その54主要地方道38号線2004.5.19撮影
岩手県大船渡市〜陸前高田市 


岩手県で表題の県道を走行中、奇妙な体験をした。
ご覧頂こう。



 広田半島は、鯨歯の様に複雑な海岸線を見せる三陸地方にあり、陸前高田市と大船渡市の境界線になっている。
三陸特有の鋭角な海岸地形と、その隙間を埋めるわずかな白浜。
この組み合わせに合わせ、沢山の集落が小さな半島に乗っかっている。
そこを、点々を繋ぎ、最終的には大船渡と陸前高田を繋いで、国道45号線の補佐的な役割を担っているのが、主要地方道38号「大船渡広田陸前高田線」(県道名ながッ!)である。




 そして、半島の中心的な存在なのが、ひょうたん型をした半島の“くびれ”の部分に位置する広田集落である。
ここには小学校や中学校、コンビニなんかもあった。

写真は、広田集落の中心部の交差点から、半島西部への道を撮影。




 これは、北側を撮影した写真。
こっちへ進めば、いずれ陸前高田市で国道45号線にぶつかり終点。
いきなりの急坂だ。




 そして、これは同じ交差点から東を撮影。
こちらから今来たのであるが、大船渡市にて国道45号線と分かれる部分が、本県道の起点であった。
ここまでも、結構アップダウンが激しくて、キツかった。
山という感じではなく、集落内の道が激しく上り下りしているのだ。



 そして、これは交差点から南を見た景色。
こっちだけは2車線の道になっている。
奥には中学校の大きな建物が見えており、最も開けた一帯だ。

で、半島の南部を周回するように道路が敷かれており、この道を行けば、さっき紹介した「西」へ向かう道へと繋がる。
この半島南部を一周して、ここへと戻ってくる行程は約6kmである。

で、なんでこんなに詳しく、この交差点を紹介したかと言えば、
この交差点から伸びる4本の道は全て 同じ県道なのである。



 北側にだけ立っている立派な青看を見て、「あまりにも狙い通りの表示」に、思わずガッツポーズである!!

設置者も、実は狙っていたのではないかと思われるほど、余り普段は県道の記号が重ねられることのない“手前の道”にまでしっかり表示され、遂に“4方開花”を成し遂げている。

この様に、同一の県道同士で交差点を形成する箇所というのは、バイパスと旧道などの間でしばしば成されるが、ここは正真正銘、「8の字の上だけがかけた形」で県道指定されているのだ。

なお、この道を走っている最中には、奇妙な体験をすることがある。
たとえば、「途中にあるヘキサの下に示されている行き先表示やそこまでの距離が、陸前高田になったり大船渡になったり、せわしない」や「上り下り両車線のヘキサに、同じ行き先表示がある」などだ。

半島のバイパス工事は陸前高田側から現在進んでおり、賞味期限が心配される青看でもある。



 最後に地図を紹介しよう。
県道38号線が、半島内を縦横に駆けめぐっている様が分かるだろう。

もし、同じような青看を知っていると言う方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて頂きたい。






2004.5.20作成
その55へ

一つ戻る