道路レポート  
鷹巣沢林道
2004.5.26


 私は久々に、「これはぜひ山行が読者に見ていただきたい!」と思える林道を、収穫してきた。

林道ネタは、とんとご無沙汰していたが、久々に全国に誇れる発見があった。
しかも、確実にネット未発表の完全新作である。

「え〜 林道ネタぁー?」というあなたも、

 刮目して、見よ!!



秋田県由利本荘市鳥海町川熊
2005.5.25 17:01


 町村合併によって、かつての由利郡鳥海町は、由利本荘市の一部分となった。
それに伴い、従来の地名に「由利本荘市」が冠されるようになった。
この鳥海町の南部に位置し、丁(ひのと)山地を挟んで山形県と近接している川熊地区には、一本の県道が横断している。
それは、主要地方道70号(鳥海矢島線)である。
この鳥海矢島線は、全体的に通行量が僅少な地方の県道であるが、その中でも川熊と天神の間に控える笹子(じねご)峠が、最大の難所である。

笹子峠は、高さ450mと大したことは無いのだが、つづら折りを有する急な登りで一気に峠を目指す。
所々には1車線の区間も残る、鳥海山や丁山地の眺めに恵まれた峠道である。

写真は、その東側、川熊地区の登り口。
このストレートの先は急に1車線となりつづら折りが待つ。



 その二つめのヘアピンカーブの突端に、目指す林道はあった。
その名は、「鷹巣沢林道」。
地図上には記載が無く、どこへ通じているなどといった情報もないものの、もうかれこれ6年以上も前にこの入り口をやはり目撃しており、その時から、次こそは入ってみようと思っていたのだ。

何が、私を駆り立てたのかは後ほどお話しすることとして、まずはその入り口の現在の様子を、ご覧頂こう。


 入り口は小さな広場になっており、車が転回できる程度のスペースがある。
そして、その奥が本当の入り口で、ロープゲートが閉じられていると共に、おそらく県道の除雪によって生じた雪が、未だ黒々とした残骸を晒している。
これでは、ゲートが無くとも車では入っていけない。
行く手の道路状況に、不安が募る。
なにせ、現在時刻は午後5時を回っている。

林道標示柱は、以前来たときとは差し替えられていた。
以前は開設年度や延長なども記されていたはずだが、新しいものには、単に林道名と管理主体である「由利森林管理署」とだけある。
それにしても、林道名の略字は、あんまりだろう。正しい名が分からなければ、絶対に読めない。


鷹巣沢林道へ そして…いきなり
17:07

 林道はフラットダートで、余り通行量はないようだ。
直ぐに左カーブになっており、県道は視界から消える。
そして、代わりに視界に現れたのは、好ましい杉植林地に囲まれた数軒のプレハブ小屋である。

おおよそ7%ほどの勾配で、登っていく。
ここまで入り口から、3200cmほどである。



 プレハブの内一棟は、トイレットであった。

全体に傾いてはいるものの、当たり前のように立ちションしてきた我々山チャリストにとって、山の中のトイレットは、貴重な存在だ。
(敢えて入ろうとは思わないのもまた、暗黙の了解だが)
存在感をアピールしている山のトイレットは、道中最大のアピールポイントである。

ここを、道の駅ならぬ、林道の駅として開業させることを、提案したい。



 林道の駅を越えると、フラットダートは下草の丁寧に刈られた直線に差し掛かる。
おおよそこの直線が3000cm程度続くが、その先には陽の当たる広場が。

何かがある 気配が する。

私は、猛烈に、大ネタになる兆しを感じた。




 タキ----!

やったぜ!!

終点だ!!!

き、記録更新だ!!

ここまで、大きく見積もっても全長、7000センチメートル程度。
これは、林道界の最短記録候補!!

現在時刻、午後5時8分。
通行に要した時間、… 1分。
途中には、ワンコーナーのみ。あとトイレ。

その林道の名は、鷹巣沢林道。
平成13年度版、「秋田県民有林林道現況位置図」にも、点か盲腸のように描かれていた林道は、実在した!
その全長は、確実に100m以内。

惜しむらくは…、
私をこの地に誘った、あの6年くらい前に見た旧林道標柱が失われていたことだ。
だって、そこには全長が、間違いなく記されていたから…。
そこにあった初めて見る二桁の数字が、私はずうっと気になっていたのだ。
しかし、時ばかりいたずらに流れ、確かめるのに6年もかかってしまったよ。


おろらく秋田県の最短林道。
鷹巣沢林道、 決着!!








鷹巣沢林道



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