今回は、山行がとしては珍しく、都市計画道路をテーマにしようと思う。
先日、青森市の都市計画図を眺めていたときに、気になる道を見つけたのである。
次の図を見て欲しい。
ここは青森駅から東へ8kmほど離れた郊外のエリアだが、まずは最初に表示している最新の地理院地図を見て欲しい。
図の右端付近に青森自動車道の終点である青森東ICがあり、おそらく読者の中にもこれを利用したことがある人が大勢いると思う。
青森自動車道は、起点の青森JCTで東北自動車道と接続し、そこから青森中央ICを経て青森東ICまで伸びる、平成15(2003)年に開通した15.6kmの短距離路線であるが、歴とした高速自動車国道であり、キロポストやインターチェンジ番号も東北自動車道と連続したものになっている。青森中央ICは55、青森東ICは56のインター番号を与えられている。
次に、チェンジ後の画像を見て欲しい。
チェンジ後の画像は、青森市が公開している令和7年最新版の都市計画図の一部である。
この図には、青森東ICから750mほど青森JCT寄りの地点にインターチェンジらしきものがあり、そこから国道4号まで伸びる都市計画道路が描かれていた。
注記によると、この路線は、青森市都市計画道路3・4・17 八幡林諏訪沢線というらしい。
また青森県が公表している資料「青森県の都市計画2025年3月31日現在」には、次のような諸元が掲載されていた。
幅17m、車線数2、全長1160mの道路であり、路線番号を構成する「3・4・17」についても、前者2つの数字にはそれぞれ「幹線街路」「幅員16m以上22m未満」という意味がある。
まずこの時点で私が興味を惹かれたのは、秋田在住の私にとっては比較的近場で何度も利用している青森自動車道に、今まで認識したことがなかった未知のインターチェンジ計画があるらしいという事実に対してであった。
しかも、このようなメジャーな道路に関わる計画(?)でありながら、青森自動車道や青森東ICのWikipediaのページには一切情報がなく、その唯一のアクセス道路として計画されているだろう“八幡林諏訪沢線”という都市計画道路の名前で検索しても、前述の諸元くらいしかヒットしないことである。
さらに、国会、青森県議会、青森市議会のいずれの会議録においても、検索可能範囲内にこのインターチェンジや都市計画道路への言及を見つけられなかった。
このインターがなんのために計画されているのかということは、なんとなく想像することが出来るのであるが(本編探索後に解説)、とにかく青森自動車道というメジャーな道路に、ほとんど言及されたことがないインターチェンジの計画が眠り続けていることは、とても興味深い事実だと思った。
が!それだけでなく、もう一つ興味を惹くことがあった。
ここでもう一度、最初の地理院地図と都市計画図の比較を見直してほしいのだが……、画面をスクロールするのは面倒だろうからもう一度掲載するね。次の画像をチェンジさせてみて!(↓)。
ほとんど全く情報がない未知のICへのアクセス道路とみられる都市計画道路八幡林諏訪沢線なのであるが、改めて最新の地理院地図を見てみると、その一部――県道44号青森環状野内線と青森自動車道の間――は、既に若干出現しかかっているように見えるのである。
道路予定地の外縁に沿った側道のようなものが、既にあるのだろうか。とにかく何かある。
さらに、Google Earthの最近の航空写真で同じ場所を見てみると……(↓)
やはり同じ区間が、道の形をした緑地帯のように、周囲から浮き上がって見えた。
これはもう間違いない。
八幡林諏訪沢線自体は完成していないとしても、県道44号以東の道路用地が既に用意されている!
しかし、もしもこのICの計画が大いに既知であったとしたら、私もそこまで興味を持たなかったと思う。
しかし、私の見える範囲では誰も言及していない未知のICの準備施設が、さも当然のように最新の地図や航空写真に写り込んでいるという状態は、大いに私好みで、興味を惹きまくった。
実際の現状を見てきたので、報告しよう。
2026/6/16 17:43 《現在地》
ここが、県道44号と(都)八幡林諏訪沢線の交差予定地だ。
地名としては青森市大字諏訪沢字岩田で、右が起点の国道4号方向、左が終点の青森自動車道方向となる。
全長1160mの八幡林諏訪沢線としては、起点から約850mの地点であるが、まだ1mも供用されていない全線未供用の都市計画道路である。
だが、事前の地形図や航空写真のチェックによって、青森道方向には既に何かの工作物があるように見受けられた。
これから現状を確かめに向かうが、確かにこの時点で1本の狭い道が左折しているのが見える。
一方で、【国道4号方向】
にはそういうものはなく、大坂組という企業の社用地になっていて、巨大なクレーンパーツが沢山積み上げられていた。
ここはストビューでも見られるので、周囲を見回してみると良いだろう。
左折する。
県道から左折すると、すぐに未舗装になったが、それでも薄く砂利の敷かれた道が確かに奥へ伸びている。
これは入口からして地理院地図に描かれていない道であるが、確かに道がある。特に封鎖もされていない。
また、狭い砂利道の両側の土地も均されており、路面にはなっていないこれらの部分を合わせると、計画された幅17mという全幅になるかと思う。
チェンジ後の画像に着色したような緩やかな左カーブを描きながら、このようななんとなく見える道路予定地が続いている。
次の写真は、チェンジ後の画像に“★”で示した位置まで進んで撮影した。
17:44
入口から50mほど進んだこの地点(★)は、複雑な交差点になっている。
まずは正面方向に引き続きうっすらと轍のある砂利道が続いている。これは道路用地の中心に沿う形で存在している。
そして、道路用地の左右両側に1本ずつ、側道のような道が出現している。
結論から言うと、これは道路用地の外側ギリギリの位置に並走している。
これらに加えて左右方向にも道があるが、これは道路用地として手が加わる以前からここを横断していた古い生活道路である(県道44号の旧道に相当する)。
文章だけだと分かりづらいと思うので、地図で説明する。
この図にピンク色で示した線は、元の地理院地図には影も形もないが、実際は道路用地の中心に沿ってうっすらと存在している、私が辿った道である。
そしてその両側に側道のような道があり、これは地理院地図にも「軽車道」として描かれているし、南北方向に伸びる道も描かれている。
これは、“左側道”である。
狭いが鋪装されている。
ここからは見えないが“右側道”も全く同じ造りである。
なお、側道というのは私が勝手に書いているだけで、本線が開通した際に、本当に側道として存続するかは分からない。
いずれにしても、幅17mの道路用地の外側にある道路である。
これは左側道の入口から本線と右側道がある方向を撮影した。
右側道は草に遮られていて見通せないが、このように3本の道が綺麗に平行している。
再び“本線”へ戻って、先へ進む。
ああ、良いねぇ!!
なんかワクワクするよ。高規格さを感じる緩やかなカーブや、余裕のある道幅に。
今はまだほとんど誰からも意識されていないこの場所が、いつかは高速道路のランプウェイとして青森市の新しい玄関口になるのかもしれないというのは、夢がある。
その“いつか”が、いつなのかということが大きな注目ポイントだが、それについては本編後の机上調査で……。
前方、森が近づいてきた。
県道から150mほど進むと、道路用地は森に閉ざされはじめた。
が、実はまだこの段階でも、両側には鋪装された側道が付かず離れず並走している。
当然ながら、この森の樹木たちも一度は伐採されて更地になった後で再生したものということになる。成長の早い樹種なのだろうが、それでも10年20年単位で時間が経過していると思う。
ここまで、地図にない道ながら、平然と順調に続いてきたのであったが、前方、何かの山積になった障害物が見えてきた。
17:46 《現在地》
入口から約200m。
道路予定地にある道は、大量の伐木というか廃材というか、とにかくそういうものの山によって遮られてしまった。
この量はただ事ではないが、この土地の管理者(市?)が周辺で生じた建設発生木材などの一次的保管場として使っている感じだろうか。
ここまで立入を規制するものが現れなかったので唐突ではあるのだが、それでもなんとなく納得してしまうくらいには、この道は一般的に道として認識されていない土地だった。
廃材の脇にある草藪を突っ切って先へ進めるかも知れないが、両側の側道の様子も気になるので、一旦最後の分岐地点まで戻り、側道から先へ進めるかを試してみることにする。
一旦撤収。
左側道を迂回中。
地理院地図にも軽車道として描かれている側道は、私の期待に応えてくれた。
交通量が多い感じは全くしない(蜘蛛の巣が張っていた)が、鋪装のおかげで簡単に先へ進ませてくれた。
チェンジ後の画像は、直前に私が引き返した廃木の山である。
森の樹木越しに、その姿を垣間見ることが出来た。
間もなく、廃材のエリアの裏側へ進むことになる。
左側道は、間もなく丁字路に突き当たっている。
電柱が見えている位置で直進路がなくなり、直角に右折できるようになっていた。
右折するということは、そこは本線上(道路用地上)ということである。
17:48 《現在地》
1分ぶりに再会した八幡林諏訪沢線の道路用地である。
ここでは直交方向で対面しているので、向かって右が起点の国道4号方向、左が終点の青森道方向である。
そして道路用地の向こう側を、右側道が並走しているというシチュエーション。
……なんだけど、先ほどまでから一転して、一気に緑が濃くなった。
まあ、6月中旬という時期を考えれば、使われざる道路用地が緑に覆われてしまうのも無理はなかったが。
それと、道路用地を横断する部分だけ道が鋪装されていないのも意味ありげだ。
管理者が違うとか、理由があるんだろうな。
これが、先ほど私の行く手を遮った廃木の山の裏側だ。すなわち、起点方向の眺めである。
一山という感じではなく、数十メートル単位の奥行きを持っている。
側道のおかげで、これを乗り越える苦しみから逃れられた形だ。
そしてこれが、終点である東北道方向の眺め。
遂に封鎖されてしまった!
ガードレールが一枚通せんぼしているだけで、突破して進もうと思えば可能な地形ではあるが、この先はそもそも道として整備された過去がなく、単なる道路予定地として確保されているだけという認識であったから、午後6時前に猛烈な藪へ挑もうという気には全くならず、進まなかった。
クマがいるかも知れんしな。
この先も、道路用地の外縁を迂回しながら、進むことにしよう。
ここで撮影した全天球写真である。
状況が分かりやすいように、いろいろ書き加えてあるので、参考にしてほしい。
(“こんな状況”を把握してなんの役に立つんだというツッコミは無しだぞw)
っと! ここで予想外の障害が!
地理院地図には、右側道がこの先も道路用地に沿って伸びていて、八幡林諏訪沢線の終点まで達しているように描かれているのであったが、実際にはご覧のように、ガードレールで封鎖されている道路用地内と全く同じくらいの激藪化していた。
もちろん、鋪装もされていない。
本当に「軽車道」として描けるような道がここにあるのか気にはなるが、時期を改める必要がありそうだ。
時間も押しているので、この側道からの追跡を断念して、着実に道路予定地と再開できる場所まで“ワープ”することにしよう。
ワープ!!(沖田艦長のボイスで)
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