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  [No.9276] 旧柴崎橋 投稿者:ak   投稿日:2015/08/25(Tue) 17:02:53

ヨッキ殿
何時も楽しく拝見させていただいております。ありがとう。

さて、旧柴崎橋左岸の「傾斜」ですが、いろいろな理由により、私は元々傾斜していなかった説を採ります。

1、橋脚上で、勾配を変化させることは、まずあり得ません。
 第一の理由は道路の根本的構造です。道路の縦断勾配の変化点が直線だと、車両はジャンプしてしまいますし、歩行者はつまずく恐れがあります。そこで縦断緩和曲線(バーチカル)を導入し、直線同士での勾配変化を緩和します。ところが橋脚上では緩和しようがありません。勾配が変化している橋もありますが、橋脚上でピンポイントに変化してる橋はまずありません。このほぼ平らな橋の場合、勾配の変化をつけるとすれば、橋の前後の土工区間です。
また、構造的にも、橋脚上で勾配を変化させると、桁同士の間隔が不均一になってしまい、色々な不都合が生じるため、わざわざ橋脚上で変化させる意味がありませんし、ヨッキさん自身もそんな橋を見たことが無いのではないでしょうか?

2、沈下橋以外、河川断面内で橋梁が高水敷に降りることもまずありえません。
 トラス橋床版部分の高さが、当時の計画高水位以上の高さ、つまり堤防の高さ以上だと思われます。せっかく中央部分で余裕をもって河川を横断しているのに、それを過ぎたとたん、高水敷まで降りる理由がありません。ちょっと川が増水すれば即役立たずです。つまり、左岸側は木橋で同じ様な高さのまま、築堤を越えていた、と考えるのが自然ではないかと思いますが、いかがでしょう。

と、一土木屋が考察してみました。
最も、ヨッキさんの考える橋だったとしたら、それはそれで歴史に残る面白い橋だと思います。
昔の写真を是非見てみたいですね。


  [No.9277] Re: 旧柴崎橋 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2015/08/25(Tue) 19:56:01

akさま、貴殿のようなご意見をお待ちしておりました。
専門家目線でのお話し、非常にためになります。ありがとうございます。

私も素人ながら膨大な数の橋を目にしてきましたので、橋梁上で勾配がガクガクと変化する橋が極めて珍しいというのは実感しております。ですから、余程の理由が無ければなり得ないとも思います。



> このほぼ平らな橋の場合、勾配の変化をつけるとすれば、橋の前後の土工区間です。

私もそれで事足りるのでは無いかとは思いますが、しかしコンクリート橋部分の橋脚が橋桁の中央に置かれていない理由については、どのような説明が考えられるでしょう。苦しいですが、これは傾斜橋であったからではないかと考えています。


> 2、沈下橋以外、河川断面内で橋梁が高水敷に降りることもまずありえません。
>  トラス橋床版部分の高さが、当時の計画高水位以上の高さ、つまり堤防の高さ以上だと思われます。せっかく中央部分で余裕をもって河川を横断しているのに、それを過ぎたとたん、高水敷まで降りる理由がありません。ちょっと川が増水すれば即役立たずです。つまり、左岸側は木橋で同じ様な高さのまま、築堤を越えていた、と考えるのが自然ではないかと思いますが、いかがでしょう。

これについては、架橋当時は阿賀川の水面は現在より10m以上は低く、現在は氾濫原となっている辺りも河岸段丘上の土地で、浸水することは想定されていなかったのではないでしょうか。高水敷ではなかったと思います。
では、なぜその部分にまで橋を架けたのかという疑問が生じますが…。
過去の経験から言うと、土手を作ると畑地を多くつぶしてしまうので、敢えて木橋として、土地を有効に活用したという例があります。

>最も、ヨッキさんの考える橋だったとしたら、それはそれで歴史に残る面白い橋だと思います。
>昔の写真を是非見てみたいですね。

仰るとおりですよね。引き続き捜索を続けます。
そして、最終的に傾斜していないという結論が出る気もしますが。
いずれにしても、貴重なご意見、ありがとうございました!


  [No.9279] Re: 旧柴崎橋 投稿者:ak   投稿日:2015/08/25(Tue) 22:44:26

ヨッキ殿

> 私もそれで事足りるのでは無いかとは思いますが、しかしコンクリート橋部分の橋脚が橋桁の中央に置かれていない理由については、どのような説明が考えられるでしょう。苦しいですが、これは傾斜橋であったからではないかと考えています。

はい、ヨッキさんの観察で、普通であれば橋台の場所に、木橋の基礎が存在しています。つまりヨッキさん仰るとおり、橋の途中でコンクリート製のピアから、木製に変化する、極めて珍しい橋だった可能性が高いですよね。どこで接続しましょうか。頑丈なコンクリート製の橋脚上でコンクリート桁から木製桁に切り替えてもいいですが、それだと木製橋脚側の支間長が取れないとしたらどうでしょう。木製ピア側にさらにコンクリート桁を伸ばそう、としても不思議は無かったと思います。コンクリートアーチ状の桁をさらにヤジロベイ状に木製橋脚側に伸ばし、そこに木製桁を載せたのでは無いか、と。そうすることで、木製橋脚側のスパンを確保したのではないかと。
ただし、このことがコンクリート橋脚への過重を増加させる事となり、結果として沈下に結び付いたのではないかと言うのが想像です。

> これについては、架橋当時は阿賀川の水面は現在より10m以上は低く、現在は氾濫原となっている辺りも河岸段丘上の土地で、浸水することは想定されていなかったのではないでしょうか。高水敷ではなかったと思います。
トラス橋の高さの要求根拠はなんでしょう?古い橋ですが、現在と設計思想は変わらないと思います。

> では、なぜその部分にまで橋を架けたのかという疑問が生じますが…。
> 過去の経験から言うと、土手を作ると畑地を多くつぶしてしまうので、敢えて木橋として、土地を有効に活用したという例があります。
はい、これはありますね。

> 仰るとおりですよね。引き続き捜索を続けます。
よろしくお願いします。私も楽しみにしています。

> そして、最終的に傾斜していないという結論が出る気もしますが。
いえいえ、我々は学者では無いのですから、いろいろ考えて楽しもうではありませんか!オブローダー、ですよね。

> いずれにしても、貴重なご意見、ありがとうございました!
なんか長文になってしまいました。
北海道から応援してます。
怪我だけには気をつけて下さいね。


  [No.9360] Re: 旧柴崎橋 投稿者:イシロー   《URL》   投稿日:2015/10/03(Sat) 10:10:22

> トラス橋の高さの要求根拠はなんでしょう?
各ダム(マニア系)サイトでは,上野尻ダムの「堤高は30m」と紹介されていますね。根拠のひとつにはなるでしょうか??


  [No.9281] Re: 旧柴崎橋 投稿者:やま   投稿日:2015/08/26(Wed) 10:50:47

私は、こういった混合の橋は先行して使い始めた未成橋だと思いました。

長野にある赤坂橋(旧橋撤去済)などは堤防間が長大なため
河川部のみ鉄製トラスを架けて畑等に使われている河川敷に簡易な鉄骨で
スロープを作り下ろされるといった造りでした。
たぶん予算の関係で年度ごとに造っていき川を渡れさえすれば
「これでとりあえずいいんじゃない?」と他のことに予算が廻されそのままとなった
かんじだと思います。
ほかにも継ぎ足し感丸出しの冠着橋(これも架け替え済み)なんかも予算がらみです。

それと、斜めのコンクリート桁なんですが、わたしも完成時は水平だったと思います。斜め状態の床版の現場打設は難しいと思うのですがどうでしょうか?


  [No.9287] Re: 旧柴崎橋 投稿者:498   投稿日:2015/08/30(Sun) 18:29:24

一応、ネタの提供者です。

コンクリート桁部が、元から傾斜していたかどうかの判断の一つに
欄干の形状も一つの手がかりになるかと思います。

添付画像の1のように、欄干の支柱が「路面と垂直」であれば、何とも判断できませんが、
画像2のように、欄干の支柱が鉛直 (路面とは垂直になっていない) になっていれば、
元から傾斜している桁であると判断できる思いますが、どうでしょうか。

http://yamaiga.com/bridge/sibazaki/sibazaki3_45.jpg
の写真だと鉛直の様にも見えますが、写真によってはそうも見えないものもありますので、
webでは使わなかった未発表写真などを再確認していただけるとハッキリするかもしれません。


また昔の航空写真は橋脚も写っていますので、真上から撮られたものではなく、
少し北側から角度をもって撮られたものと推定されます。

写真上で、橋がコンクリート桁部分で左右に屈曲しているように見えるということは、
その部分が実際には傾斜している、ということで辻褄は合う気がします。


> トラス橋の高さの要求根拠はなんでしょう

右岸は河原部分が無く、直に崖に取り付かざるを得ないからでは?


  [No.9291] Re: 旧柴崎橋 投稿者:498   投稿日:2015/08/31(Mon) 16:57:17

画像を添付すると
500エラーになりますね


  [No.9292] Re: 旧柴崎橋 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2015/08/31(Mon) 18:00:43

> 画像を添付すると
> 500エラーになりますね

ご報告感謝です。
理由は不明ですが、昔からこの掲示板のCGIは、時々この症状が出ます。
ご報告頂ければその都度対処療法出来るので、今回も現在は正常に動いています。


  [No.9299] Re: 旧柴崎橋 投稿者:ak   投稿日:2015/09/01(Tue) 09:16:50
Re: 旧柴崎橋 (画像サイズ: 693×229 46kB)

あっ、そういう事だったのですね。
私の説明、分かりづらいかと思い、ヨッキさんの画像を元にこんな感じだったのでは、という画像送ろうとしたらアクセス出来ず、
ひょっとしたらアク禁かなと思ってました(笑
これが私の想像図です。


  [No.9320] Re: 旧柴崎橋 投稿者:とある橋梁診断士   投稿日:2015/09/05(Sat) 00:37:44

> あっ、そういう事だったのですね。
> 私の説明、分かりづらいかと思い、ヨッキさんの画像を元にこんな感じだったのでは、という画像送ろうとしたらアクセス出来ず、
> ひょっとしたらアク禁かなと思ってました(笑
> これが私の想像図です。

私はこの想像図のように水平であったと考えますが、一つ指摘したい点は、
太いラーメン橋脚は、側径間と共にもう少し左にあったはずだということです。
以前のレポート内に、右の細い橋脚上でトラス桁の遊間がほぼない写真がありましたし、
今回のレポでは、ラーメン橋脚上でズッコケているトラスの支承が見えますので、
どうもこのラーメン橋脚は、基礎部の不具合で河川中央方向に移動してしまったと思われます。
トラスの載る位置が不自然です。
 そしてこの傾斜した側径間ですが、この桁は、橋脚が移動したら落ちてしまう筈ですが、
そうなっていないのは、ラーメン橋脚とつながっているのです。
おそらく鉄筋で繋いであるのではと考えます。
 側径間端部は片持ちですから、小さな橋脚を介して上方向への力が加わります。
そこで、持ち上がらないように、橋脚と繋いでいるのです。
そしてわざわざラーメン形式の脚とした理由も、死荷重を増して対抗しているとすれば説明がつきます。
 さらに側径間端部の路面部には、木製床板を載せる段差が水平に切ってある点も、
元は傾いてなかった証拠ではないでしょうか。
 両端の斜めに切ってある部分は、木橋の端部を押し当てる場所だったのでしょう。
荷重が掛かったときに押し当てる力が増すように、木橋の脚を僅かに傾けておいたかどうかまではわかりませんが。
 以上、とある橋梁診断士の妄想でした。


  [No.9325] Re: 旧柴崎橋 投稿者:quattrobageena   投稿日:2015/09/06(Sun) 13:22:40

> 以前のレポート内に、右の細い橋脚上でトラス桁の遊間がほぼない写真がありましたし、
> 今回のレポでは、ラーメン橋脚上でズッコケているトラスの支承が見えますので、

すみません、上記の写真について、
どの写真か教えて頂いてもいいでしょうか。


  [No.9329] Re: 旧柴崎橋 投稿者:とある橋梁診断士   投稿日:2015/09/07(Mon) 22:34:17
Re: 旧柴崎橋 (画像サイズ: 320×240 17kB)

> > 以前のレポート内に、右の細い橋脚上でトラス桁の遊間がほぼない写真がありましたし、
> > 今回のレポでは、ラーメン橋脚上でズッコケているトラスの支承が見えますので、
>
> すみません、上記の写真について、
> どの写真か教えて頂いてもいいでしょうか。

以前のレポ→sibazaki_22.jpg トラスが押されて衝突している

今回のレポ→動画41秒前後 トラスの支承が浮いて曲がったアンカーが見える

反対側の支承は、コンクリートを掴んだまま浮いているように見えます。
ラーメン橋脚は、少し回転しているかもしれません。
私にはそう見えます。

柴崎橋で検索をかけると、何件かヒットします。その中で、こちらのブログは写真が大きく、支承の様子がわかりやすいです。

http://blog.livedoor.jp/mistral_mt/archives/31197329.html

許可はとってませんが・・・。

あと気になるのが、ラーメン橋脚の川側と岸側でコンクリートの質がかなり違うように見えます。打ち継ぎ目らしき線がありますね。
 当初橋台として造ったものを改築したなんてことはないと思いますが・・・。
 
 それからWikiにPC桁と書かれてますが、力学的にあり得ないですし、そもそも昭和20年代末までなかった構造ですので、間違いではないかと思います。

 実物を見ずに写真からのみの妄想ですから、半分聞き流してください。


  [No.9342] Re: 旧柴崎橋 投稿者:quattrobageena   投稿日:2015/09/11(Fri) 17:54:58

返信ありがとうございました。
素人なもので支承というものの形状もろくにわかりませんでしたが、
実際にコメントをもとに動画を見直して、
継ぎ目のところであの横に出っ張ってる(?)やつがそうかな、などと
自分なりに納得というか、理解する事は出来たように思います。


ラーメン橋脚は写真を見る限りでは自分も垂直じゃなさそうだなとは思いました。
回転してるかどうかは判断できませんが、
なにがしかの変位があるのはどうやら間違いなさそうですね。


  [No.9293] Re: 旧柴崎橋 投稿者:498   投稿日:2015/08/31(Mon) 20:55:18
Re: 旧柴崎橋 (画像サイズ: 458×537 13kB)

遅ればせながら、画像です。
たいしたものではありませんが・・・


  [No.9296] Re: 旧柴崎橋 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2015/08/31(Mon) 22:12:25
Re: 旧柴崎橋 (画像サイズ: 813×544 353kB)
撮影データ ( Exif情報表示)
撮影カメラPENTAX K-3
焦点距離135mm
露出モードプログラムAE
測光方式分割評価測光
ISO感度200
シャッタースピード1/400秒
絞りf8

>添付画像の1のように、欄干の支柱が「路面と垂直」であれば、何とも判断できませんが、
>画像2のように、欄干の支柱が鉛直 (路面とは垂直になっていない) になっていれば、
>元から傾斜している桁であると判断できる思いますが、どうでしょうか。

この点についての回答となる画像を添付しました。
見ての通り、欄干は498さんの画像の@の状態になっています。

傾斜した橋のコンクリート欄干自体、余りにも目撃した経験値が少ないので、@の状態の欄干であることと、傾斜橋である可能性についての関係は、ちょっと判断材料に加えられないでいます。この程度の傾斜ならば、たぶん場所打ちでコンクリートを流し込んで作る事は出来るでしょうし。

PS/最初にこの橋の情報を下さったことへの感謝も忘れておりません。


  [No.9309] Re: 旧柴崎橋 投稿者:quattrobageena   投稿日:2015/09/02(Wed) 18:43:05

この管理者様の写真をのぞいて率直に思った素人意見ですが、
件の橋脚と橋桁の間、左側に隙間が生じているように見えます。
ということは、単純に橋脚が沈下して橋桁が写真右側傾斜で傾いたという事じゃないんでしょうか?
元々傾斜していたのだとしたら、
ここは当然コンクリートで埋めて構造物化するのがリーズナブルだと思うのですが。。。

但し多少のロバスト性を求めて地震、洪水時に変位吸収する思想が土木工学上有るなら
隙間は理解できます。