走破レポート  男鹿林道
2002.7.28


 県内有数の観光地である男鹿半島は、国定公園の名に恥じぬ、景勝地である。
特に、奇岩・巨石が乱立し、海食地形の迫力を見せ付ける、西海岸の景観や、
厳冬の夜に執り行われる、どこか人間離れした奇習「なまはげ」は、全国に誇るべきものであろう。

 その男鹿半島は、かつては日本海に浮かぶ孤島であったとされ、陸繋砂州の成長により八郎潟を形成するとともに、本州と陸続きとなったのは、人類の歴史と照らしても、そう古いものではないらしい。
男鹿半島の地形的中心は、なまはげ発祥の地に近く、“お山かけ”とよばれる山岳信仰の舞台、男鹿三山である。
わずか700mばかりの海抜に高山植物が群生するなど、個性的な景観を随所に見せる。
 地史に疎い私でも、この地には、本土とは違う空気を感じることができる。
男鹿半島は、もはや単純に、興味深い。

 さて、この男鹿半島を舞台に山チャリをするということは、大変充実した一日を約束してくれる。
一般県道をすこし走るだけでも、変化に富んだ景色を楽しむことができるからだ。
そもそも、少し前までは、半島内を走る県道の半数以上が、有料の観光道路であったのだ。
山チャリは、観光地には弱いと言う印象があるが、ここ男鹿半島は、それ以上に魅力的だ。

 しかし、やはり、山チャリ的な、ハードな道を求めるむきもあろう。
あえて、このすばらしい観光のメッカで、何時間もの時間を、辛い林道一本に割く必要があるのか?
それは、このレポートを見てから、あなた自身が決めていただきたい。

 舞台は、「男鹿林道」。

 かつて、チャリ馬鹿トリオのメンバー“保土ヶ谷”をして、「2度と行きたくない」と言わしめた、その、登りである…。

<地図を表示する>

 
秋田県 男鹿市 羽立
2002.7.25 5:43
 この日は、秋田市の自宅を午前4時に出発、途中、昭和町から天王町を経由して、船越水道八竜橋から男鹿市入り。
県道59号線から、国道101号線に乗り継ぎ、目指す林道の入り口にほど近い、男鹿市羽立の集落に至る。
 天気予報では、日中の最高気温が36度という、体温にも等しい猛暑を予告しており、日が天上に達する前に山チャリを終了せねば、命はないと考えた。
攻略目標は、男鹿林道、ただ、一つである。

 写真は、羽立から目指す男鹿三山を望む。
三山は、左から“毛無山”、“本山”、“真山”の名を持つ。
男鹿林道が目指すのは、その山頂である。
紛れもなく、山頂そのものである。

男鹿中 男鹿林道入り口
6:07
 国道101号を羽立から北上するとすぐに、半島の脊梁を小さな峠で越える。
下るとまもなく、寒風山の頂に至る県道と合流し、さらに北上する事1kmあまりで、いよいよ、男鹿林道の入り口である。

 写真左は、国道からの分岐点を撮影したもので、目立たないが、小さな『航空自衛隊 8.3km』との案内表示あり。
写真右は、その初めの景色である。
何の変哲もない市道だが、ここで緩やかに始まる登りは、その終点まで終わらない…。

 見上げる頂
6:14
 入り口から約1km、途中左手に、「男鹿中小」という、小学校か中学校かはっきりしない名の小学校がある。
そして、写真の場所に達するが、まだまだ目指す頂の遠さが際立つ。
この時点ではまだ、高低差よりも、その位置的な遠さが、気になる。

 片側1車線の舗装路で、片側には狭い歩道も有る。
その歩道は倒木に遮られたり、雑草に消えかけていたりと、整備状況は悪いが。

10500m地点 
6:16
 左の写真では見難いので、拡大して少し明るく補正したのが、その右の細長い写真である。
路傍に立つ『10500M』の表示とはなにか?
察しの通り、距離である。 終点までの残りの。
 実は、この道を走るのは、これが4度目である。
初めてのチャレンジでは、この“距離ポスト”が嘘であってほしいと願ったものだが、残念ながら真実である。
この表示がチャレンジャーに突きつける事実は、
『この先10500mの道のりがある。』 …さらに、補足させてもらうと、
『その道のりは、ほぼ全てが登りである。』 …さらにさらに、事実はこうだ。
『この先、山頂に至るまで、登りは止まぬ。その距離は、10500mである。』

←この時のリアルな表情。
 
三ツ森 なまはげライン交差点
6:18
 入り口から2500mで、この交差点にたどり着く。
平成に入ってから開通した、通称“なまはげライン”(男鹿中央広域農道)である。
この道は、専ら半島の交通のバイパスとして活用されており、観光バスも通る主要道である。
 この場所の青看板の拡大写真(右)

地域の重要な地名が左右のなまはげライン上に並んでいるのがお分かりいただけるだろう。
そして、正面の矢印の先には、「真山 本山」とだけある。
潔い。 好きだ。
開分岐点
6:20
 既に3kmを攻略。
行程の4分の1を楽に終えたが、このまま行けるわけもなく。
ここで、いよいよ道は、山岳道路化し始める。

 この開集落への分岐点こそが、この道の性格が現れ始める、その特異点である。
写真からも、分岐の先の道が、いきなり狭くなっている事はお分かりいただけると思うが、それ以上に重要なのが、この看板(下が拡大写真)。
 防衛庁専用道路?!

入って行って大丈夫なのか?!



 今始まったばかりの、男鹿林道完全攻略。
終点には、一体どんな景色が待っているというのか?
そもそも、防衛庁専用道路に、無断突入したことを公言するようなこのレポート…、平気なの?
果たしてこの先、どうなる?!

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