農道農道写真
 農道は、これまだ読んで字の如し、農業の利便のために開設された道である。
しかし、農業関連以外の車両にも開放されているのが一般的で、強いて言えば、農車両優先道路であり、普通は一般道の通行が許可されないような、農車両も普通に通行できる事も他の道とは違う点。

 この農道、大雑把に分けると、規模によって3つのタイプに分かれる。
一つ目は、「広域農道」といわれるもので、郊外の山野をバイパス的に貫き、点在する農地での農作業の利便を図ったものだと思うが、とにかくすばらしくよく整備されている。国道レベルだ。
しかもある程度道に詳しい人しか通らないので、一般道のバイパス的に利用すると大変便利である。
…というのは、車利用でのはなし。
チャリにとっては、下手な林道以上にハードに体力を消耗する、魔のゾーンである。
あまりにも直線的に山野を切り開いた道は、容赦なく上り、そして下る。
ひたすらにその繰り返しである、しかも、近くに民家もなく、補給点は全くない。自販機一つないのだ。
いい道だと聞いて安易に進入すると、必ず後悔するのが、この広域農道というやつである。
県内に確認されている広域農道一覧
広域農道名場所一言
能代山本広域農道山本町〜能代市〜峰浜村かなりロング(50Km級)! 米代川以北は未走。
比内山麓広域農道比内町〜大館市10km程度か。 未走。
鹿角広域農道鹿角市〜小坂町20km程度のようだ。 未走。
男鹿中央広域農道
(なまはげライン)
男鹿市10km位。まだ新しい。ナマハゲ大橋などあり。
既走。
寒風山麓農道男鹿市10Km弱か。近いのになぜか未走。
もしかしたら広域農道じゃないのかも?
秋田中央広域農道河辺町〜秋田市〜昭和町〜井川町〜五城目町最近全面開通した長い広域農道。(20Km位)
建設中にそのかなりを既走。
まだ通しでは走ってないが、”だる辛い”のは承知しており…行きたくない。
現在でも秋田市内にかなり、一般道と共有している部分があるが、ここに専用線を建設する計画は頓挫したようだ。
出羽丘陵広域農道
(出羽グリーンロード)
河辺町〜雄和町〜西仙北町〜南外村〜大森町〜雄物川町県内最長の農道で、70km級だ。
しかも、接続する雄勝西部広域農道と合わせれば、さらに20km以上農道の旅は伸びる。
しかも、秋田中央農道の起点からも近い場所にあり、これらをすべて合わせれば、五城目町から秋田市を経由して県南の雄勝町付近まで延々、ほぼ農道だけで走り継げる。
絶対やりたくないが!!
ほぼ全線既走。
雄勝西部農道雄物川町〜羽後町〜湯沢市県内最古と思われる広域農道。(20Km級だ。)
しかも県内の農道では今のところ唯一、トンネルがある(羽後トンネル)
ほぼ全線既走。
西仙北広域農道(仮称)(河辺町?〜協和町?)〜西仙北町西仙北町内を走行中、偶然発見したものの、走った距離もわずかであり、名称すら不明。
しかし広域農道である事は間違いない。
かなり離れた河辺町大張野地区で、広域農道工事に遭遇した事があり、この路線かもしれないと思っている。
しかし、いまだ謎の多い、地図にも現れない道であり、継続捜査が必要だ。
仙北広域農道中仙町〜仙北町〜六郷町
中仙町〜仙北町〜太田町
仙北の巨大な扇状地上に南北にクロスして走る広域農道。
一本の道が南北線と東西線に分かれる構造は、農道以外ではあまり見る事はない。
未走の20Km級だ。
本荘由利広域農道由利町〜仁賀保町
由利町〜西目町
広大な鳥海高原をクロスして走る広域農道。
鳥海高原の地形の恐ろしさを身を持って知るものとして、あえてこの道に踏みこみたいとは思わない。
俺をチキンにさせるほど、鳥海高原の地形は…恐ろしいものなのだ。
悪い事はいわない。行くべきではない。俺はもういかない。
もちろん未走だ。
奥羽山麓広域農道千畑町〜六郷町〜仙南村〜横手市〜十文字町〜増田町現在盛んに建設が勧められている、県南の広域農道の雄。
予想される延長は30km以上だ。
しかし地形的に相当に困難な道になりそうで、完成が少し怖い…、こわいよぉー!
未走である。
北出羽広域農道(仮称)?〜大内町〜?それまで山チャリ空白域だった、大内町高尾地区で明らかに広域農道的な造りの道に遭遇。それが2000年春。
その道は途中で建設が放棄されているようで、トンネルも開通しているのに、通行止めになっていた。
この道は舗装すればいつでも通れる状態にあったのだが、なぜ捨てられているのか?

 次に、普通の農道と分類する他ない、ただの農道が沢山ある。
本当にただの農道で、農地の間を、ま、普通に通っている。規模は大きくないが、本数は莫大に多い。
 もう一つは、畦道、である。畦道の写真
未舗装で、直線的、田畑の境界上に申し訳程度に存在する道で、くれぐれも山チャリで進入するメリットはない。
山チャリには無縁の(というか、農業以外には全く無縁)道である。
ありがちなのが、その長い直線性に「もしや近道か?」などと思い進入すると、ほぼ間違いなく後悔する。
道が悪く必要以上に時間や体力を浪費するだけならいいほうで、最悪、道が途中で行き止まっている事が少なくない。
さらにいえば、パンクしやすい道だと思う。
 くれぐれも畦道にハマってはいけない。

 総じて、私は、農道が嫌いである。山チャリ向きでない。

林道
仮公開中です。
廃道
こちらです。
道以外の場所
別ページです。執筆中!