ルートレポート 国道345号線笹川流れ 鵜泊 
2003.3.15



   <道の脇に穴>

 勝木を発し、笹川流れの難所に向かう国道345号線。
早速現れた鵜泊トンネルをくぐると、小さな鵜泊の集落が現れた。

 
新潟県山北町 鵜泊うどまり
2003.3.6 10:53
 鵜泊集落は、断崖と海との間の狭い隙間に、道沿いに数軒を連ねる、小集落であった。
集落内は国道も1車線となり、蛇行していることもあり、危険そうだ。

 何気なく進んでいくと、ふと、道の脇のコンクリの吹き付けられた法面に、穴が見えた。
一度はそのまま通り過ぎたものの、「やっぱり、穴があったら調べねば」と、Uターン。
引き返してきた私の前には…。
穴だ
 そこにはやはり穴が開いていた。
落石防止ネットも、穴の前だけ張られておらず、簡単に立ち入ることができそうだ。
しかし、穴の対面にも民家が並んでおり、穴の中にも廃品のような家財のような…、なんとも判断に困るモノが、大量に積まれていた。
個人の所有物なのかもしれないので、立ち入りは遠慮…
するべきだろう。


 謎の写真
 どういうわけか、次の写真は穴の内部と思しき一枚だった。
理性では、立ち入りを自粛したはずだったのだが…。

 やはり、穴の入り口付近にはいろんなものが積まれていた。
入ると、急な下り坂になっていた。
階段状に足元の岩が削られていたが、滑りやすく危険である。
5mほど潜ると、そのさきは平坦になっており、意外に奥が深い。
10mほど進んだところで、暗く感じたので今回の旅ではじめての懐中電灯装備となった。
内部の様子は、明らかに自然洞窟のようである。
大きく岩が張り出しており、先が見えないが、まだあるようだ…。
行き止まり 
 20mほどの地点で、行き止まりになっていた。
進むにつれ徐々に狭くなっていたのが、突然ブツッと岩肌に阻まれる感じだ。
何枚かフラッシュを焚いて撮影した写真もあるが、まったく自然な岩肌が写っているのみであった。

 内部は、いたって静かであり、浅いので恐怖感もそんなに感じなかったが、どんな由来のある穴なのか、気になる。
海食洞なのだろうか?

 そんなことを考えながら、帰ろうとして振り返った。
懐中電灯が照らし出した背後の岩肌に、なにやら黒い小さなものが、プチプチッと密集して張り付いていたのを見た。
コウモリだった。
背筋がゾワッと感じたが、写真に収めようとカメラを向けたとき、ふと嫌な考えがよぎった。
「もし、フラッシュの光に驚いて、この数の(50匹くらいはいたと思う)コウモリが一斉に襲ってきたら、気絶するほど怖そうだ…」
チキンな私は、静かにカメラをしまうと、そそくさとその場を立ち去った。

引き返し 
 浅いのですぐにに入り口に戻ることができた。

 こうして、ちょっと気色悪いコウモリ穴の探索は終わったのだが、謎の残る穴だった。
明らかに道路ではないようだったが、海岸線からは50mほど離れた場所であることを考えると、海食洞というのも不自然ではないか?
防空壕だろうか?
先住民族の住居??

 まったく見当違いであったが、奥へ進む最中、一つ考えたことがあった。
この穴を進んだら、並走する羽越本線のトンネルに突き当たるのではないか、と。
事実非常に近い位置をトンネルは並走しており、地図を見ても、もう数十mで鉄道トンネルにぶつかりそうに思える。
もしかしたら、穴の奥の岩壁に聞き耳を立てていれば、疾走する鉄道の音が聞こえるかもしれない。
もし聞こえたら、なんかそれって、ステキじゃない!

芦谷へ

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