二口峠界隈の峠については少し調べたことがあるので、わかる範囲でお答えします。二口林道は車道ですが、それ以外は登山道となっています。
現在「二口峠」と呼ばれている道は、昭和40年代に作られた二口林道です。車道として作られていますが、完成以来自然災害による崩壊と修復工事のいたちごっこが続いており、閉鎖されているという状態です。徒歩や自転車ならば通行可能なので、車道というよりも登山道として利用されています。こちらは宮城側にある二口番所跡が見所です。
徒歩道は二口林道が整備される以前の旧い峠道です。二口峠は厳密には山伏峠と清水峠という二つの峠道の総称なのですが、その山伏峠を越える道が現在も残っておりまして、これが徒歩道として整備されているわけです。徒歩道は遊仙峡入り口で分岐し、林道北の山中を通り、二口峠鞍部で林道と合流します。旧い道だけあって、途中では石碑や石仏などが見られるとのこと。ちなみに現在は山伏峠の鞍部が二口峠の鞍部とされていまして、国土地理院の地形図でも、山伏峠に二口峠の表記があります。
清水峠の道は一部失われているようです。ただし鞍部は奥羽山脈縦走路の一部になってますので、そこは現在でも訪ねることができます。かつての二口街道は、山形城下を出たところで清水峠と山伏峠の道に分かれ、それぞれに奥羽山脈を越えた後、二口番所跡で再び合流していました。これが二口の名の由来となっています。
石橋峠(しゃっきょうとうげ)と二口峠は全く別の峠です。石橋峠は二口峠の北、糸岳と小東岳を結ぶ稜線上にありまして、二口山塊の登山道の一つになっているようです。
二口山塊は地元でも人気の登山コースです。ですからこの界隈の峠は多くが登山道となっていますので、それなりに人の往来がある模様です。
ついでに「みやぎの峠」という本に、板嵐峠についての記述がありました。秋保と愛子の間にある峠ですね。通り抜けはできないそうですが、峠の頂と両麓には石碑が残っているとのことでした。