同じアングルで撮影した写真だが、夏場には確認できない制限標識が写っている。
以前は沢山残っていたように記憶している本旧道の標識も、今ではもう、数えるほどだけになっている。
確かに、道路標識を売っているのは見たことがないし、…いや個人が買える物なのか分からないが、いずれにしても、貴重な標識を悪戯目的で破損したり、持ち帰ったりするのはやめてほしい。
私からの、切なる願いである。
本レポートとは、直接関係ないのだが…。
今ではもう、よい思い出の一つになってしまったが、この時は本当に死ぬかと思った。
積雪30cm、しかも俗に言うドカ雪、すなわち、おもーい水気たっぷりの雪だ。
そんな雪が膝丈まで積もった旧道を、五城目側から延々チャリ押しで登ってきたんだった。
途中から、記憶がほとんど無い。
ただただ、3歩歩いては立ち止まり、息を整えた。
僅か3歩だ。
そのことだけは、鮮明に覚えている。
チャリが、あんなに重かった日は、他になかった。
とっくに濡れた足は感覚が麻痺し、己の体重すら、痛みとしてしか感じられなかった。
あともう1km峠が遠かったら、冗談抜きで、私は意識を失っていただろう。
もちろん、そのまま…この低山でも…死亡したに違いない。