道路レポート 保台清澄連絡道路  序

公開日 2008. 4.19
探索日 2007. 4. 2

保台ダムが始まりの地 

穏やかな湖面が語る真実


 2008/4/2 10:34 <現在地と周辺地図>

 ここは、2000年に完成したばかりの保台(ぼだい)ダムの堤体の上。
クルマからチャリを降ろし組み立てる。
(保台ダム:千葉県鴨川市の待崎川上流にある上水道・灌漑用ダム)

今は、2008年4月2日の午前10時半過ぎ。
これから、本日のメーンディッシュへ挑む。

いまは、精神修養中だ。


この旅は、きっと過酷なものとなるだろう。




 ダム湖の周りには一周約3kmの周回道路が作られているが、ターゲットはダムサイトより400m上流の地点で周回道路から右へ分かれる。

 図に描かれた湖畔のカタチを見て欲しい。
決して大規模ではない人造湖がこんな複雑なカタチをしている訳はなんだろう?
それは、地形が複雑に入り組んでいると言うことに他ならない。

 この場所にダム湖が作られた理由を考えて欲しい。
簡単なことだ。
それは、谷がとても深いからだ。




10:39

装備と気持ちの準備が出来たので、周回路へ進入開始。




 ガチガチにポリゴンで固められた初期の3Dグラフィックスのような周回道路の景色。
足元は一号橋梁という橋。

 今跨いでいる湖の上流を限界まで詰めるのが、今回の目的(=ターゲット)だ。




  え?

 期待して損した。 なんかしょぼそうだって?


  それは何か歴史のある古道なのかって?

 旧国道? 軍事道路! 林鉄跡!?



…残念ながら、 多分どれでもないと思う。




きっと



この道の正体は…








林道。




こっから始まる 2km+α。


房総のヌルいイメージを覆す、熱き闘いバトルの始まり。



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 保台ダムの上流には、いったい何があるというのか。


まずは、この地図を見て欲しい。




無名の沢を詰めて、「関東ふれあいの道」が通る“清澄稜線”を目指す。

それが今回の計画ルートの全貌である。

上の地図中に一生懸命「隧道」探しをしてくれた方には申し訳ないが、
そんな物は描かれていない(と思う)。


ヨッキよ。 いつから「沢屋」になったんだ?


いやいや。

わざわざチャリを持ち込んで沢を詰める趣味はありません。

私の掴んだ情報によると、「ふれあいの道」は車道になっているらしいじゃないですか。
地図上では点線だけど。

この無名の谷を詰めて、稜線の林道に合流した後には、
当然次の場所に行って探索する予定があるので、チャリは手放せませんよ。



この沢に何か面白みがあるのか?  お前を熱くする道があるのか!





昭和27年版の五万分の一地形図を見てくれ。


当時、まだダムは影も形もなくて、
またこの辺りは「安房郡東條村」と呼ばれていた。
そして、これから向かう川沿いの道も、稜線上の道も共に描かれている。
幅1〜2mの道として。




いや、そこじゃなくて

水色の枠のなかを見て欲しい。




むっちー!!!


ということで、今回のレポートは、

ガチムチの山チャリです!