森吉森林鉄道4号隧道の迂回を企て、道なき山中へ入り込んだわれわれは、遂に、湖面を見下ろす半島の突端に達した。
しかし、見渡す限り、湖面を渡る橋は無い。
どうやら、われわれの辿りついた場所は、目指す軌道跡からは、かけ離れた場所のようだ。
ここで今後の探索を協議する。
もちろん、私としては、体力の尽きるまで徹底的に探索を続けたいと思った。
この森を這い蹲ってでも、4号隧道の坑門を、その先の軌道を、発見したい。
そして、3人は重くなってきた足に鞭を打って、歩き始めた。

稜線に戻る
地点辺りで、しっかりと地図を確認して方角を修正していれば、ともすれば目的の方向へと向かうブル道もあったのかもしれない。

地点の近くまで戻ったと思われるが、来た時は稜線の西寄りを歩いてきたのに対し、こんどは湖畔よりを歩いてきた。
そして、そろそろ頃合と考えた我々は、湖畔に向けての下降を開始した。
挫折

撤退…
地図を見ながら、この探索の足どりをプロットしてみると、反省点が多く浮かび上がってくる。
森吉ダム隧道 内部探索

本来の坑門は、長いコンクリートの延長部によってかなり前進してきている。
踏み込むと、そこは洞内から流出してくる水の通路となっており、ぬかるんでいる。
壁に沿うように、廃材や、使われなくなった備品が、大量に棄てられている。
周囲は素掘りとなったが、まだ奥に続いている。
さらに進もうとする私の前に、見たことも無い光景が現れた。
何とも形容しがたい、足元の泥の海。
隧道は、ここに来て緩やかな右カーブを描いている。
コンクリートが、隧道を直角ではなく斜面として塞いでいる。
辛うじて、私は借り物を失わずに脱出できた。| 当サイトは、皆様からの情報提供、資料提供をお待ちしております。 →情報・資料提供窓口 | |
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