ルートレポート  新潟県山北町 国道345号線 笹川流れ
2003.3.6走行/3.11作成



 私は、冬の山チャリをどうするべきか、真剣に悩んでいた。
豪雪地秋田の山は、いや、東北全土の山々は、その殆ど全てが、冬場、山チャリの舞台としては使い物にならない。
そうなると必然的に、普段は強風などの悪条件もあり、余り相手にしない沿岸部の道に興味が行く。
東北の沿岸部は、比較的雪も少なく、幹線道路も多いので、けっこう自由に走れるのだ。
そういうわけで、夏場なら敢えて足を伸ばすこともないであろう、遥か新潟県村上市に向けた、徹夜の山チャリを企画したのであった。
 この計画は、自身の“初新潟入り”となるだけでなく、輪行主体の山チャリ生活になって以来、久々の長距離走行となる。
秋田発の羽越線終電車の終点羽後本荘駅のある、秋田県本荘市から、ひたすらに南下。
途中山形県の沿岸部を通り抜け、ついには、新潟県北端の市村上市に至る、全長200km近い3県に跨る計画だ。



 前夜23時ごろ、計画通り羽後本荘駅を発った私は、国道7号線を徹夜で南下。
途中、ローソンを選んで小休憩を得つつ、2時過ぎに山形県遊佐町に到達。
終電に飛び乗る直前まで働いていたので、睡魔が襲い来る。
「徹夜走行が出来なくなったら、引退じゃ!」と、自身を鞭打ち、居眠り運転には細心の注意を払いつつ(笑)。
3時に酒田市のコンビニ「リトルスター」で休憩。山形入りしてから、とんとローソンが見えなかったゆえの、苦しい選択であった。
夜間はまったく機能していない廃隧道並みに真っ暗だった「道の駅三川」に驚きつつも、いよいよ第一の目的地、鶴岡市入り。
計画よりも1時間ほど早い5時に、鶴岡駅に到着した。
この先は未知の道であり、朝日を待っての出発としたく、市内を探索。ついに「セブンイレブン」に入店してしまった。
6時が近付くと、次第に明るくなってきたので、南下を再開。
 その後、いくつかのチャレンジをしつつ、なおも沿岸を南下。
午前10時には、温海町鼠ヶ関を通過し、遂に初新潟県入りを果たす。
10時45分、新潟県山北町勝木。
これより先は、内陸に向かう国道7号線を離れ、国道345号線を進む。
ちなみに、国道345号線の起点はここには無く、山形県遊佐町にある。国道7号線はと一部重用しているのだった。
そういえば、この日の私は、国道7号線と国道345号線しか(ほとんど)走っていない。
話が脱線したが、いよいよ目指す村上駅までは50kmを切っており、既に150kmを走ってきたことになる。

 ここが、今回のレポートの起点である。



 今回紹介する国道345号線は、通称『日本海夕日ライン』と呼ばれ、景勝「笹川流れ」の真っ只中を貫く、キラッキラの観光路線である。

 いつもとは体裁の違うレポートとなったのは、廃隧道など、「山さ行がねが」的な見所に絞ってご紹介する為である。
敢えて取り上げていないものも多いが、一帯には目を見張るような景勝が数多くある。
 


勝木 < はじまり >
鵜泊 < 道の脇に穴 >
芦屋 < 無理矢理2車線 >
脇川 < 廃隧 狭くなる穴 >
蓬莱山 < 天を突く巌 >
根込 < 海食洞の交差点 >
今川 < 廃隧 砂の穴 >
板貝峠 < 廃隧 岩窟 >
笹川流れ〜村上 < おわり >

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