走破レポート  畑の沢林道 その2
2002.5.18


 白山林道から、いよいよ舞台は畑の沢林道へ。
トリオが愛した道の真の姿が徐々に…。
<地図を表示する>


“窓”
2002.5.16 14:15
 分岐点から、きつい登りが100m位続くが、すぐにこの地点にたどり着く。
この場所は、通称『窓』。
付近には、壮年期を迎えた杉植林地が広がるが、この一角だけ、切り払われている。
その結果、同路線中最高の展望地となっている。
この場所からの景色のすばらしさは、とても言葉には言い尽くせない!


 標高200m少しの場所からの眺望とは思えないほど、遠くまで見渡せる。
西(写真左)には、秋田市から天王町、はるか男鹿市へと続く、美しい弓型の海岸線。
遠くに、広い裾野を持つ男鹿三山の雄大な山容と、寄り添うように小さな寒風山。
その山並みの手前には、八郎潟の輝く湖面と広大な大潟村の干拓地といった、海抜0m地帯が横たわる。
かつて、男鹿は佐渡島のように日本海に浮かぶ島であったと言うが、この地から見る景色は当時の景色を、容易に想像させる。

 北西方向(写真右)には、緩やかな丘陵地が延々と続くが、ひときわ目立って、これまた双子の山。
八郎潟町のシンボル森山と高岳山の姿である。
空気の特に澄んでいるときは、視界の端に、白神の山脈を捉えることもできる。

 この場所からの眺めは、本当に筆舌に尽くしがたいものがある。

新城林道分岐点
14:20
 の地点が、ひとつの標高のピークとなっており、そこから下り坂となる。
そしてすぐに現れるのが、新城林道との分岐点である。
左折が新城林道で、鬱蒼とした植林地のダート4Kmの道のりを経て、井川町の大又沢林道に接続する。
正面に進むと、本線だ。

 この付近から、これから越えてゆくべき西側の山並みを眺める(写真左)。
幾重にも連なった山々が、これからの道のりの長さを予感させる、そんな光景である。
右側の山腹に、何か削れたように、土壁が露出している部分があるが(写真では分かりにくい)、ここはで分かれた、小又林道の片割れ雨垂沢林道の終点部である。
この雨垂沢林道だが、近年著しく荒廃し、もはやこの終点部にたどり着くことは出来ない。
かつては、しいたけ(と思われるキノコ)が自生していたのだが…。

 いま来た方向を振り返ると、白山川の深い峡谷の向こうには、台形の山(館山という)と、さらにその向こうに日本海が見渡せる。
ここもなかなかの絶景である。
植林地帯を再び登る
14:24
 再び上り坂となり、白山川右岸の深い植林地帯のなかを、フラットな路面の道のりが続く。
市内有数の山菜取りのメッカであると同時に、先にはまだまだ多くの伐採地が存在するので、不通であった2年前の攻略時にも、特に道が廃れていることも無かった。
 目立つ場所に作業小屋(現役)がある。(写真左)
畑の沢林道は未整備の林道だが、開通当時に配置されたと思われる標識が、半ば朽ちた状態でいたるところに残る。
写真右は、最近は新規で設置される事が少なそうな、『警笛鳴らせ』の標識である。
今回、この一本しか見つけられなかったが、昔はもっとあった気がしたが。

大規模な工事箇所
14:31
 同じ様な景色のカーブを繰り返しながら、徐々に上流へとすすんでゆく。
植林地帯はまばらになり、辺りには自然林が目立つようになる。
この写真の箇所は、最近法面の改修がされたようで、この道には不釣合いな感じがした。
道は、再び下り基調になる。
 銀山小屋沢
14:34
 道は何度も小さな沢を跨ぐが、それらの多くには、沢の名が書かれた立て札があり、単調になりがちなこの区間に変化を与えてくれている。
ここは、銀山小屋沢というらしい。
なんとも意味深な名前だ。
この一帯の山中ではかなり以前、亜鉛を産出したと言う話を聞いたことがあるが、やはりこの地には銀山があったということなのだろうか?
まさか銀ではないだろうが、白っぽいガレ場が続く。
道は下り続けていく。
道川沢
14:44
 ここまで、から4Kmほど、全般的には、下り主体の道なりであった。
この地点の海抜は、約200mといったところか。
そして、ここから先、峠までの8Km弱、長い長い登りが続くことになる。
辺りは手付かずに近い原生林のように見える。
また、白山川の源流部である辺りには、多くのシダ植物が繁茂し、道路脇の自然のままの崖や土は多く水気を含み、緑のコケに覆われた場所が多い。
蒼蒼とした、生きた森の姿だ。
       
割沢
14:49
 予想外であったが、ここで通行止めがしかれていた。
といっても、物理的な閉鎖ではなく、造林作業に伴う関係者以外立ち入り禁止の告示である。
実際、チャリは通れるだろうから、迷わず突入だが、余計な邪魔が入るかと思うと、気が重いなぁ。

 この辺りが、全線でもっとも北に位置し、隣接する井川町との交通は、俎山(標高722m)の急峻さによって、完全に断絶されている。
       
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