(私は中国人です。日本語を勉強しています。もしどこかで文法のミスを犯したら、お許しください)
まりりんさんのおっしゃる通りです。
「係」はもともと広東語の語彙です。今は中国語の書き言葉によく用いられる。「是」と同じ、「なり・である」の意味です。でも、漢文(古典中国語)に、「係」のこの意味はないと思う。たぶん、この碑文は現代中国語の影響を受けただろう。
通常の場合では「係」の後ろに名詞を続く。例えば、
「此人係山東人士」は「此人、山東人士也」と同じ、
「此の人は山東の人士なり」の意味です。(山東は中国の省の一つ)
「係」の読み方に「なり」がありません。「此の人は山東の人士係(がか)り」と訓読かもしれない。(「がかり」ですか?「かかり」ですか?)
碑文の原文は「牛淵隧道係于明治二十五年之開鑿爾來從經年…」です。「係」の後ろに時間などを続くのは、あまりない。故にここで「開鑿」は目的語です。この文は「牛淵隧道は明治25年に開削されたものである。それから年月を経て…」の意味です。
私の考えでは、「牛淵隧道は明治二十五年に開鑿せらるる係(がか)り。爾来(じらい)経年より、…」と訓読でいい。(開鑿せらるる=開鑿せらるること=(現代語で)開削されること)
漢文の文法から、ここの「之」は余計です。故に「之」は置き字になった。
おととい私は「牛淵隧道の碑文を解読してみた」の記事を投稿した。その中に書き下し文と現代語訳があります。ご覧くださればありがとう。
ちなみに、中国大陸に、簡体字のために「係」は「系」になった。
広東語で「係」の発音は「ハイ」。意外に日本語の「はい」と同じ(発音も、意味も)。ホンコン(香港)の映画の中に、人は「ハイハイ」と言って、日本人みたい。おかしいですね。