以前このコラムでも語ったように、山チャリ中は、決して楽しいことばかりではない。
趣味でしていることなのに、楽しい時間はあまり多くないのが実情かもしれない。
でも、やはり最高にうれしい瞬間もある。
当然、辛い道を攻略した時のうれしさは、麻薬的だ。
最高と言って、ほとんどよい。
でも、最高は、少しの差で、別のとこにある。
それこそが、眺め、である。
高いところから、広大な大地を眺めるのは、最高に気分がいい。
これまでも、無数にそんな景色に出会ったが、こればかりは、いつも、色褪せない快感を感じさせる。
写真を見てもらっても、十分とはいえないだろうが(なんといっても360度に、上下も加えた…まさに空間がすばらしいのだから…)、共感していただける人がおおいのではないかと思う。
どんなに疲れていても、突如眼前に現れる大パノラマが、それを吹き飛ばしてくれると言うのが、大げさでない実感だ。
それに、そんな場所の出現が予期できないのがまたいい。
突然…、ある角を曲がったとたん、ふと視界をさえぎる木々がと切れたその時、振り返ったその時、etc
胸のすくような、あの瞬間。
山チャリの苦労が報われることがあるとしたら、まさに、あの瞬間だと言えよう。
初めての山チャリで、郊外の大滝山。
汗だくになって上った標高200mたらずの小山。
そのてっぺん近くで、突如眼下に広がった、青々と茂った木々、草原のような無数の田んぼ、遠くに見えるビルの影、背景は日を反射した真っ白な海と空。
その感激は、その場にいた仲間もろとも、永遠に離れられない宿命(ヤマー好きー)を背負わせたと言っても過言でないと思うのだ。
マイナーな山ほど、知られざる景色を独り占めできる気がするということも、付け加えておきたい。
仮設林道でこんな景色にあうのが、最高中の最高かな。