青崩峠道路のルート案図に出てくる「遠山赤石構造線」ってなんぞや?
と思って調べてみました。大鹿村中央構造線博物館HPで説明されていたのを発見。
(リンクを参照)
ユーラシアプレートに伊豆・小笠原が衝突して中央構造線がねじ曲げられた
際に生じたもので、赤石構造線と中央構造線の東側は北へ60kmずれたと……
日本がユーラシア大陸と繋がっていた頃から存在した古い断層である
中央構造線より、より新しく、現在絶賛進行中で破壊が進んでいる
より危険な断層のようです。草木トンネルは、中央構造線から遠ざかろうと
するあまり、より危険な赤石構造線に近づいてしまった愚かな選択だったのですね。
…………というのは、現代の見解。問題は、赤石構造線がいつ発見されたかです。
私が昔みた地質図では、中央構造線は糸魚川・静岡構造線から
諏訪湖付近で分岐するように描かれていましたが、今は関東地方まで
伸びている事が発見されているんですねぇ。プレートテクトニクス自体が誕生して
50年ちょっとの新しい学問ですし、対象が日本アルプスを始めとする
山深い地域ばかりですから観測点をやたらと増やすわけにもいかない。
地震予知にリンクした重要分野ですから予算は潤沢でしょうが、
それだけに日々新たな研究成果が出てきて、
「昨日の常識は今日の非常識」
になっていることでしょう。
1. 最初は中央構造線だけが問題視されており、
とにかく中央構造線から遠ざかればいいと安易に考えられていた。
この場合、中央構造線直下の青崩峠より、北隣の兵越峠を
通った方がいい。
2. その後の研究により赤石構造線が発見され、赤石構造線を2度またぐ
事になるA案は危険である事が分かった。
3. 中央構造線は必ずしも活断層ではなく、青崩峠付近の中央構造線は
比較的安定している事が分かった。
こんなところかと。ひょっとしたら、赤石構造線の発見や危険性の確認自体に、
青崩峠道路関連での地質調査が役立っているかもしれません。