男鹿市 と その周辺
2003.5.26

  総  評 
 県都の北西にあり、日本海に突き出した”巨斧”男鹿半島が男鹿市の市域である。また、半島の付け根を成す広大な陸繋砂洲には八竜町や若美町、天王町が位置している。さらに、巨大な汽水湖八郎潟には、東洋一の巨大干拓地大潟村が存在する。
これらの地域のうち、林道が存在するのは、半島本体部のみであり、他はせいぜい防砂林内道であり、それらは取り上げていない。
半島本体には、男鹿三山と寒風山という二つの山が仲良く並んでおり、それぞれには領域に相応の数の林道が存在する。
また、この地域では林道以上に、かつては有料道路であった観光側面の強い道の数々が、目立つ存在だ。
大桟橋有料道路に由来する県道59号線男鹿半島線などがそうだ。
これらはいずれも枯れた道であるが、その景観はいずれも十分にサイクリストを楽しませるものである。
もちろん圧倒的な高難度林道男鹿林道など、見るべき林道もある。

県都に近いが、半島という地形から、そのアクセス性はあまり良くなく、また、特徴のないピストン林道が多いこともあり、林道の走破率は、70%程度であろうか。
茶臼峠 脇本側の上り  切り通しの峠
国道3300m  2車線の容易な峠道、敢えてここに取り上げたのは、現役の国道でありながら、まるで旧道のような有様だからだ。 生鼻崎トンネルを通るバイパスが(このバイパスは国道ではなく県道だが。)完成したのちは、めっきり通るものも減ってしまった。 そしてここは、心霊スポットの宝庫男鹿半島の入り口らしく…、相当に出るらしい。
脇本富永船川羽立
2001年全面舗装
入道崎寒風山線 男鹿中側の険しい上り  板場ノ台から望む山頂部
県道10400m  かつて、「寒風山パノラマライン」という有料道路だった道。 寒風山を東西に縦貫し、山頂部から、西側中腹にかけては広大な草山の景観をなす。その眺めは日本離れしているが、景観維持のため毎年野焼きを行っている結果だ。山頂直下からは、山頂に伸びる700mの支線がある。いずれも急な勾配で苦しい道だ。現在は県道55号寒風山線だ。
脇本浦田男鹿中滝川
2001年全線舗装
西寒風山麓線  
農道4000m  船川比詰から、国道101号より分かれ北上。 1車線の舗装路は、勾配のきつい場所もあるが、よく整備されている。寒風山中腹の玉ノ池で、県道55号線に合流して終点。
1999年以前全線舗装
北寒風山麓線 (仮称)  
市道?2300m  県道55号線の山頂付近の迂回路として機能する道。中腹の板場ノ台で北に分かれ、片倉の男鹿ゴルフクラブの脇を通り、山頂部の周りを回る形で、再び県道55号線に戻る。勾配は余りなく、走りやすい。
2001年全線舗装
五里合林道 (仮称)  
林道4400m  五里合の国道101号と県道304号線の分岐点付近から南へ入る。ここからの1.6kmほどはコンクリのように踏み固められたダートで、その終点は巨大な採石場である。この区間、ひっきりなしにダンプが往来しており危険。その先は通るものも少なく、ありふれた砂利道となる。2.8kmほど登ると、男鹿ゴルフクラブの脇で、北寒風山麓線に合流し終点。
五里合箱井男鹿ゴルフクラブ
2001年砂利
戸ノ巣川林道 (仮称)  
仮説林道5700m  採石場から西へと伸びる林道で、始まりから2.6kmほどが、廃道化した仮説林道の上りで非常に困難。そこで他の砂利道に脱出するが、このあたりの記憶は曖昧だ。その先2.1kmほど、下基調の砂利道を走り、舗装路にぶつかる。この道はやや上流の戸ノ巣川ダムで終点となる道で、合流点から下っていけば1kmほどで、男鹿中の農道に合流。
1999年以前砂利
男鹿林道 起点  前半戦  険しい上り  山頂付近  終点の施設
林道13000m  男鹿半島の中央にある男鹿三山は、その最も高い部分で700mを超える。この海に突き出した絶壁のような男鹿三山の山頂に至る林道がこれ。13kmにも及ぶその延長、そして、700mもの高低差。県内でも有数の高難度林道である。しかし、苦しみ抜いた先にあるものは、圧倒的な高度感を持った景色と、無機質な軍事基地の数々である。必見だ。
男鹿中山町本山山頂
2002年舗装・砂利
仙養城支線 起点(右)
専用林道2000m  男鹿林道から航空自衛隊加茂駐屯地へと至る、専用林道。基地の一般公開中を除いては一般者は侵入不可であり、残念ながら私も未実走である。 ただ、その様子は男鹿林道本線から良く見える。
未実走砂利
双六林道 起点(左)
林道一部実走  男鹿林道の起点から10kmほどの地点から分岐し、半島南海岸の双六地区方向へと下っている。しかし、山腹で終点であり、林道は行き止まりである。 入り口から500mほどで小浜支線と分岐し、その先の本線は未実走である。
1999年以前廃道
小浜支線  
林道2700m  双六林道から分岐し、半島の南海岸である小浜地区に向かう林道。とは言っても、車道は小浜まで通じておらず、深い山腹を約2.7kmを猛烈に下ったところで終点となる。その先は、登山道跡のような踏み跡を3kmほど辿り辛うじて、小浜に降り立つことが可能となる。
1999年以前廃道
毛無山支線 (仮称) 起点(左)  毛無山山頂部を望む  行き先はやはり基地
林道1100m  男鹿林道11.7kmの地点から、道は二手に分かれる。一方は本線で、男鹿三山の最高峰、本山の山頂に至る。そして、左の道を辿ると、700mほどで毛無山の山頂に至る。ここには巨大なアンテナ基地が。さらに道は400mほど続き、そこにもやはり基地。
2002年砂利
増川林道 終点  舗装だが…  男鹿三山を望む  起点付近
林道8600m  男鹿南海岸で、男鹿市街中心にも近い増川から、男鹿三山の中腹である滝川へと至る林道で、途中一つの峠を越す。この道の特徴としては、途中何度も、舗装と未舗装を繰り返す点だ。通行量が少ないようで、下草の刈られていないシーズンなど、まるで廃道のようでさえある。終点近く、滝川ダムへの道は舗装されており、そこから終点の男鹿林道合流点までは僅か。
船川港増川男鹿林道
2002年ダート・舗装
滝川林道 (仮称) 滝川ダム付近
林道?2100m  滝川ダムは灌漑用の小規模なダムだが、増川林道からこのダム湖畔を通り、なまはげラインの通る開地区に至る林道がある。この道が林道なのかは不明だが。ダムの周辺は素晴らしい舗装路だが、その先は驚くような隘路であった。現在はどうか?
1999年以前舗装・ダート
真山林道 終点(男鹿林道合流点)
林道4200m  なまはげ発祥の地、真山地区から、男鹿三山山麓の深い樹海を跨ぎ、増川林道分岐にも近い地点で男鹿林道に合流する道。ほぼ中間点には、男鹿半島唯一のスキー場である真山スキー場があるが、2003年閉鎖された模様。全体的にアップダウンが激しく、景色もひらけないので疲れやすい道のり。
北浦上真山男鹿林道
1999年以前砂利
桐の沢林道  
林道1400m  真山スキー場から、そのゲレンデに沿って、さらにその上部まで延びる激しい登攀林道。勾配が非常に厳しい。伐採地で終点だが、そこからは、五里合地区から、若美町八竜町、そのはるか先の白神山地までが一望できる。
1999年以前砂利
舘越林道  
林道2500m  北浦林道と接続して、男鹿三山の山麓樹海を南北に真山地区まで縦貫する林道。真山林道と、さらに増川林道と一体となって、長大な男鹿半島縦貫林道を形成する。この区間も真山林道同様、三山から湧き出す幾多の小川や沢を跨ぐ道筋であり、アップダウンが非常に多い。見通しも悪い。
北浦林道北浦上真山
1999年以前舗装・砂利
北浦林道  
林道3000m  北浦の男鹿山牧場付近から、南東に男鹿三山の東麓の樹海を通り、舘越林道、さらに真山林道、増川林道と一体となり、半島縦貫を成す林道。 所々舗装されているが、アップダウンが多く疲れやすい。
1999年以前廃道
男鹿半島線  
県道12500m  ここは現在県道59号男鹿半島線の一部だが、多くの人にとっては旧「大桟橋有料道路」といったほうが通りが良かろう。いくつもある半島内の観光道路の中でも花形と呼べる存在であり、沿線に延々と展開する、圧倒的な絶壁を成す海岸美は“海のアルプス”の異名を持つほどだ。とにかく素晴らしく景色が良くお勧めの道だが、近年老朽化が進み通行止めも少なくない。
船川港門前男鹿水族館
1999年以前2車線
加茂林道 (仮称)  
林道6000m  加茂で男鹿半島線から別れ、強引に稜線に上り詰めると、そのまま稜線上を八望台まで続く道。とにかくこの道の圧巻は、起点から稜線上に立つまでの2.5kmほどであり、この間の勾配はとてもチャリはおろか、ジープでも無理だと思う。余りにも危険と考えたか、加茂側にはゲートがあって封鎖されており、この区間は廃道と化してしまっている。とにかくすごい勾配は必見。
戸賀加茂青砂八望台
2001年一部廃道
10 入道崎八望台北浦線  
県道12400m  この道も、かつての名「入道崎八望台有料道路」のほうが通りが良いかもしれない。北浦野村で県道55号線と別れると、八望台までの直線的な4km上り。八望台は、男鹿有数の景勝地であり、その眺めは至宝のものだ。そこからは稜線に沿って下り基調の2.1kmで、県道59号線と立体交差。さらに6.2kmアップダウンあるが最後は一気に下り、半島の突端入道崎で終点だ。
北浦野村入道崎
1999年以前2車線
野村川林道 (仮称)  
林道実走800m  入道崎八望台北浦線の八望台付近から、「大滝」の看板のある砂利道に入る。まもなく道は沢筋に降り立ち、さらに続いているようだが、実走したのはここまで。多分そう長いことはないと思うが。沢からは、遊歩道があり、少し歩くと、大滝がある。
1999年以前砂利


未走の主な林道
山田林道男鹿中山町の国道101号線に標柱があり、確か2kmと表示されていたと思う。男鹿林道に合流するのか?
茨島林道北浦安全寺地区には、幾筋もの林道がある。
それらのいくつかは、併走する2本の道「なまはげライン」と真山林道とを結んでいるようだ。
入道崎林道(仮称)半島の突端部の台地上の地形を走る道があるようだが、未実走だ。
半島内では最もアクセスしにくい一本だが、その景観が気になる。
馬生目林道半島内には、地図には表示していない未実走の道がたくさんある。
それらの多くは、男鹿三山の北麓や東麓にあり、相互連絡のない沢沿いのピストンが多数のようだ。
これらは、地図上からは面白みが感じられず、また、半島のアクセスのしにくさもあって、攻略は後手に回りがちである。
今後の課題であろう。