読者の皆さまへのお願い
【山さ行がねが】は、読者の皆さまによるサイトへの貢献によって継続運営をしております。私から読者さまにぜひお願いしたい貢献の内容は、以下の3点でございます。一つだけでもサイト運営の大きな助けになります。無理なく出来ることで結構ですので、ご協力をお願いします。
<読者さまにお願いしたいサイト貢献>
  1.  Amazonなどのサイト内の物販アフィリエイトのご利用
  2. 日本の道路122万キロ大研究」や「日本の仰天道路」などの著書のご購読
  3.  レポートへの感想のコメント投稿や情報のご提供

道路レポート 林道山田入線 第2回

所在地 長野県高山村
探索日 2024.11.05
公開日 2026.07.24

 豪快の始まり


2024/11/5 6:41  《現在地》/海抜1320m

起点から1.1km、松川がS字に蛇行する処に差し掛かると、道を取り囲む植生の衣が突然破れて、荒々しい岩の筋骨を剥き出しにした。
人が暴力を用いて切り開いた道が、今はただただ自然による逆襲の暴力に晒されている現場だ。
先に根を上げたのは道路管理者である。ただし、道路利用者については、まだ完全には死滅していない。命懸けの轍が続いていた。

突入!



豪快な岩場潜りに、テンションが上がる!
ほとんど植生のないこの高い岩崖には、これまでになかった火山性のものを感じた。
いわゆる、熱水変質帯の典型的な風合いをしているように見える。
この岩質の特徴は極めて脆く崩れやすいことである。道路にとっては天敵と言って言い過ぎではないくらいワルイやつだ。

この道が立ち向かう“大敵”の正体が、早くも見えた気がした。



S字カーブに差し掛かると、眼下の谷の眺めはダイナミックに変化した。
物凄い瀑音が路上の空気まで揺らしているが、地形図にはこの先にひときわ大きな砂防ダムがある。
この場所にもとから備わる荒涼感が、薄暗い天候によって著しく迫力を増強されていた。息を呑む迫真さがあった。



地図の予告の通り、目測で高さ20mはあろうかという特大の砂防ダムが現れた!
ダムの先は、一転して穏やかな紅葉の森の景色が見て取れる。ダムを越えれば、ひとまずこの険悪を逃れられそう。
景色の緩急が、かなりはっきりとしてしている。



破れた景色に正面突破を企てた、道の雄姿を振り返り。

この200mほどの区間は、全く逃げ場のない、ギリギリの崖道であった。
勾配もご覧の通りに強烈で、まさに絵に描いたような難所といえる。
しかし、まだ自転車で自走可能な程度に道は保っていた。

突破!



6:47

特大の砂防ダムを巻き越える地点に、地形図は標高1333mの標高点を記している。
ここでも路肩の大規模な欠壊が放置されていて、道幅が半分くらいに狭まっていた。
今日のような雨の後は地盤が緩んでいるリスクが当然高く、うっかり無防備に路肩に近づくと、縁ごと墜落しそうな怖さがあった。

ここまで出発地点から100mくらいしか高度は上がっていないが、見渡す森の景色は、確実に季節を進めている。
濃いガスに隠されて姿を全く見せない山上は、今どうなっているのか。
気温はここで10℃くらいあるので、12年前の11月4日のような積雪はないと思うが…。



道は外見の平穏を取り戻した。
しかし、ずっくりとした腐葉土路面のせいで、元来の勾配以上にペダルが重く、進行は当然にゆっくりである。
とはいえ、時間に余裕を持って出発しているので、焦りはない。
万座峠は長野県と群馬県の県境にあり、両県の境は全て日本列島の中央分水嶺である。そこに挑む心構えは出来ている。林道山田入線を簡単に走破出来るなんて、はなから思っていない。じっくりいく。



6:54 《現在地》/海抜1360m

起点から約1.7km地点で、地形図に描かれている分岐地点に差し掛かった。
正面の道が林道の本線で、左は松川の対岸へと伸びる治山用道路である。
かつて南志賀パノラマルートが大崩壊した後で、崩壊地の下流で大規模な治山工事が行われた。そのときに使用された道らしい。

本線を続行。



6:59 

谷底から50mの高所を進む道は、この先で進路を大きく変える。
これまで遡ってきた松川の本流を離れて、支流の渋沢へと分け入って行く。

写真は、この谷の枝分かれを前にした風景だ。
正面の雲霧に消える谷が松川本流、右へ入っていくのが渋沢である。
目指す万座峠は、渋沢の源頭に位置する。



7:03 《現在地》/海抜1390m

起点から約2km。
松川と渋沢を分ける小尾根を回り込む場面である。
この場所の路傍に、崩れかけた小さな木祠が建っていた。

跪くようにして、中を覗き込んでみると……



ああっ! お地蔵さまの首が痛そうだッ(涙)。

地蜂を育てているお地蔵様、なんと首の力だけで屋根を支えておられる。
お顔の表情も、幾分優れない感じがする。
このまま祠が身体を貫通してしまったら、シュールな絵面になってしまいそう。

それはともかく、素朴で角のない造形からして、林道年代のものには見えない。万座街道に由来する故物だと思う。
跪いたまま、旅の無事を祈願。
そうして、新たなステージへ挑む!



万座峠 まで のこり .3km






「読みました!」
コメント投稿欄
感想、誤字指摘、情報提供、つっこみ、なんでもどうぞ。「読了」の気軽な意思表示として空欄のまま「送信」を押していただくことも大歓迎です。
頂戴したコメントを公開しています→コメント公開について
 公開OK  公開不可!     

送信回数 227回

このレポートの公開中コメントを読む

【トップへ戻る】