男鹿半島最大最強の林道「男鹿林道」。
“自衛隊専用道路”の金看板は伊達じゃあない?!
目を見張るような、熾烈な登りが、今一挙に押し寄せる!!!
<地図を表示する>
挨拶代わりの(?!)直登を、約5分間。 標高を50mほども稼いで、一旦勾配が弱まる。 そして、この『地震観測所』の建物の脇を通る。 しかし、写真を良く見てみると、勾配が緩んだといっても、全然登っている事がお分かりいただけよう。 少し緩んだだけでも、…御の字なのだ。 |
男鹿林道の名物がついに現れる! それは、この写真の、ドクロマークの標識。 いくら“シャレ”コウベでも、シャレになってないぞ、この地獄のような登りで、この標識。 神経を逆なでしまくる、この物言わぬ標識。 写真では、ドクロの絵の下に何かを隠すために貼り付けたような不自然なテープが見えているが、確か… 確か、3年前は「Danger」って、書かれていたような気もするが、はてな? しかしこのドクロの標識、ここと、さらに上部のもう1箇所と、合計二箇所に確認されている。 いずれも、熾烈な登りだが、当然『登りが辛すぎて死なないように注意!』という標識な訳ではなくて、 | |
ご覧のような、『凄まじいまでの急な下りと、その先に続く断崖』の景色に立てられている。 たぶん、これは下りの車輌用の『運転注意』と言う意味の標識なのではないか? 実際、チャリでの下りは、ブレーキシューが発煙しそうなほどで(←まじで)、この景色の場所などは、特に殺気した! ちなみに、奥に写る山は寒風山で、その向こうは、日本海である。 このあたりは振り返るたびに絶景である。 |
の分岐点から、ここまでの約2kmは、一つの連続した登りといってよい。 その高度差は、約150m。 全身のヒートアップは、既に頂点に達しており、一休みしても、その熱は一向に体を離れない。 外気温がゆうに30度を超えているので無理もないが。 たしか『4500M』表示であったと思われるこの地点までは、試練である。 意地を張らずに、休みながら登ったほうが絶対に良い。 この先には、まだ、長い登りが待ち受けているから。 それも、これまでよりもさらに苦しい…。 ←かなり汗もかき、“イイ”表情が撮れている。 しかし、さすがに辛そうだなー。 |
男鹿林道沿線で一際美しい山容を楽しめるのが、この一帯。 天を突くような、天然杉の巨木が道のすぐ脇まで乱立している。 どうしてこの一帯だけに、これほどに立派な杉が育っているのか? それとも、たまたま伐採を免れたのだろうか? 壁のようにどっしり正面を塞ぐ、本山の雄大な景観と相まって、ここの景色の迫力は、なんというか、圧巻だ。 男鹿半島が、まだ男鹿島であったころの、原初の森の姿が、少し瞼の下に浮かんだ気がした。 |
しばし、巨木の森を楽しんだら、再び、試練の始まりだ。 この「鷲ノ沢」のヘアピンカーブがその合図。 ここを曲がると、眼前には…。 | |
この直登が、待っている! ここから先はしばし、何処で休むかすら悩ましいほどの、急勾配連続地帯だ。 立ち止まると、漕ぎ出しに力を要する。 だから、できるだけ漕ぎ出しやすい、平坦な場所で止まりたいし休みたいのだが…。 体が、言う事を聞かなくなれば、それもままならず。 漕ぎが止まれば、そこで休む羽目になる。 それと、このような日影の上りは、少しだけ涼しい替わりに、虫のうざさが体力を消耗させる気がする。 目の前を、チラチラと飛び回り、挙句の果てには、耳の穴に入り込んだり、眼球に飛び込んでくる、小型のアブのようなあのヤロー! 俺は、ヒルの次に奴が嫌いだ!! |
双六林道との分岐点だ。 ここは、マジで逃げ出したくなった! 左に分かれる双六林道は、緩やかに、下って行くのが見える。 一方、本線は、これでもかといわんばかりの、激しい登攀。 全く緩まず、続いてゆく。 この双六林道。 実は、門前にほど近い双六地区に抜けている。 地図上では繋がっておらず、相当に距離があるので、私もまさか抜けられるとは初めは思っていなかったが、以前の実走で確認している。 しかし、ただでは抜けられない。 …まず、ものすごい廃道。 そして、途中からは、信じ難いほどの叢。 最後は、クモの巣にまみれる、薄暗い沢沿いの登山道(らしき道)。 これらを経て、やっとこさ、双六集落に至る。 お勧めはしない。 | |
振り返ると、白く輝く海が! 美しいが、この日差しは、暑い! |
いい加減、坂が苦しいと言うコメントばかりで、飽きられているかも知れないが、本当に、この道には坂しかない!! 昇れども昇れども…この言葉も飽きた? しかし、容赦がないんだ!! 私も、いい加減この区間を走るのも3度目だ。 でも、全然、思っていたよりも辛い。 確かに、前走ったときも、『ここは異常だ!!』と投げ出したくなった。 しかし、それから今年まで、一体どれ程の経験をつんだんだ?! 己が、見違えるほどにパワーアップしているのを体験するための、再走というものではないのか?! ぐぬぬぬぬ…。 辛すぎる!! 汗がとめどなく流れ、目に入る。 痛い! 痛いゾッ。 なぜだ、なぜ俺は、タオルのひとつも持ってきていないッ?! | |
とにかく直線の登りが続く。 正面に見えている限り上り詰めたら、次に現れたのが、この景色(写真左) いい加減にせいよー。 逝っちまう。 この道の辛さのひとつの原因は、この砂利。 とにかく、砂利の粒がでかい。 そしてこの勾配だけに、タイヤが空転する事多し! このロスは大きい。大きいなんていうものではない!! 一度止まると、漕ぎ出すのも容易でない! | |
突然だけど、攻略アドバイス。 それは、道の真ん中や轍の中は、砂利が多くてとても消耗が激しいので、 敢えて、道の隅っこ。 雑草が生えている部分を進もう。 私は、その方法で、かろうじて、この区間を、「押したい!」衝動に駆られつつも、乗り切った。 |
朦朧となりながらも、路傍に見つけた「2500M」。 あと、たった2.5Kmなのだが…。 「まだそんなにあるの!」と思ってしまった私は、…屁たれでしゅ。 ここいらで登りも一段落するのが、せめてもの礼儀だと思うのだが、残念ながら、ここより先は、九十九折である…。 休みなく、すぐに、九十九。 「これは、自衛隊員養成道路なのかーーーーーッ!!」 と言いたくなるような、シゴキ、である。 鬼教官だよ、あんたは。 ←少し、ヤバイ感じだ。 |
一体、この九十九折コーナーの内側は、どれ程の角度なのか? 身の危険を感じた私は、敢えて近づきはしなかったが。 この角度、この長さ。 ある登りを、私は鮮明に思い出した。 あの日も、…こんな暑い日だった。 その道は、秋田駒ケ岳の8合目にまで登る県道であった。 たしか、県道129号線だ。 怖いものを見たい人は、ぜひ行ってみるとよい…。 あの道は、殺気した。 そして、ここも。 |
この場所には、見覚えがあった。 特に印象に残っていた。 ここで、きつい登りは、終わる。 そういう記憶だ。 まもなく山頂だという、安堵感が体を包んだ。 やっとここまでたどり着いたと言う、達成感に酔いしれた。 からここまでは、一本の繋がった坂であった。 その距離は、約1500m。 登った垂直距離は、150m。 30分近く一つの坂と戦ったことになる。 そして、現在地の高度は、海抜540m。 いよいよ、男鹿半島には、今の私よりも高い位置にあるものは、ただの3つ。 男鹿三山の3つの頂だけになった。 | |
まもなく現れた、「2000M」の表示。 ここが、ひとつのピークになっている。 道は、ここでほぼ鞍部に達した。 と考えた。 私の安堵の表情が、これまでのいかに苦難であったかを物語っている。 っていうか、もうこれは、放心状態?? 今見ると、やばい表情だなー。 心肺機能に来てそうだもの…。 |
ネタではない。 本当に、これは誤算であった。 記憶違いだ。 この景色を見たとき、戦慄が走った! この暑さで震えが来た。 道は、てっぺんの鉄塔のような場所までは、少なくとも続いているはずだ。 なんせ、終点は山頂。 己よりも高いものがなくなるまで続くのだ。 次回の更新では、山頂の景色を、公開できると思う。 |
お読みいただきありがとうございます。 | |
当サイトは、皆様からの情報提供、資料提供をお待ちしております。 →情報・資料提供窓口 | |
このレポートの最終回ないし最新回の 【トップページに戻る】 |
|