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橋梁レポート 国道415号旧道 千石橋 前編

所在地 石川県羽咋市
探索日 2026.04.20
公開日 2026.05.24

《周辺地図(マピオン)》

今回紹介するのは、2024年3月に探索仲間である「人生崖っぷち(物理)」のペッカー (X:@hbf1xdmk2pcm)氏から、珍しい形をした橋を見つけたとして情報提供をいただいたものである。
場所は、能登半島の“棒”の部分に位置する、石川県羽咋(はくい)市。



ターゲットとなる橋の名前は千石(せんごく)橋といい、羽咋駅から東へ7kmほど宝達丘陵を分け入った、富山県氷見市と境を接する神子原地区(羽咋市神子原町)の国道415号沿いである。



この橋は、橋名の注記こそないが、最新の地理院地図にも道として描かれている。
そして、勘の良い方ならばこの地図上の描かれ方から察したかもしれないが、本橋は国道415号の旧道にあたる橋である。
(厳密には、昭和57年に国道昇格を果たした旧主要地方道氷見羽咋線の時代に旧道化しているので、国道だった期間はない)


この千石橋が、どのように珍しい形をしているか。さっそく現地を見て貰うことにしよう。






2026/4/20 11:08 《現在地》

今回の探索のスタート地点、神子原ダム
国道415号沿いを流れる飯田川をせき止めて作られた、灌漑用ダムである。
その土堤の上を、右岸の神子原町(国道)と左岸の千石町を結ぶ市道が通っている。

私は近くに車を停め、自転車に乗り換えてから千石橋へ向けて出発した。



11:10 《現在地》

川沿いの国道をダムから下流方向へ進むと、文字通り、堰を切ったような下り坂である。
400番台らしからぬよく整備された快走路を200mほど下ったところに、写真の分岐地点がある。
いかにも旧道との分岐っぽい線形だが、その通りである。

千石橋へは、ここから入る。



入った直後は舗装路だが、入口からも見えている古びた工場らしき建物の前で、予告なく未舗装になる。
なるほど、これが県道氷見羽咋線時代の昭和生まれの旧道か。
あの時代としては珍しくもなかったのだろうが、未舗装県道だったらしい。

特に封鎖するようなものはないので、未舗装路をそのまま進む。



隣の国道と並走しつつ、国道よりも少しだけ早いペース(勾配)で下って行くと……



11:11 《現在地》

はいもう到着! 千石橋……であろう物体が、見えてきた。
左奥に谷を跨ぐコンクリートの欄干が見えるだろう。
この橋の直前に小さなポンプ場があり、その敷地を取り囲むフェンスが手前に写り込んでいる。

今回のペッカー氏からの情報提供は、探索仲間なら当然通じるとばかりに大雑把で、この辺の旧国道の橋で、“アレ”だとしか教わっていなかったが、実際特に悩む余地もなく、山行が史上最速レベル(3分!w)で辿り着いた。  …たぶんね。



この橋が…… 千石橋……。

そして、“アレ”らしいのだが…、そうなのか?




あ!



橋オンザ橋(アレ)だ!!!

しかもこれ、私が過去経験したどの「橋オンザ橋」よりも、奇妙だ…。



その“衝撃的な奇妙さ”に当てられた私は、普通であればまず、上に架かっている橋(通常渡られているであろう方の橋)をひととおり通行してから、下に架かっている橋(おそらく旧世代の廃橋)を探るという手順を踏むところを、フラフラと、先に下の橋へ近づこうとしてしまっていた。

そのための便路と思われたのが、橋の袂にある(前述した)ポンプ施設である。
川縁までコンクリートの階段があって、これを使うと上手い具合に“下の橋”の高さへ下りられる。

下りて……、 見る。



11:13

変態的スギル。

コンクリート充腹アーチ橋の上に橋脚を立てて、3径間のコンクリート桁橋を架けている。

私が今まで見たことのある橋オンザ橋(例1例2例3)はどれも、旧橋の直上に新橋が覆い被さりはしていたが、構造としては独立していて、新橋が旧橋の構造に依存していたりはしなかった。

だが!
この橋は、あろうことか、旧橋の路面にどっかりと橋脚を下ろして自らの支えにしているではないか!

しかも、ちゃんと旧橋らしき下の橋にも欄干が備わっているから、そこもまた通行のための橋だったことに疑いがない。
そりゃそうだろう。
わざわざゼロから橋を作るのに、まずアーチ橋を架けて、その上に桁を建てて桁橋を架けるなんて、アタマが●●しい。



ほんとこれ、何があったんだ?!

奇妙さに当てられたまま、ふわふわと、目の前の高さに架かっている“下の橋”へ、右岸上流側から接近を試みる私。

だが、あと3mくらいに迫った、この写真の所で、足が止まった
おそらくこのまま進んだら、足が地面に着かないほど密生した急斜面の笹藪に“乗っかって”しまい、5mは下にある谷底へ滑り落ちるだろう。
その危険性に、はたと足が止まった。

ここからの前進も、絶対に不可能とは思わないが、まずは待て。
まだ無理に行く必要はない。
もう少し、よく観察してからでも遅くないぞ。

一旦、“下の橋”は保留して、セオリーの通り、使われている“上の橋”を確かめようじゃないか。
せめて1回は橋として正常に利用させて貰ってから、裏側を知るのだ。それが礼儀というものだ(?)。

一旦浮上。




11:17

とても、あんな極まった変態構造に支えられているとは思えない、平凡にして平穏、人畜無害を絵に描いたような姿をした、千石橋の橋面。

際まった変態は、こうやって平穏な我々の日常に紛れているのだという見本のようではないか。

いったい誰が、なんのために、この橋をこんな変態にしてしまったのだ……。 

(なお、当サイトにおける「変態」は例外なく賛辞である。 ……にしても、こ〜〜んな私が見たことがないレベルの変態橋を見つけてしまう(=呼ばれてしまう)だなんて、やっぱりペッカーさんは私以上の“逸材”だな…。ウフフフフ。私は何度かここを通っても、【神子原の可愛い巫女さんの看板】しか目に入ってなかったからな。)






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