ミニレポだからって、ゴルフ場を紹介してどうするのかと聞かれると辛いが、まあ「変なもの発見!」にすると写真点数が多すぎるのでこちらに来たのである。ご了承願いたい。
「ゴルフ道」という言葉もあるくらいだから、道路趣味とゴルフの繋がりだって、全くないとは言えないはずだ。
2011/4/22 14:22 【所在地(マピオン)】
で、ここはどこかというと、長野県の伊那地方にある松川町のはずれにある部奈(べな)という高台の集落だ。
ここを通る町道を自転車で通過中、路傍でこんなものを見付けた。
「No.1 PAR4. 37M」と書かれた小さな木札が、杉林の根元に立てられていた。
私はゴルフはTVゲームでしかやったことがないが、これがゴルフ場らしいという事はすぐに分かった。
道ばたでマレットゴルフ場を見つけたから何なんだと言われそうだが、
ここがありきたりなコースでないことは、この第1ホールを見た時点で理解した。
実はこの杉林は、地形図にも描かれている諏訪神社という神社に含まれるのだが、1番ホールのコースはその敷地を掠めて進み、舗装路のスロープを上った先に球を収めるべきカップがあったのである。
神社とゴルフ場という組合せの妙もさることながら、コース上に舗装路、しかも傾斜したスロープがあるというのは、前代未聞だった。
この坂の途中で打球が止まることはありえず、うっかりすると「逆走」した打球が側溝にOBするという、なかなかエキサイティングなコースではないか!
さらにスロープを超えてグラウンドのような広い空き地に辿りついた先も、次の2番ホールの立札の近くにあるカップまでの間には、本意か不本意かは知らないが、巨大な砂山が築かれているという意地悪コース設計だった。
果してこのコースをPAR4で攻略出来る人が居るのだろうか。
そもそも、それが物理的に可能なのかも分からないレベルだ。
その後もちゃんと3番、4番、5番…と、
ほとんど起伏のない空き地の方々にホールが設定されていた。
ホールごとの個性といえるようなものは、ここにはほとんど無く、
第1ホールだけのインパクト勝負だったのかと、少し落胆する。
例えばこれは、8番ホール。
どうやら規定打数(PAR)は4か5しかないらしく、
このように何のひねりもない直線のコースでも、最低PAR4である。
ここでタンポポやサクラに囲まれてパターを振るえば、
きっとゲートボールの感覚を味わえることだろう。
広場を縦横にするホールは、実に2番ホールから始まり、10番ホールまで続いた。
だが、次の11番ホールのスタート地点にある、
打球方向の目安となる立て札の行く先を見ると…。
おいおい…。
おいおい。
そっちはさすがに、マズイだろ?
そう思いながらも、私には既に11番ホールのカップを探す立派な動機(好奇心)が生じており、屋根上に交差する千木が目立つ神明造の豪壮な社殿へ、そしてその目前の鳥居の方へと、恐る恐る近付いていく。
すると、幾ら探しても私にはこの11番ホールのカップを見つけ出すことが出来なかった。
その後念のため、鳥居をくぐって境内へも入ってみる。
だが、それでも結局、11番ホールのカップは発見できなかった。
そのかわりといっては、なんだが……。
(注)ここはすでに境内です!
12番ホールのカップを発見したった!(笑)
12番ホールのスタート地点も不明だが、ともかくも一線を越えてしまった。
遂に神域たる境内でパターを振るう事を承認された当ゴルフコースは、
次なる13番ホール(魔の13番!)より、さらに大胆な侵犯を開始するのである!!
見よ!
これが、部奈マレットゴルフ場の第13番ホール(PAR5 20M)である!
「金比羅大権現」の石仏の前のティーグラウンドをスタートした先は、清浄がウリである砂敷きの境内を斜めに走り、本殿とその横にある土蔵の隙間へと滑り込む。
どんなスーパーゴルファーであっても、このホールではティーグラウンドからカップの在処を見る事は出来ない。
言うまでもなく、難コースである!
本殿と土蔵の隙間をクランク状に走り抜け、さらには土蔵と木製の末社(何を祀っているかは未確認)の隙間へ!
このホールが数少ないPAR5となっているのも頷ける、超小刻みな打球が強いられる。
しかしそれだけに、神罰を恐れず壁の反射を最大限に利用できれば、アルバトロス実現の可能性もあるかもしれない。
な〜に。
この場所でのゴルフを許している寛大な神さまだ。
社殿に打球が衝撃するくらいは、きっと大目にみてくださるさ。
カップ発見!
土蔵と末社の隙間の最も奥まった処にある杉の木立の前に、砂を盛り上げた盾状火山のようなカップがあった。
最後の最後まで執拗にカップインを阻止してくる、恐ろしいホールだ!
いやはや、本当に色々な意味で恐ろしい…。
なんか、ぞくぞくしてきたぞオラ。
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最大の難関ホールをくぐり抜けた名プレーヤーに、
間髪を入れず、次なる関門が襲いかかるッ!
神前での打球で肝の太さを試された次は、
この第14番ホールで、金銭に対する克己を試されることになる。
これが狂気の“賽銭函潜り”だ!!
15番、16番と、社殿裏山(いわゆる社叢というやつで神域である)に構成されたバンピーで障害物が極めて多いコースを攻略した猛者には、いよいよ最終ホールを目前とした最後の試練…
神へと挑む! 第17番ホール(PAR4 23M)が口を開けている!
このホールは、杉の落葉がぶ厚く堆積した低地がティーグラウンドとして設定されている。
そのため第1打がまず難しい(と想像される)のだが、このことに輪をかけて本ホールを難関たらしめているのは…
1番ホールにも劣らぬ猛烈な急斜面の登攀があることである!
しかも、登攀した先にあるのは、まさしく本殿!
神社の中で最も貴い本殿が、そこに鎮座ましましているのだが、
プレーヤーは、社殿に大砲をぶっ放す気持ちで打球しないと、この急坂を攻略する事は出来ないのだ!
これが本ホールをして「神への挑戦」を物語っている。
全力で、全力で打ち込んで欲しいッッッ!
本殿と社務所の間の袋小路に、技術と精神の両面に訴える難関ホールのカップはあった。
ここさえ攻略出来れば、ホールアウトは目前である…。
この最終ホール(PAR4 14M)は、ぜひともHIO(ホールインワン)で飾って欲しい。
ここまでの強烈なプレッシャーに打ち勝てたプレーヤーにとって、それはさほど難しいことではないだろう。
ホールアウト!
祝福せよ! 神をも恐れぬスーパープレーヤーの誕生だ!
【完結】