走破レポート  「田沢スーパー林道」  その3 
2001.9.20


 2001年9月2日、田沢スーパー林道の3度目の実走調査を実施した。
大規模な崩落を乗り越え、峠の隧道をくぐりぬけ、崖沿いの細い道を、命がけで下って行った先に待ち受けていたものは?
田沢スーパー林道走行レポート完結編です!
<地図を表示する>


小波内大橋
2001.9.2 8:35
 全線で最も長大で、高い橋。
一見したところ、ただの橋だが、これもまた、前後の道の狭さや、あれっぷりを考えると、異様な立派さに思える。
この田沢スーパー林道は、地図を一見すると、黒崎森隧道を頂点とした、単一峠の道と思われがちだが、実際は、この橋の前後に2つの峠を擁する道だ。
しかも、西木村側のこれから登ろうという峠の方が、海抜が微妙に高い。
甘く見ると、すり鉢の底であるこの橋でへばるのが、この道の怖さだろう。(この場所からは、一切のエスケープルートもないのだ!)

 右の写真は、橋を渡り少し行ったところから、振り返って撮影したものだ。
緑に映える立派な橋である。

釜石沢3号橋
8:52
 いきなり高規格道が出現!!
舗装は、橋の上だけだけだけど…。

久しぶりに車を発見。
ここに車止めのロープも張られており、今年の、西木村側の終点はここと言うことらしい。
(トンネル付近で発見したオヤジは、ここから6キロくらい歩いたという事か…?スゲー)

それにしても、今までの道を考えると、異様な立派な景色。(先に見える切り通しに注目!)
巨大な切り通し
8:55
 2年前には、ここでまだまだ工事が行われていた。
4年前には、切り通しは、ただ削られただけで、まだ植栽されていなかった。
きっと、ここの工事が終わったら、さらに高規格な区間が伸延されるものと考えていたが…。
今年行ってみたら、工事は完了したようで、放置されていた。
以降の工事は、行われないのだろうか…。
だとしたら、一帯何のための、これだけ大規模な改良工事だったのだろう…??
釜石沢2号橋
8:58
 直線の長い砂利道の向こうに見えているのが、釜石沢2号峡。
この区間は、この改良工事以前、非常にグネグネとした線形で、谷沿いの道だったようだ。
所々に、朽ちはてた旧道らしい跡が残っていた。
私の知る情報では、初期の道の完成当時に最も崩落が相次いでいたのは、この区間であったらしく、その解決策としての、これほど大規模な、線形改良だったのだろう。
また、その当時では、この道の将来にまだいくらかの希望があったものと考えられる。
それは県道化であったようだが。
(もし今後この道が県道化されたとしたら、多分321号線を伸延する形になるのだろう。名前は、「河辺・西木・田沢線」か?)
釜石沢1号橋
9:07
 これまた立派な釜石沢1号橋。
直線を主体とした厳しいのぼりは、もう少しだ。
個人的には、この区間が最も辛い、熱い、だるい。と感じた。

 個人的に要望。
この区間だけでも言いから、舗装してください。
折角ここまで作ったのだから、舗装しさえすれば、もう数十年は、このまま残るでしょう。
しかし砂利のままでは、その労力がもう数年で全くの無に帰してしまいそうです…。
いつの日か、この道が脚光を浴びるときが来ないとは…誰も断言できないでしょう?
っていうか、断言して欲しくないし。
がんばれ、スパ林!
 最高ピーク
9:12
 標高600mを僅かに越え、全線で最も高い場所となるのがこの辺り。
線形改良と拡張が行われているのもこの辺りまで。
左の写真は、まるで空に消えてゆくように熾烈な登りだが、まもなく峠だ。
しかしそれにしても、轍が深くて走り辛い!

 右の写真は、やっとか到達した峠からの一枚。
これまで登ってきた道のりを撮影したわけだが、背後に見える高い山並みを越えてきたわけだから、その厳しさたるや…。
(弘西林道を思い出させる景色だ…コエッ。)
ひたすら続く直線下り
9:35
 緑のトンネルの中を、一気に標高差450mを下ります。
ひたすらに続く砂利道で、ハンドルを支える腕も痛みます。
全体的には、直線の多い下りで、いやがおうにも高速です。
でも。所々には、きっつい九十九折もあるので、運転注意です。
とはいっても、ここまでの道の悪さになれてきてて、やっぱスピード出しちゃいますね。

 この辺りの一部では今でも伐採が続いているようで、林道らしい姿を見れました。
なんか、嬉しい!
 脱出間近!
9:44
 どこまでも続く直線下り。
しかしそれも終わります。
ついに、西木村堀内の集落が見えてきました。
そこには、ずいぶん久々に見る「通行止め案内」が。

通行止

ここから 10Km先 落石のため河辺町への通り抜けは出来ません

多分これはの事だろうが、こんなに遠くが通行止めと言われてもなー。
入っていいのか、ダメなのか、悩むよなー。
…私は、悩むふりして、侵入しますが…。
脱出!! 西木村堀内
9:49
 遂に長い長い(33.2Km!)、道のりの終わりです。
黒崎森トンネルを中心に、約16.5Kmずつの巨大山越えでありました。

 今この道は、まさに、満身創痍。
そのうえ、今後の治療の可能性も低いようです…。
数年後、地図からも消えてゆく定めなのかもしれません。

この道をお勧めできるかといえば、それはNOと言わざるを得ません。
自動車では、とてもその核心に近づけませんし、自転車や徒歩では、その規模は遠大です。
危険も多く、安全に通行する事は困難です。
通行止めになっているのには、少なくともこの道において、正当な理由があると感じました。

いつの日か、この道が再び脚光を浴びる日を、期待したいです。





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