2001年9月2日、田沢スーパー林道の3度目の実走調査を実施した。
大規模な崩落を乗り越え、峠の隧道をくぐりぬけ、崖沿いの細い道を、命がけで下って行った先に待ち受けていたものは?
田沢スーパー林道走行レポート完結編です!
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全線で最も長大で、高い橋。 一見したところ、ただの橋だが、これもまた、前後の道の狭さや、あれっぷりを考えると、異様な立派さに思える。 この田沢スーパー林道は、地図を一見すると、黒崎森隧道を頂点とした、単一峠の道と思われがちだが、実際は、この橋の前後に2つの峠を擁する道だ。 しかも、西木村側のこれから登ろうという峠の方が、海抜が微妙に高い。 甘く見ると、すり鉢の底であるこの橋でへばるのが、この道の怖さだろう。(この場所からは、一切のエスケープルートもないのだ!) 右の写真は、橋を渡り少し行ったところから、振り返って撮影したものだ。 緑に映える立派な橋である。 |
いきなり高規格道が出現!! 舗装は、橋の上だけだけだけど…。 久しぶりに車を発見。 ここに車止めのロープも張られており、今年の、西木村側の終点はここと言うことらしい。 (トンネル付近で発見したオヤジは、ここから6キロくらい歩いたという事か…?スゲー) それにしても、今までの道を考えると、異様な立派な景色。(先に見える切り通しに注目!) |
2年前には、ここでまだまだ工事が行われていた。 4年前には、切り通しは、ただ削られただけで、まだ植栽されていなかった。 きっと、ここの工事が終わったら、さらに高規格な区間が伸延されるものと考えていたが…。 今年行ってみたら、工事は完了したようで、放置されていた。 以降の工事は、行われないのだろうか…。 だとしたら、一帯何のための、これだけ大規模な改良工事だったのだろう…?? |
直線の長い砂利道の向こうに見えているのが、釜石沢2号峡。 この区間は、この改良工事以前、非常にグネグネとした線形で、谷沿いの道だったようだ。 所々に、朽ちはてた旧道らしい跡が残っていた。 私の知る情報では、初期の道の完成当時に最も崩落が相次いでいたのは、この区間であったらしく、その解決策としての、これほど大規模な、線形改良だったのだろう。 また、その当時では、この道の将来にまだいくらかの希望があったものと考えられる。 それは県道化であったようだが。 (もし今後この道が県道化されたとしたら、多分321号線を伸延する形になるのだろう。名前は、「河辺・西木・田沢線」か?) |
これまた立派な釜石沢1号橋。 直線を主体とした厳しいのぼりは、もう少しだ。 個人的には、この区間が最も辛い、熱い、だるい。と感じた。 個人的に要望。 この区間だけでも言いから、舗装してください。 折角ここまで作ったのだから、舗装しさえすれば、もう数十年は、このまま残るでしょう。 しかし砂利のままでは、その労力がもう数年で全くの無に帰してしまいそうです…。 いつの日か、この道が脚光を浴びるときが来ないとは…誰も断言できないでしょう? っていうか、断言して欲しくないし。 がんばれ、スパ林! |
標高600mを僅かに越え、全線で最も高い場所となるのがこの辺り。 線形改良と拡張が行われているのもこの辺りまで。 左の写真は、まるで空に消えてゆくように熾烈な登りだが、まもなく峠だ。 しかしそれにしても、轍が深くて走り辛い! 右の写真は、やっとか到達した峠からの一枚。 これまで登ってきた道のりを撮影したわけだが、背後に見える高い山並みを越えてきたわけだから、その厳しさたるや…。 (弘西林道を思い出させる景色だ…コエッ。) |
緑のトンネルの中を、一気に標高差450mを下ります。 ひたすらに続く砂利道で、ハンドルを支える腕も痛みます。 全体的には、直線の多い下りで、いやがおうにも高速です。 でも。所々には、きっつい九十九折もあるので、運転注意です。 とはいっても、ここまでの道の悪さになれてきてて、やっぱスピード出しちゃいますね。 この辺りの一部では今でも伐採が続いているようで、林道らしい姿を見れました。 なんか、嬉しい! |
どこまでも続く直線下り。 しかしそれも終わります。 ついに、西木村堀内の集落が見えてきました。 そこには、ずいぶん久々に見る「通行止め案内」が。 通行止 ここから 10Km先 落石のため河辺町への通り抜けは出来ません 多分これはの事だろうが、こんなに遠くが通行止めと言われてもなー。 入っていいのか、ダメなのか、悩むよなー。 …私は、悩むふりして、侵入しますが…。 |
遂に長い長い(33.2Km!)、道のりの終わりです。 黒崎森トンネルを中心に、約16.5Kmずつの巨大山越えでありました。 今この道は、まさに、満身創痍。 そのうえ、今後の治療の可能性も低いようです…。 数年後、地図からも消えてゆく定めなのかもしれません。 この道をお勧めできるかといえば、それはNOと言わざるを得ません。 自動車では、とてもその核心に近づけませんし、自転車や徒歩では、その規模は遠大です。 危険も多く、安全に通行する事は困難です。 通行止めになっているのには、少なくともこの道において、正当な理由があると感じました。 いつの日か、この道が再び脚光を浴びる日を、期待したいです。 完
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