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<読者さまにお願いしたいサイト貢献>
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17:16
これは、引き返し初めて3分後に撮影した動画だ。
往路に見た【155kmポスト】
付近である。
特別なシーンではない、ただ歩行しているだけの短い動画だが、写真以上に空気感が伝わると思う。
寂しさ、ヤバいっす。
17:29
引き返しから16分後、例の“ピットゾーン”があるところまで帰って来た。
往路は駐車帯を歩いたので、帰路はそのまま本線を歩いた。
写真右に見えるのが駐車帯だが、そう書かなければ、見えると思う。
中央分離帯に植樹された4車線山岳ハイウェイの廃道に!
我が国には存在しない風景を、擬似的に再現できてしまった。
そして、凄くかっこいい風景だ。
うっかり何かの間違い(最近流行りのAI反乱?)で、人類が滅亡してしまった数年後には、こんな風景が至るところで見られるだろうな。
17:35 《現在地》/海抜340m
引き返しから22分後、サロマトンネルの北見市側坑口へ戻った!
雨宿りをさせていたリュックを背負い直した私は、すぐさま“山へ入る”。
17:44
ここは流石に足がキツかった。
舗装路のように簡単にはいかない。落差50mの道なき急な斜面を登ること。
しかし、明るい頭上の緑を目指して這い上がっていくのは、さっきまでとは一転して、怖さが無かった。
行動と、生還が、同じ方向に向いているときの晴れやかさだ。
17:47 《現在地》/海抜390m
見たか! これが執念のヨッキだ!
おおよそ65分ぶりにチャリの元へ生還した私は、有頂天になった。
もちろん、私が優越に浸っている相手は、人ではなく、道だ。あるいは神々。
してやったりである。また1本、人の世から遠ざけられた廃道を、我が知の圏域へ取り戻したぞ!
さあ、これで心置きなく――
17:50
峠を目指せる!
日没(19:04)まではまだ1時間15分ほどあるし、いつの間にか土砂降りだった雨も上がっていた。
空が少しだけ明るさを取り戻していた。
行きたい気持ちを、この空が後押ししてくれる。
このタイミングから、当初計画していた行動プランへ復帰し、旧旧道の完全走破と、それに続く旧道の佐呂間町側の攻略をやってしまおうと思う。
まずは、旧旧道の市町境である峠(ルクシ峠?)を目指す。
ここ(旧旧道入口から1.5km地点)から峠までの推定残距離は約900mで、その高低差は50mほど。もうすぐそこと言って良い!
前進再開!!!
17:52
前進を再開して間もなく、これまで以上に路上の灌木藪が濃くなってきた。
この状況、少なくとも10年以上は車が入っていないと見える。
それでも、路面自体はずっと平穏で、路肩も法面もほとんど崩れていない。
勾配も緩やかなので、自転車から降りる場面はあまりなく、じわりじわりと前進を重ねていった。
濃い藪の路傍に、1枚の木製看板が立っていた。
「材木遺伝資源保存林」というものが、この周辺に設置されているらしい。
管理者は、「北海道森林管理局網走中部森林管理署」とある。
つまりは、国有林である。
国有林の中を通るから林道だとは限らないが、この保存林へアクセスするのに必須の道が、このように草生しているのは、日常的に人が手を加える必要がある林地でないからだろう。
17:54 《現在地》/海抜410m
なんか凄い景色だ。
未舗装の峠道らしからぬ、長い直線道路が現れたのだが、
地図によると、これがそのまま市町境である峠頂上まで続いている!
長さ550m、比高30mの珍しいサミット・ストレート!
したがって、この奥に見えている山稜を割る光のスリットが、そのまま峠の切り通しであった!!
17:58 《現在地》/海抜440m
ここが、峠の頂上だ。
長いストレートの終わりにある、ややなだらかな切り通しで、向こう側はブラインドの左カーブ。
ここで北見市北陽から、佐呂間町武士へ領域がチェンジする。
しかし、拍子抜けをするほど、何もないサミットだ。
鬱蒼とした切り通しには、峠の華である眺望がない。
また、地図に地名もついていない。なので現段階では、「ルクシ峠」の“擬定地”といったところ。
このように、語るに乏しい峠だが、これぞフロンティアたる北海道の峠 “らしい” 飾らなさであると、私は肯定する。
だから機嫌を悪くしないでくれ〜〜。
峠を境に、道の状況がワルくなるなんてベタな展開、今要りませんからね!
日没65分前。
峠を越えた。
前言撤回。
「何もないサミット」ではなかった。
ちょっと、何か、ある。
一つめの“何か”は、案内標識。
「北見市」って書いてある。
峠へ佐呂間町側から登ってきた利用者が見るべき標識だ。
地味なアイテムだが、地味に、ちょいレアである。
「市」の字体の違いで気付いた人も居るかと思うが、これは旧制標識である。
上図は、案内標識のうち、「市町村」という市町村境に設置する標識の変遷をまとめた図だ。
ルクシ峠の頂上に残る標識は、このうち、「昭和46〜61年」の様式である。
見分け方は簡単で、昭和46年〜61年の案内標識は、「市町村」に限らず、全てローマ字の並記が無い。
ちなみに、いわゆる“白看”と呼ばれる旧式案内標識は、昭和46年以前のものを指し、今回見つけた標識は、“白看”ではない。
これは、旧旧道が国道として現役であった時代に設置された標識の可能性が極めて高いだろう。
地味だが、嬉しい発見だ。
もう一つの“何か”は、年季が籠もった安全標語だ。
「遠軽警察署管内では スピードダウンで 安全運転を」「佐呂間町交通安全協会 遠軽警察署」と、書いてあった。
これがあってこそ昔の峠だって思う! テンション上がるやつ!
しかし、昔の峠にはあったけど、今の峠からはほぼほぼなくなったアイテムでもあるから、もはや旧道の峠の象徴みたいなモノかもな。良い味、染みてるぜ。
スピードが出る要素ゼロなんだが!(涙)
佐呂間町さぁぁぁん……。