沼津湾沿いの県道17号「沼津土肥線」をチャリで北上中、沼津市口野地区にて奇妙な鳥居と出会った。
その鳥居はコンクリート製の地肌がむき出しで、遠目には白い鳥居のようであった。
鳥居の奥に祠もなければ、参道らしい道も見えなかった。
奇妙に思ったが、そこは私有地で立ち入りが出来ず、まあ法を犯して確かめるほどのものでもないとその場は立ち去った。
少し進むと、また同じような鳥居と出会った。
そして、あの異常としか言いようのない体験をした。
鳥居発見!
しかし、これは相当に怪しいぞ。
かなり大きく立派な鳥居なのだが、擁壁に隠され県道側からはほとんど見えないし、夏場は藪に覆われていそうな気配。
そして何より、鳥居の背後には子供がゴム粘土で作ったような人工斜面が広がっている。
そこに、ご神体が御在(おんましま)す気配は、微塵もない。
…廃墟か。
これは、廃墟なのか?
どよーーーん
かなり、どよーんとしていますね
澱んでいます。
ここには、悪い霊たちが潜んでいそうでつ。
私、結構巫女さんって好きなんですけど、来て私の前でお祓いして欲しいっすね。
私を、じゃなくてこの辺りを。
「おまえ、清水峠のレポを書いて疲れたのは分かるけど、いくら何でもこのレポはないんじゃねーの?」
そんな読者の皆様の呪詛、恨み辛み、怨嗟の声を予感しながら、この不自然極まりない鳥居をレポートしています。
安心してください。
これから、ちゃんと “道” (参道) のレポートをしますから……。
決して、ORJの執筆に追われていて、時間がないからこんなレポを書いているのではないですよ。
でも、ORJ2008年2月号は明日、2月15日の発酵発行ですので、
買って下さいね。
というか、何でこの鳥居には鉄筋の支えがあるのだろう…。
もしかして、相当に弱ってるの??
明らかに不自然な鳥居。
しかし最初にも書いたとおり、この鳥居の最も不自然なのは、この鳥居が区画する“神域”が一体どこなのかと言うことである。
もっと言えば、鳥居をくぐれば参道があり、そして神社なり祠に至る。
それがセオリー。
にもかかわらず、この鳥居の“向こう側”にあるのは、僅かな草藪と、その周囲を三方取り囲む灰色の斜面のみ。
或いは、この狭い草藪にかつて社でもあったのか…。
そう考えてしまえば、さほど不自然でもないのだが……。
どうにか自分を納得させ、さあ立ち去ろうと思ったそのとき!
ま、まさか…
あれが参道?!
いやいや待て。
いくら何でも、これが参道だというのは有り得ない。
こんなものは、どう考えてもこの人工斜面の保守用通路だろう。
とてもじゃあ無いが、ここを腰の曲がったお年寄りが参詣するとは考えられない。
だったら、ここは“オブローダーの神社”なんじゃね?
いやいやいやいや。
馬鹿か自分!
なぜそんな挑戦的な思考に陥るんだよ。
つうかお前、これを登ってみたいからって、神社に口実を求めてるだろ!
ああ! はっきり言うよ。
登ってみたいさ!!
怖いけれども、登ってみたい。
俺はスリルジャンキーだ!
別に立入禁止でも何でもないじゃないか。
そこに道があるから辿る。
それだけだぜ!!
ぜ って…、 何でそんな子供じみてるんだよ!
どう考えてもこんな所を登っている姿は、端から見ておかしいだろ。
通報されかねんぞッ…!
ふぅ。 登ったぜ!
が、 参道はまだ途中。
引き続いて、2段目の梯子へGO!
… たけぇな。
こんなに高かったか…?
いやいやいや。
お参りするまでは負けられないんだ!!
カンカンカンカン
カンカンカンカン
カンカンカンカン
つ、 着いたーー。
2段目を攻略し、既に地上20m以上の高さにいると思われる。
ここに敬虔な参詣者たちの息づかいは全然感じられない。
というか、ゴミ一つ落ちていないし…、
もしやこの道は本当に… ただの……。
まてまてまてまて!
まだ天辺じゃない。
近くに最後の梯子があるはずだ!!
そこで振り返った私が見たものとは?!
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ちょっとだけ!ヨッキれんの宣伝。
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どうですか、このCM作戦?
だめですか…? だめですよね、やっぱり…。
わ───!
わ───!
わ───!
…気持ちいいけど怖い。
オッ
オブの神様ー!!
私を無事に神殿までお連れ下され!
いや。
ここは、かなり怖いから実際。
オイオイ…
本当にこの上に神社あるんだろうな〜。
なんだか、麦畑みたいなススキしか見えないぞ…。
マジな話、この梯子って登るのはかなり素早く登れるけど、下るとなったら相当に事だぞ。
どうすんだよ自分。
せっかく買った安全帯でも持ってくりゃ良かったのに…。
登ったー!!
完全登攀
略して KAN-TO ダァー!!
ひ
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|
!!!!
見える見える。
世界が見える。
沼津湾が一望だ!
この辺りまで来ると、太平洋も綺麗ねー。
…さて、現実に目を向けるとするか……。
ああっ…。
枯れススキの向こうに見えるのは、フェンス…
…ということは、何かあるのか。
この向こう側…。
うむっ!!
広い!
広い敷地があるっぞ。
まさか…これって…
うわっ!!
これはーーー!!
眩しいッ!!
本当に、神社があった! (笑)
お、オブローダーの神社。
廃鳥居から、死の影ちらつく梯子を30m登って辿り着く、
嫌に整然とした神社。
そういえば、綺麗すぎるな。
だって、ちゃんとした参道があるやん。
ちなみに、この神社の名前は金桜神社という。
当然私は祈った。
今年の自分の生存を。
仲間と家族の健康を。
賽銭も奮発して15円出した。
…これで、今年の清水峠勝利は決まったな。
これが、本殿正面からむかって左側の植え込み。
オブローダー専用参道は、ここに通じていた。
こちら側からだと、絶対に誰もここに参道があるなんて気付かないだろう。
でも、もともとはここにも参道があったのだと私は思う。
その根拠があの場所に残された鳥居であり、現在の参道も明らかに新しい道であることだ。
このコンクリートの人工壁面は、取り付けられていた工事銘板によれば昭和59年の竣工である。
その頃に参道は付け替えられたのだと思う。
正規の参道もご覧のとおり、かなりの急階段。
しかも、ジグザグに下っていく。
なお、googlemap でここを見ると、ちゃんとこの参道が描かれているのだが、私の愛する「Super Mapple Digital Ver.8」の場合は…、
さすがオブ用MAP!
本殿正面の左カーブは、googlemapの真っ向逆を行く、明らかに私の辿った梯子ルート!!
やっぱり、あれは参道だったんだ!!