読んでいてこちらも辛い気持ちになるレポートでしたが、まずは正直に、包み隠さず執筆・公開してくださったヨッキさんに対し、私は心より敬意を表したいと思います。またこの一件は、ヨッキさん以外のオブローダー・オブレーラーに対しても重要な課題を投げかけてくれました。野生動物との遭遇です。今までコウモリ、ハクビシンくらいしかレポートには登場してこなかったし、それ以外でもクマやイノシシなどから「危害を加えられる」ことくらいしか想定しませんでしたが、逆にこちらが危害を加えてしまうこともあり得るんですよね。今回は該当しないようですが、例えばその動物が天然記念物に指定されていると、法的責任も問われかねません。手元にあるベストセラー「冒険図鑑(福音館書店)」によりますと、山で野生動物に遭った時の基本原則は 1>動かない 2>声を出さないだそうです。肝に銘じて、バンビへの供養としたいと思います。最後に恐縮ながら疑問なのですが、バンビが落ちてしまったのは川の水面ではなく、河原状になっている陸地だったのでしょうか…?(不謹慎ですみません)
私事で申し訳ありませんが、先日、子猫が轢かれる瞬間のことを思い出してしまい、ゾッとしています。>私は、彼が私の接近に驚いて“すくみ”、静止してくれることを期待したが、彼の反応は異なっていた。子猫が道路に飛び出そうとしていたので、自転車でその進路に立ち塞がれば、飛び出すこともあるまいと考え「いいことをした」と思い上がっていたら、逆に道路に疾走してしまい>刹那、バンという爆ぜるような嫌に大きな音が渓間に響いた。未だにその爆ぜるような音が耳から離れません。本文と無関係な乱文で申し訳ありません。>今回は該当しないようですが、例えばその動物が天然記念物に指定されていると、法的責任も問われかねません。海沿いの断崖にある展望台に出かけて、カモシカに出くわして三方は断崖、目の前5メートル先にカモシカ、ということになったことがあります。「突き落とされないように」とソロソロ動いて逃げましたが、そのときにカモシカが驚いて崖から落ちてたら法に問われた可能性もあるのですね。これまた、今になってゾッとしました。
カモシカが勝手に驚いて崖から落ちる分には何の問題にもならないと思いますが、故意や過失で驚かせてしまうと、ちょっと危ないですね。とりあえず、熊鈴は用意することにしました。
野生動物との遭遇は、私にもいくつか経験があります。・熊山の中の大規模林道をドライブ中、道路右側のコンクリートブロックの壁をよじ登ろうとしている黒い大きな生き物を発見。停車。ドーベルマンか何かかと思って見ていたら、あちらもこちらに気付いたらしく、壁をよじ登るのを止めて、林道を右から左へ悠々と横断。そこでツキノワグマだと判明。四つ足で歩いて、道路左側の草むらの中へ消えていきました。ツヤツヤとした真っ黒な体毛で覆われた成獣でした。まさに漆黒の塊。車中から見ていたから良かったものの、散策中などで生身の体を晒していたらと思うとゾッとします。・狸これは比較的よく見かけますが、夜、山中の国道をクルマで走っていたら、道路を左から右斜め前方に横断している狸を発見。もちろん停車。大きなお尻をフリフリさせながら横断するのを見守った後、再発進。ま、こいつは見ている分には可愛い奴です。・猿これも比較的よく見かけますが、廃線になるローカル線の記録撮影中に何度か出会いました。線路沿いの休耕田でたむろしていたり、線路に並行する道路のそばで木の実か何かを探していたり…。こいつらは人間の気配に気付くと脱兎の如く逃げていくので、あまり危険は感じません。・鹿これも廃線になるローカル線の撮影中に出会いましたが、山の中の鉄橋そばの道路で三脚を構えていたら、川の対岸から何か得体の知れない物体が物凄い勢いでこちら側へ向かって来るのを発見。最初、熊かと思い、セッティングした三脚とカメラを抱え上げ、車を置いている場所へダッシュの体勢を取りましたが、よく見るとピョンピョン高く飛び跳ねながら川を横断していて、野生の鹿だと判明。鹿といえども成獣は危険なので、しばらく身構えていましたが、運良く斜め左の方向へ逸れてくれて一安心。> 1>動かない> 2>声を出さない実際に野生動物に出会うと、驚きのあまり声が出ません。「動かない」というのは、相手が熊などの場合、ちょっと難しいのでは…。向こうが突進して来たら、やはり逃げの姿勢になります。いわゆる“死んだふり”というのは通用しないという話もありますし…。日頃、牛、豚、鶏、魚などを食しているのであまり奇麗事は言いたくありませんが、今回の小鹿ちゃんはちょっと気の毒だったかなとも思います。ただ、自然界は弱肉強食が掟なので、仕方が無いとは思いますが…。野生動物に襲われる人間も毎年後を絶ちませんし…。ヨッキさんの身代わりとして落ちたのかも?と考えたりもしたり…。神からヨッキさんへの「気を引き締めろ!」という警告だったのかもと考えもしたり…。鹿は神の使いと言いますし…。ま、あれこれ考え出すとキリがありませんけどね。合掌
> 野生動物との遭遇は、私にもいくつか経験があります。僕もあります。夜の山道を車で走行中、道を渡る親子猪が居ました。まあ可愛かったんでいいんですけどね・・・。
確か鹿の生息域が広がっている影響で蛭(ヒル)の生息域も広がっていると聞いた事があります。南アルプス周辺での鹿の生息数拡大に連れてヒルの生息域(=被害)も広がっているとか。結構山の上の方でもそんな風だと聞きました。小鹿はかわいそうなことをしたと思います。そして瞬間を見てしまった後味の悪さも痛いほどわかります。でも、鹿と蛭の関係を知る私としては、この一件は複雑な感情を抱かずにはいられません。
複雑な思いで読みましたが、「客観報道」にエールを送ります。野生動物と人間の距離が縮まったようで、廃道にかぎらず、大型の野生動物とのニアミスはかなり身近になりましたね。早朝のR17三国峠では、鹿の横断に遭遇します。霧で減速してなければ轢いてた、という接近遭遇もありました。母鹿はサッと山側に逃げるのですが、子鹿は判断が悪く、崖ぎわのガードレールの前で10秒ほどただオロオロ。停めたクルマの運転席で身じろぎもせず、じっと待ちました。レポートを読んで、目のあった鹿のパニックを思い出しました。今回の一件、野生の領域に人が入ったとはいえ、安全に逃げてもらう道はなかった気がします。