12:06
前回最終地点より100mほど戻る。
私が知らず道(都道)をロストしていたのは、この写真の場所だった。
そこには分岐らしい物はないが、ゴルフコース内の道と麓から登ってきた道とが同じ平面上に並ぶ唯一の地点である。
この両者を隔てている物は、明らかに枯れた芝生シートだけである。(写真右にある物)
「これは、明らかに都道を隠す行為である!」
勘違いかも知れないのにそう激昂してみる。
そうでもしないと、ちょっとこの先へ進む気持ちにはなれない。
なにか、使命感のような物が必要である。
何せ、私が芝生のシートを乗り越えて“こちら側”へ来る直前に、一台の軽トラがこの道をコースの方へ走り去っていくのが見えたのだが、その軽トラにはナンバープレートが着いていなかった…
これってやっぱり… モロ私有地?!
だが、私は今回露骨なまでに図太くなろうと誓った。
暗黙の了解なんてくそ食らえだ。
明示的に立ち入り禁止が示されない限り、私は何食わぬ顔でこのゴルフコースへ侵入し、他の物には一切目をくれず都道を通り抜けてやる!
私はあくまでも、妄信的に道路地図を信じてしまった、ある一人の善良なる市民である。
そして、今まさに私の侵入とタッチの差で無ナンバーの軽トラが駆け抜けていった道を、私も進む。
この先は間もなく前回最後の写真に写っていた道となる。
いよいよ、ゴルファー達の目の前に私は躍り出る(少し大袈裟)事になるのだ!
果たして、その運命やいかに!!
正直、日原以上に緊張した私がいた(笑)
来たーー!
早速キター!
ビクつく私を、ご主人様お帰りなさいませとばかりに出迎えてくれた警告!
以下、全文。
これより私道につき
部外者(ハイカーを含む)の通行を
禁じます。
万一、進入し事故があった場合
当、倶楽部は、一切関係ありません。
青梅ゴルフ倶楽部
いちいち私が反応する単語が赤くハイライトされている。
それに、いくら何でも「関係ありません」とは冷たいじゃないかー。
ところで、 これは今回のリタイア条件である「明示的な立ち入り禁止」であろうか?
うむ。
確かにこれは立ち入り禁止だろうな。
じゃ…
進行!
だってこれ、右の道に向けられてるじゃん。
都道は真っ直ぐの道だし。
そんなイキがった振りしてレポしてる私だが、現実には心臓ばくばくもん。
右手に広がる芝の美しいコースには、大分遠くの方ではあるがプレーに興じる一行が見えた。
当然むこうの誰かしらは私の存在に気づいたはずだ。
まあ、だからといって誰も気にしないとは思うが、こういうときにチャリというのはちょっと不自然で困っちゃう。
ともかく、私は全速力に近い速度でカメラの電源を入れたまま、走り撮りで進んでいく。
コース脇の砂利道に入って約200m。
T字路に突き当たった。
これは、進入前に中でもたつかないようにと暗記しておいた地図の通りだ。(現在地はここ)
このT字路から先の道は右も左も舗装されている。
都道は右だが、とりあえず舗装復活だ!
それはいいのだが。 右も左も……
ここから先、約200m区間がこの都道で最も気を遣う部分である。
ゴルフ場内を横切る部分であり、コースとコースの隙間を走る事になる。
写真はT字路を右折してすぐに右手の「西7番ホール」である。
倶楽部サイトの解説によれば、このホールはPAR5 483ヤードで「右クロスハンガーの左狙い」がポイントとのことだ。
まあワタクシ、マリオオープンゴルフでしたら出戸浜で十指に入る飛ばし屋でしたけれど、生ゴルフはちょっと…。
最も恐れていたエリアだったが、これは僥倖。
ちょうどそこは小さな峠となっており、浅い掘り割りとなっていた。故にコースから私の姿を見ることは出来ないだろう。
ここで初めてチャリを停めた。
あ、長居しているとまた無ナンバー車が現れるかも知れない。
慌てて出発した。
ここが霞丘陵越えの峠である。
都道194号で最も辿り着き難い、ゴルフ場内の峠。
名前は知らない。
ゴルフ場の関係車輌やカートも通るのか、砂利道ではあるが路面は整っている。
残念ながら、電柱などにも都道を示すものは見つけられなかった。
この先は、下りとなる。