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  [No.3968] 古碑の解読に協力してください。 投稿者:ヨッキれん   《URL》   投稿日:2009/10/11(Sun) 21:33:25

毎度すみません、ここに集う皆様のお知恵を拝借したいと思います。
次の5枚の写真にある文章の解読を手伝ってください。お願いします。

http://yamaiga.com/test/1.JPG (地蔵)
(右側)寛延三
(左側)午■

http://yamaiga.com/test/2.JPG (常夜灯一面)
http://yamaiga.com/test/3.JPG (2.JPGの明度違い)
(右)夜子沢村 (このあとに文字があるかも)
(左)大 (この間にも文字がありそう?) 幡野■■ (←人名?)

http://yamaiga.com/test/4.JPG (常夜灯二面)
(中央)■■■■行 (平仮名4文字? これが一番気になります)

http://yamaiga.com/test/5.JPG (常夜灯二面)
(右) (風化激しく読めず)
(左) ■七■■

ヒントが少なくて難しいかと思うのですが、「3.JPG」だけでも解明したく存じます。なにとぞお力をお貸しください。


  [No.3969] 寛延三午年 投稿者:ぎをらむ   投稿日:2009/10/12(Mon) 02:14:46

> ・http://yamaiga.com/test/1.JPG (地蔵)
> (右側)寛延三
> (左側)午■

寛延三年(1750年)は午年なので、「午■」は「午年」でしょう。
字も、東京大学史料編纂所の電子くずし字字典で検索した「年」の崩し字とよく似ています。


  [No.3970] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 09:10:52

まず寛延三年は干支が庚午なので「午年」。


  [No.3971] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 09:21:59

> ・http://yamaiga.com/test/5.JPG (常夜灯二面)
> (右) (風化激しく読めず)
> (左) ■七■■

「秋七月建之」くらいに読んでおいて間違いはないかと。


  [No.3972] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 09:33:33

> (左)大 (この間にも文字がありそう?) 幡野■■ (←人名?)

なんだかよく読めませんが、
「幡野寛右衛門」さんでしょうかね。


  [No.3983] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:はー   《URL》   投稿日:2009/10/13(Tue) 22:21:17

解読情報ではないですが、夜子沢にある法向寺は幡野氏が建立したもの、と同寺の「当山の由来」ページにあります。

同ページ内に「遠師曼荼羅については川口家のものは大正時代に焼失したが、幡野家には現存している。」とあることから、幡野家は近隣に今も存する名家ではないかと思われます。

とすると、
1.法向寺に代々のお墓があったりして、そちらから名前が分かるかも
(赤の他人が知りうることでもないかも)
2.地元の町史・村史でも名前が出てくるかも
というところでしょうか。


  [No.3992] 灯籠念仏について少し調べてみたのですが 投稿者:小枝   投稿日:2009/10/22(Thu) 11:24:29

甲斐善光寺(浄土宗)の秘仏に灯籠佛というものがあり
明治初期までは熱狂的な信仰を集めていたそうです。(廃仏毀釈の煽りで禁教とされ廃れたとか)
それが具体的にどんな信仰であったのかはわかりませんが、
山梨県といえば日蓮宗の本場でありながらも、こうのような背景もあるのなら、とろ佛と彫られた燈籠があったとしても、おかしくないかもしれません。


  [No.3995] Re: 灯籠念仏について少し調べてみたのですが 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/23(Fri) 19:49:19

よくお調べになりましたね。
いや、面白いですねー。地方史って調べ始めるとキリがないです。
この灯籠が建てられた廃寺跡にはどんな謂われがあったのでしょうかね?


> 甲斐善光寺(浄土宗)の秘仏に灯籠佛というものがあり
> 明治初期までは熱狂的な信仰を集めていたそうです。(廃仏毀釈の煽りで禁教とされ廃れたとか)
> それが具体的にどんな信仰であったのかはわかりませんが、
> 山梨県といえば日蓮宗の本場でありながらも、こうのような背景もあるのなら、とろ佛と彫られた燈籠があったとしても、おかしくないかもしれません。


  [No.3973] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:ハムスター   投稿日:2009/10/12(Mon) 12:05:31

> ・http://yamaiga.com/test/3.JPG (2.JPGの明度違い)
> (右)夜子沢村 (このあとに文字があるかも)
> (左)大 (この間にも文字がありそう?) 幡野■■ (←人名?)

右の「夜子沢村」の後は「石工」だとおもうんですが、
左はわかりません。
http://www.town.minobu.lg.jp/chosei/choushi/nakatomi/nakatomichoushi16.pdf
に夜子沢村石工について、書いてありました。


  [No.3974] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:猫洞   投稿日:2009/10/12(Mon) 13:49:09

>■■■■行 (平仮名4文字? これが一番気になります)

最後の文字は佛のようにも見えますが。


  [No.3977] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 22:05:24

> >■■■■行 (平仮名4文字? これが一番気になります)
>
> 最後の文字は佛のようにも見えますが。

そうですね。上の字と合わせて「■■念仏」でしょうね。


  [No.3978] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 22:14:43

細切れですみません。忙しくてメモしてないと忘れるもので。

とろ念仏→灯籠念仏

そういう風習がこの辺にあるでしょうか?七月に建てられた石碑ですので盆行事の季節には合うと思います。


  [No.3975] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/12(Mon) 21:35:28

金石文は、字面だけを追っかけてもやはり限界があります。
現存する場所とか寺社名などがあるだけでも参考になるんですが。
あと、写真だけでは読めない場合もあるので、出来れば乾拓の技法を用いて拓本を取られることをおすすめします。


  [No.3976] 碑の所在地は、身延町矢細工です。 投稿者:ヨッキれん   《URL》   投稿日:2009/10/12(Mon) 21:40:04

皆様協力有り難うございます。

これらの碑のあった場所ですが、ここになります。

http://www.mapion.co.jp/m/35.4575208333333_138.414436388889_7/

ご参考になさってください。


  [No.3979] 解読ではなくて恐縮ですが 投稿者:明治   投稿日:2009/10/13(Tue) 10:08:00

僕は1枚目の仏像の正体が気になりました。

http://www.city.yamaguchi.lg.jp/dannai/soshiki/kyouiku/bunkazai/z ..... ukuzi.html

↑このサイトによると、この仏像はどうやら「延命地蔵」で決まりですね。

それから、4の一番下の文字が「佛」なのは賛成しますが、「念佛」となるかは私は疑問です。
なぜならこの辺一帯は身延山という日蓮宗(法華宗)の総本山のお膝元ですので、
浄土宗系の習慣である「念佛」の文字が出てくるのは不自然だと思うのです。
まして日蓮宗の教義は排他性が他宗派より強いはずですし。


  [No.3980] 御協力ありがとうございます。 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2009/10/13(Tue) 11:29:56

> ↑このサイトによると、この仏像はどうやら「延命地蔵」で決まりですね。

手元の「野仏の見方」によると、このポーズ(半跏座思惟型)の「野仏」で最も多いのは「如意輪観音」で、墓地に行けばどこでも見られるポピュラーなものだとされています。また、大半は女性や子供の供養塔だとしています。私はこのの解釈を推したいと思います。

また、「〜〜〜仏」については地域性に則った、配慮すべきご高察だと思います。しかし、これについて私は無勉強で何も申し上げることが出来ません。
いまじんさんが推測される「とろ念仏」についても、茨城県笠間市で「灯籠念仏」という行事があるようですが、甲州でこのような風習があるというのは調べ得ませんでした。


  [No.3981] 如意輪に一票 投稿者:ぼの   投稿日:2009/10/13(Tue) 19:56:43

私は、寺堂にある仏像を見る心得しか持たず、「野仏の見方」を読んだこともないのですが、
一般的な仏像のみかたに照らせば、「如意輪観音菩薩」の可能性が高いと思います。

仏像の区別は、姿勢よりもまず服装・装飾・髪型・持物(手に持っているアイテム)が大きな判断材料になります。

地蔵菩薩であれば、ふつう、頭はスキンヘッドです。
この野仏の頭の造形は、髪を結っているのか被り物をしているのかちょっと判断しづらいですが、この点から、地蔵とは考えにくいです。

服装をみると、飾りのないシンプルな衣と左肩から斜めにたすきがけされた「帛条」から、菩薩部が有力と思えます。
なにか持物があればそれで判断できるのですが(如意輪観音なら円盤状の輪っか…「輪宝」 スライム型の物体…「如意宝珠」など)
なにも持っていないので、如意輪観音菩薩に特徴的な頬に手をあてる半跏思惟の所作から、如意輪観音と推定しました。

もしかしてこんなことは、私などが書かなくても「野仏の見方」を読めばわかるのかもしれません。よっきさん、お節介でしたらすみません。

明治さんが提示してくださったLink先の文章は、
「右膝を立てて左足を踏み下げる姿勢をとる姿勢 “の地蔵菩薩” は、延命地蔵菩薩」
ということなのではないかと思います。


  [No.3982] Re: 御協力ありがとうございます。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/13(Tue) 20:06:57

> 手元の「野仏の見方」によると、このポーズ(半跏座思惟型)の「野仏」で最も多いのは「如意輪観音」で、墓地に行けばどこでも見られるポピュラーなものだとされています。

如意輪観音半跏思惟像で良いと思います。歯を押さえているように見えるから虫歯を直してくれる仏さんといったような俗信があったりします。

身延の膝元で念仏があるかというのは、寛延の当時にどのような状況であったかという史料がないので何とも言えません。
逆に言うとそれほど法華の信仰が徹底していたら「南無妙法蓮華経」のひげ曼荼羅を彫り込んだのがあちこちにあっても良さそうですが。
灯籠というのは寄進物ですからいずれにしてもこの場所は何かの廃寺跡でしょうが、存在したとしても念仏信仰は廃れてしまった後なんでしょうね。

というようなことを総合的に判断して例の灯籠基台に彫り込まれた文字を何と読むかです。先述の通りこのようなものは基本的に誰かの寄進にかかるものですが、奉納した人物がいること、その時期ともある程度わかります。で、あと欠けているものは寄進の由縁ということになります。普通は「奉納」とか「献灯」とかが入るのだと思います。
道標ではないので「■■行」という文字は残念ながら可能性から排除した方が宜しかろうと思うのです。


  [No.3987] 御協力いただいた皆様に、ORJを進呈します。 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2009/10/15(Thu) 16:39:50
御協力いただいた皆様に、ORJを進呈します。 (画像サイズ: 200×40 3kB)

皆様、解読へのお手伝いありがとうございました。

今回戴いた成果の一部を、本日公開(午後9時頃の予定)の「日本の廃道 第42号」に収録された「特濃廃道歩き」に採用させていただきました。

つきましては、お手伝いいただきました皆様へ当該号を無償で進呈させていただきたく存じます。

・いまじん さん
・ぎをらむ さん
・はー さん
・ハムスター さん
・猫洞 さん
・明治 さん
・ぼの さん

上記の皆様が対象となります。

恐れ入りますが、対象の皆様で進呈を希望される方は、ヨッキれんあてに【以下の内容をメール】してくださるようお願いします。(明治さんは連絡先が分かるので結構です)

・「メールアドレス」
・「ご投稿いただいた際のハンドルネーム」
・「ご投稿いただいた記事ナンバー(複数ある場合はひとつでOKです)(例:No.3968)」

ご連絡いただいたメールアドレス宛に順次、進呈データ一式を「データ便」サービスを利用して送付させていただく予定です。(今号をすでにお求め戴いている場合は、次号で便宜を図らせていただきます)


  [No.3989] 見えました!? 投稿者:はー   投稿日:2009/10/20(Tue) 20:17:21

> 今回戴いた成果の一部を、本日公開(午後9時頃の予定)の「日本の廃道 第42号」に収録された「特濃廃道歩き」に採用させていただきました。

確かに頂戴いたしました。ありがとうございます。
で、今まであの石灯籠を大きなサイズで見ていた時は気づきませんでしたが、
ORJのあのサイズで見て、ふと気づきました。
「とろ念佛」ではないかと思われたあの面、「佛」の上は「光」じゃないかと。
http://clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/EXT/3401/800/R8082/36/1/1413/0004.bmp

「光」「佛」のサイズからすると、全部で三文字に見えます。
これをヒントにぐぐってみたところ、「華光佛」という単語に行き当たりました。

「華光仏 口語訳法華経」でぐぐると法華経にも載っているようで、どうやら
これが正解ではないかと思われます。もっとも、真に込められた意味には
まだたどり着いていませんが。


  [No.3994] Re: 見えました!? 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/22(Thu) 21:50:42

「華光佛」ですか〜。いい線行ってますね。
縦の字画がはっきりすればビンゴじゃないですか。


  [No.4001] Re: 見えました!? 投稿者:左京   投稿日:2009/10/25(Sun) 22:27:12

言われてみると私も「光」に見えてきました。
そこで検索して関連語句を探し、候補を出してみました。
1)華光佛
2)定光佛(錠光佛)
3)香光佛
定光仏は別名「燃燈仏」とも言われ、灯火を輝かすという意味があるそうなので、
なんか気分的に灯籠に合いそうで(笑)私は2番を推したいのですが、
一文字目がそう読めなくて、結局わからないのです。


  [No.3991] ORJ確かにいただきました。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/21(Wed) 19:55:49

たいしたことも出来ないんですが、結構なものをいただきました。
どうも有り難うございました。


  [No.4007] 同じく確かにいただきました。 投稿者:明治   投稿日:2009/10/27(Tue) 02:34:56

しばらくネットから離れてました。
お礼が遅くなりすみません。
というか全くと言っていいほどお力になっていないのに送って頂き、ありがとうございます>ヨッキさん

内容を拝見しましたが、さすがという感じでした。
個人的にORJを目にしたのは初めてでしたが、ウェブよりもスペースやデザインの自由度が高いせいか、
「“山行が”をもっとのびのび書いた」ようなものだと感じました。
バックナンバーを漁りたくなりますね。

ところで、もしよろしければ関西でnagajisさんに当たって頂きたい物件があるのを思い出しました。
掲示板の皆さんからも情報を得たいので、内容は新スレを立てさせて頂きます。


  [No.4008] ありがとうございます。 投稿者:ヨッキれん   投稿日:2009/10/27(Tue) 02:38:51

ご感想ありがとうございます。
しかもお褒めにあずかり恐縮です。

永冨氏への情報提供でしたら、氏がここを読んでいるか分かりませんので、ORJ掲示板をご利用いただく方が確実と思います。
もちろん、あそこは私も見ておりますので、私への情報提供にも使えます。

ご検討下さい。


  [No.4009] ORJ拝読しました。 投稿者:ぼの   投稿日:2009/10/27(Tue) 17:08:06

お礼が遅くなってすみません。
ORJ、拝読しました。素敵なレポートをありがとうございます。ヨッキさんの“行動”のほうだけじゃなく“表現”のほうの本気を垣間見ました。
「山いが」では爪を隠してらしたんですね。恐れ入りました。

下から2文字目が「光」という解釈は、一理あるように思います。「念」と読むのはどうも引っかかります。
思いついた語句を一文字ずつデータベースで検索しては、「うーん似ているような違うような・・・・」なんて遊んでいると、
「智光佛」「即心是佛」なんかも、もっともらしく見えてきました。崩し字の世界は奥が深くてむずかしいです。


  [No.3996] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:コンゴ   投稿日:2009/10/23(Fri) 20:53:30

初めまして。僧やってます
皆様の推察、大変すばらしくおもいます。我々本職よりよく学ばれてると感じました。
石仏は如意輪観音でよいとおもいます。観音様は印を組むので…。地蔵様は基本法具をもちます。
灯籠は、身延山も近いこともあり、灯籠念仏で間違いないとおもいます。旧道もしくは、行のコースかなにかかと。

> (右側)寛延三
> (左側)午年
>

> (右)夜子沢村 石工
> (左)大■■(二文字かと) 幡野■■ (←人名だと思います)
>

> (中央)灯篭念佛(手元にある古文書解読指南の「灯篭念佛」の崩し字とほぼ一致)
>
> (右) (風化激しく読めず)
> (左) ■七■■
推察ですが、寄進した年号と思われます。情報として唯一欠けてるので


  [No.4010] Re: 古碑の解読に協力してください。 投稿者:いまじん   投稿日:2009/10/28(Wed) 18:20:21

こんにちは。僧職の方でしたか。
僕なんかと違って、さすがに本職の意見は尊重すべき権威がありますね。

> 初めまして。僧やってます
> 皆様の推察、大変すばらしくおもいます。我々本職よりよく学ばれてると感じました。
> 石仏は如意輪観音でよいとおもいます。観音様は印を組むので…。地蔵様は基本法具をもちます。
> 灯籠は、身延山も近いこともあり、灯籠念仏で間違いないとおもいます。旧道もしくは、行のコースかなにかかと。
>
> > (右側)寛延三
> > (左側)午年
> >
>
> > (右)夜子沢村 石工
> > (左)大■■(二文字かと) 幡野■■ (←人名だと思います)
> >
>
> > (中央)灯篭念佛(手元にある古文書解読指南の「灯篭念佛」の崩し字とほぼ一致)
> >
> > (右) (風化激しく読めず)
> > (左) ■七■■
> 推察ですが、寄進した年号と思われます。情報として唯一欠けてるので