ヨッキれんと共に、初めての道川林道を走った男。
それ以来、共に幾多の山チャリに挑み、その度に、痛烈なインパクトを持ったエピソードを残した。
しかし二十歳を過ぎた頃から、突如衰え、愛車“マーマレード”の故障と共に、現役を退いてしまった。
そして2000年秋に、彼の口から語られた衝撃の事実は、記憶に新しい。
「マルサに買い物に行くだけで限界だ。」というのだ。
これが事実であるとするならば、もはや現在の彼の体力は、おばあちゃん並か、それ以下と結論付けるしかなく、事実上の引退宣言ともとられた。
その後の2001年、ヨッキれんは強力に彼の復活をプロデュースする計画でいたが、これに失敗。
今では、トリオ時代の思い出話に、秘めたるアツさにじませるのみだ。
彼は私生活でも、ほかのトリオのメンバーと共通の趣味を持つ。
ヨッキれんと共に猫好きだし。ホリプロと共に車好きだ。
それに三人ともゲーム好きだ。
しかし、彼は大抵一歩引いた冷静な視線を有する。
トリオでの山チャリ中も、よいペースメイカーとなっていた。
同時に、ギャグメイカーであったが、狙ったものは寒い結果に終わることが多いのもお約束だろう。
2000年の最後には、遂に長年の夢であった日本一周旅行を単独にて成し遂げ、彼の未知なる世界に対するモーメントが依然高いことを感じさせた。
どうやら、生涯のうちにには自分の足で全国のすべての国定公園を旅する目標があるらしいが、多忙なようで、なかなか進んでいない。
彼を語る上で外すことが出来ないのが、今は無きSNKとNEOGEOである。
自身が『ア動き』とよぶ、一連の動作は、多くのライバルを陥れてきた魔性の技だ。
それらはすべて、モニターの中でのことだが…。
また、ゲームから離れると、彼の困ったエンターテイメント性が発露される。
彼を招き入れると、よく私の自室から、小さな備品が消える。
たとえば、テレビのリモコンや、みかん、メモリーカードなどである。
この現象は、彼の場違いなテンションとアクションと共に繰り出される、仮想テレビ番組『トレジャーハンちング』の開幕を告げるもので、なぜか私は、自分の部屋で自分の物を探すという屈辱を強いられるのだ。
いよいよ、5年以上続く“長寿番組”となってきたが、早期の打ち切りが望まれる。
もう彼に、ふたたびチャリを駆り、林道を巡る日は来ないのかもしれない。
しかし、今でもトリオの一員である。
私のチャリバカ話を、最もよく聞き、笑ってくれる友である。
それと、愛車(チャリでない)を用いた緊急時の救助活動に感謝!!
伝説は眠らない。 未知を愛する旅人。