今回の物件は、このあたりにある。 →【周辺地図(マピオン)】
まずは下の2枚の地図を見較べてみて欲しい。
同じ場所の新旧の地形図だ。
右は昭和6年の地形図であるが、そこには最新の地形図に描かれていない、一本の隧道が描かれている。
しかもこの隧道、さらに古い明治39年発行の地形図にも描かれている。
千葉県には沢山あるとはいえ、全国的な尺度から見れば珍しい明治の隧道なのである。
とりあえず、地図から分かることはそれくらいしかない。
しかし、探索に赴く理由として、これでも十分すぎる。
今回の物件は、このあたりにある。 →【周辺地図(マピオン)】
まずは下の2枚の地図を見較べてみて欲しい。
同じ場所の新旧の地形図だ。
右は昭和6年の地形図であるが、そこには最新の地形図に描かれていない、一本の隧道が描かれている。
しかもこの隧道、さらに古い明治39年発行の地形図にも描かれている。
千葉県には沢山あるとはいえ、全国的な尺度から見れば珍しい明治の隧道なのである。
とりあえず、地図から分かることはそれくらいしかない。
しかし、探索に赴く理由として、これでも十分すぎる。
2010/2/6 6:45 《現在地》
ここは、今回目指す隧道の入口となる君津市二入(ふたいり)の集落。
この二入という大字はさほど広くないが、激しく蛇行する小糸川の南北両岸に同じくらいの広がりを持っている。
しかし道があり集落があり人が住んでいるのは北側だけという、少し変わった特徴がある。小糸川を渡る橋も存在しない。
もっとも、今回行くのは川とは反対側にある山の方だ。
二入を唯一通り抜ける道は、房総で最も新しい国道のひとつである465号線。
指定が新しいだけに“酷道”が随所にあり、この集落内もバイパスされない1.5車線の狭隘区間となっている。
その割には、半島中部の縦貫道路として朝夕の通行量は多く、バスや大型車を頭に短い渋滞が発生することもある。
集落に一軒だけの商店「スーパーいどみせ」のすぐ東側の角が、目指す隧道の入口だ。
1車線より少しだけ広い舗装路が、国道からほぼ直角に折れて北へ向かっている。
角には特に標識も道標もない。
その先には、朝日を浴びるごく低い山並み。
いかにも房総の内陸部らしい、のどかな眺めだ。
現地形図では、この入口から250mほど進んだところで道は破線となって右に逸れていく。
しかし、古い地形図はそのまま隧道に入っていた。
この特徴を頭に入れて先へ進むことにする。
順調にいけば、ものの数分で辿り着けるだろう。
6:47 《現在地》
入口から200mほど、自転車だとあっという間で舗装が尽きた。
同時に、集落の家並みも終わる。
左右にも分かれる道があるが、目指す道は直進に違いない。
特に「立入禁止」を示すようなものは何もないが、この先は悪路で、しかも昼間と思えないほどに薄暗い。
どこかへ通じている感じもしないとあっては、部外者が立ち入る理由の思いつかない景色だ。
私にしても、古地形図だけが頼りである。
写真は光量不足のため非常に荒く、激しく白飛びしてしまった。
道はお椀状の凹みの中に通じており、常に日蔭になっている。
こんな地形だと流水による洗掘がありそうなものだが、ほとんど見られない。
おそらく峠が近く、集水域が小さいせいだろう。
両側に木の根が柵をする掘りっぱなしの堀割は、おおよそ現代の道路には見えないが、道幅はちゃんと車1台分を保っている。
整備すればまだ林道としてくらいは十分に使えそうな道だが、廃止されてしまった理由は何だろう。
やはり、隧道に問題があったのだろうか。
進むにつれ、急激に堀割が深くなってきた。
道は相変わらず直線で、勾配はいくらか増しているが、地形の勾配に追いつかなくなっているのだ。
深まる堀割。
それに応じて高まる、隧道への期待と不安。
ひときわ大きな木をくぐった先で、道が二手に分かれているのが見えてきた。
右の道は相当に急坂だが、左の道はなんというか…
あ き ら め た ように、平に見える。
諦めたら、もうアレしかないよね…。
アレしか…。
お読みいただきありがとうございます。 | |
当サイトは、皆様からの情報提供、資料提供をお待ちしております。 →情報・資料提供窓口 | |
このレポートの最終回ないし最新回の 【トップページに戻る】 |
|