名うての隧道情報ホルダー「学生服のヤマダ」氏が教えてくれた、地図上に描かれた一本の隧道。
氏も現地へ行ったことはなく、あくまでも 「地図上の表記が気になる。」 というだけのことであったが、
確かにそれは“気になる描かれ方”をしていた。
だいたいの場所は、この辺だ。 ⇒【周辺図】
手持ちのデジタルマップの縮尺を最大限に拡大しても、Y氏の情報にある隧道は描かれていなかった。
それは、オンラインマップをめいっぱい拡大した状態で、初めて見ることが出来た。
こんな所に道があることは初耳で、隧道があるなんて言うのも当然初めて知った。
早速、現地へ行ってみた。
すると、そこには「法華崎遊歩道」という歩道があった。
残念ながら、それは期待された国道以前の古道ではないようだったが、
そこには…ある意味で
日本一の隧道が…。
2008/4/2 7:26
東京湾の出入り口である浦賀水道に面した千葉県南房総市富浦町の一角、豊岡海水浴場公衆便所前。
そこが、このプチ・チャリ旅のスタート地点だ。
写真に写る岬が法華崎で、大房岬と南無谷崎という二つの大きな出っぱりの中間にあり、南無谷と豊岡の砂浜を隔てている。
海岸沿いの道は車一台がようやく通れる幅しかなく、漁港と民家の隙間を縫って岬の入口へ近づいていく。
出発地から200mほどで駐車場があり、その先に車止めがあって、以降は遊歩道として画されている。
ここに「法華崎遊歩道」の標識があったので、初めてこの小さな岬の名前が分かった。
この後で現れる隧道の名前も、ここから頂いた。
この辺りは浦賀水道の南端に近く、対岸である神奈川県三浦半島とは、少なくとも15kmの隔たりがある。
様々な船が行き交う姿は見えるが、さほど過密という感じではない。
海岸すれすれを行く歩道だが、舗装や手すりなどよく手入れされており、比較的新しい感じがする。
そこでは、のんびりと釣りを愉しむ姿があった。
しかし、海がひとたび荒れれば、この歩道も大変な修羅場になりそうである。
南房総あたりの海の青さは、どこか沈んだ色の日本海を見て育ってきた私にとって、まだ新鮮に映る。
遊歩道入口から100mほどで、岬の突端と思われるブラインドカーブに差し掛かった。
案内看板によれば、手の届きそうな近場に浮かぶ金色の島の数々にも、それぞれ謂われのありそうな名前が付けられている。
そして、岬の北側へ。
背後の岩棚に朝日を遮られ、夜気が残るような寒さだ。
ひときわ大きな岩場が目を惹くが、その右側に、なにやら見える。
もしかして、あれが?
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これは…!
隧道?!
これが
隧道?
うは w
これより、入洞しまっす。
出ました。
なんか、こういう盆栽見たことあるよな。
松の盆栽でさ。
こんな風に、支え木がしてあってさ。
ここの場合は支え木じゃなくて、鋼鉄だけど。
この 岩の棒。 隧道なの?!
そんなんだったら、
俺、
行っちゃうよ。
禁断の場所行っちゃうよ。
なんじゃこりゃ?
日本最短隧道では?
マヂかよ。
1メートルも無いんじゃないか?
トンネルの記号で描いた地図がもし無かったら、さすがにおこがましくて「トンネルです」とは言えないよーな…。
だって、地底空間とか闇とか、そういうトンネルらしいファクターが全くないぞ。
せいぜい、影が出来ているくらい。
まさかの、1メートル切り?!か。
法華崎隧道(仮称)
全長 1m未満
幅員 2mくらい
高さ 1.8mくらい
竣工年度 不明(天然かも?)
おっちゃん、昆布拾ってる場合じゃないよ
※2008年4月18日現在、
自己最短隧道です。
もしかしたら、日本一短い道路トンネルかも知れません。
人工物でなければトンネルとは認めないという考えもあるかも知れませんが、
まあ、道が付けられていると言うことで、大目に見てください(笑)。
このあと出発地のトイレの前に戻ったら、
隣の敷地からめっちゃ鋭い視線で見られたよ。
完
※このトンネルは、平成28(2016)年春頃に崩壊のため通行止めとなり、後に通行止めは解除されましたが、トンネルは完全に撤去され消滅してしまいました。