国道341号旧線の探索は、玉川ダムから始まり、南下。
玉川沿いの道は、いったん現道に合流した。
この先の旧道は、隧道連続地帯のはずだ。
昭和31年に仲良く竣工した、1号から7号までの隧道が存在していたはずなのだ。
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さらに現道を玉川に沿って南下すると、まもなくこの鹿ノ作トンネルが現れる。(写真左)
ここは最近改良された場所で、4年前に来たときには、まだ旧トンネルが残っていた。 …そう! すっかり旧トンネルは埋められていた。 元々、6号隧道(延長135m)と5号隧道(延長32m)と呼ばれていたものがここにあったのだが、今日では、僅かに6号隧道の北側の入り口のコンクリが、草むらに見え隠れするのみだ(写真右)。 4年前にもこの6号隧道はすでにこの状態であった。 しかし5号隧道はまだかろうじて埋められず残されており、そのときに、わざわざ車止めを越えくぐっていた。 あれが、くぐり収めであったか…。 そう考えると、なんとも寂しい気持ちになった。 |
国道341号を、玉川沿いを下流に進むと、間もなく、その流れはまたもダムによってせき止められる。 玉川ダムよりも古くからこの地に存在する、鎧畑ダムと、秋扇湖である。 秋扇湖畔の国道にはまだ実改良の区間が残る。 かろうじて2車線は確保するものの、歩道はなく、線形もブラインドコーナーの連続する、交通のボトルネックである。 しかし、やはりというか、この区間も改良工事の真っ最中であった。 写真の場所では、現道は、右に落ち込んでゆくが、正面にはすでに新道用の橋梁が完成している。 その先は、どうやら、トンネル化しにつながるようだ。 これは、1Km近いトンネルになるだろう。 |
未改良の区間を越えると、すぐに目の前に、鎧畑トンネルが現れるのだが、今回はその前に、この建設中トンネルが目の前にどんっ、とあらわれた。 工事の標識を見るところによると、建設中のものは、「鎧畑2号トンネル」と言うらしく、このトンネルが現道に組み込まれれば、いよいよこの秋扇湖は、その湖面を車道からほとんど見せない(玉川ダムとは好対照な)ひっそりとした湖になるのだろう。 開通はそう遠くないだろう。 |
んで、新道工事も興味深いのだが、やはり真にエキサイティングなのはこっち。 いつもの光景(笑)である。 鎧畑2号トンネル工事のプレハブ飯場の脇から入るのだが、のりこえられるのを見つかると嫌なので、すばやく侵入。 でも、この橋、道路橋としては珍しい形でない? 線路っぽい?? 何はともあれ、今回の国道341号線旧道調査最後の旧道区間へGO! |
旧道に入るとまず、道が狭い。 とても2車線は確保できまい。 落ち葉が結構積もっているものの、アスファルト自体はしっかりしているのでまだ走りやすい。 そんな旧道然とした様子はとても、そそるのだが、やってくれました! すぐに、目的の隧道群が姿をあらわします。 まずはこの4号隧道(延長50m)。 森の中に、景観と一体化した小さな隧道が現れ、私ははチョウモエです。 しかし、隧道内のひんやりした空気が、鎮めてくれました。 |
4号隧道を抜けるとすぐに、5号隧道が現れるが、その坑口の直前に、やはり廃道である、ダムサイトへと至る取付け道路と分岐する。 この道には今回は入らなかったが、4年前にすでに車止めが設置されており、その奥は相当に草生していた。終点が本当にダムサイトまで通じているかは不明だが、その方向に続く道だ。 写真は、トンネルの前後に必ずついていた標識だ。 狭すぎるトンネル群が、この旧道の道路生命を明らかに縮めたようだ。 この隧道群を全てショートカットする形で作られた一本のトンネル「鎧畑トンネル」は、延長655m、巾は7,5mあるが、これらの旧隧道群の巾は全て5、5mである。狭い。 |
7本の隧道の中で最も長かったのがこの3号隧道。 その延長は、183,2m。 見たところ、現役時代でも、電灯はなかったと思われるのだが、かなり危険である。 内側は金属で補強されているものの、常に地下水がそこかしこに漏れ出ていた。 かなり、朽ちている…。 |
旧道の旅もいよいよ終盤。 2号隧道(延長48m)と1号隧道(延長68m)が、そこに今も残っていた。 草むらに半ば消えかけ、覆い被さる緑に押しつぶされてかけている。 2つの隧道は、小さな小さなスノーシェードで連結されていた。 真っ暗な空間の中、まとわりついてくるような冷気がいやに気になった。 ここまでの国道341号線旧道探索で、様々な道の姿を見てきた。 そして最後に、暗い隧道で探索は終了した。 しかしまだ、まだ未知の領域が残る。 …あのエメラルドグリーンの底に眠る区間だ。 いつか、走れる日は来るのだろうか。 完
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