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2021/4/23 13:51 《現在地》/海抜520m
ついに現れた、【半バリケード】
ではない、おそらく全面バリケードを企図したであろう封鎖。
……なんだが、微妙に車1台ギリギリ通り抜けられるくらいの隙間が、山側にある。
どういう意図かは分からないし、道路管理者が意図した隙間でもない気がするが…。
そして、このようにバリケードで封鎖され、加えて看板で明確に「県管理終点」も宣言されたわけであるが、バリケードの向こうにも道は続いている。
地図にもそのように描かれているし、先ほどまで何度か見上げた“上段の段”も全てこの先である。
この先の道の正体は、なんだろうか?
建設したが、供用されていない、いわゆる未成道なのか。
それとも、1度は車道として供用したが、災害などの理由で長期間封鎖されるに至った区間なのか。
その見定めを、これから直に行っていこう。
なんかラミネ加工されたA4紙がバリケードにひっつけてあった。
当然読む。
……なになに…… ふむ。
これは「国有林貸付標」の表示らしい。
国有林の土地を道路用地として9877平方メートル分だけ県へ貸与するよという内容。
貸し付けの開始が平成16年4月1日で、それから何度か更新されてきたらしく、今期は平成30年から令和5年までだそう。
探索時点ではまだ猶予があったが、これを書いている現時点では期限切れてるな。更新されているとは思うが。
ポイントになりそうなのは、「貸付地はきれいに、標識は大切にしよう。」という教え……ではなく、開始が平成16年であることだろう。
見た目に新しそうな道だと思っていたが、たぶんこの区間の道が概成したのが、平成16(2004)年なんだろうな。
探索時点では、それから17年が経過していたわけである。
早くも “未成道説” がぶっちぎってきたな!!
鳥取のフェアモント・ヘアピンに別れを告げて、“上段”へ突入する!
……にしても、こうして全体を俯瞰してみると、随分と歪な形をしたヘアピンカーブだった。
ヘアピンでもない気がする。なんだ? ホッチキスの針?
いずれにしても、ここがレースコースだったら超絶テクニカルコーナーだな。コースアウト多発しまくりそう。
この歪さも、私が勝手に疑っている、工事途中の無理矢理コストダウンの影響だったり?
13:52
うむ。
もう未成道で確定だろこれ。
この真っ新なままで土をかぶり始めた道の感じは、もう明らかに見慣れまくった未成道のそれだった。
道の規格自体は、さっきまでの下段と変わっていないと思うが、やはり、「県管理区間終了」を言明されている影響は絶大だ。
刈払いも、路上清掃も、何年もされないまま放置されているのだろう。
それなりに“良い道”が、台無しになり始める、その一歩目を歩いている感じ。まだまだ修復は簡単そう。
道は再びスギ林へ。
とはいえ、ちょうど道路の高さが造林地の上限線で、法面の上は自然林だ。
お陰で、下段で面倒だったスギの倒木や落枝がないので、むしろこっちの方が歩き易い。
ガードレール越しに見下ろすと、ちゃんとさっき歩いた道が見えた。
“古道らしき”も見えたが、そういえば上段に入った時点では並走していた“古道らしき”は、いまは見えなくなった。
法面に切り取られているのか、あるいは路面に重なっているかだろうな。
14:00
良い登り方、してるじゃねーかぁ……。
なかなかの勾配っぷりで、がんばって登っている。
そりゃあ、そうなるよな。
この県道は諸鹿から300mも高い広留野の溶岩台地へ登るのが当面の目的であるとはいえ、最終の目的は、扇ノ山の県境稜線越えだったのだ。
その必要高度は、長大トンネルを造らない限りは1000m越えである。
ここでまだ標高500mちょっとだから、ぜんぜん登り足りない。
地形は、急速に険しさを増している。
しかし、地形に“絞られて”も、道幅を死守している。
法面工や路肩工を高くして、ようするにコスト高の道路にして、耐えている。
だがそれだけでは耐えきれず、代償のように、ぐねぐねぐねぐねぐね……とブラインドカーブが続く。
未供用だからかもしれないが、道路標識もカーブミラーもないから、余計にグネグネ“だけ”が目立つ。
そんな寂しい道に、バリケードの隙間から入り込んだ少数の車の轍が花を添えて?いる。
この轍が嫌に目立つのも、いわゆる未成道路面の特徴だ。
ほとんど車が入らない平らな路面には、一見目立たない地衣類や埃などが堆積していて、重量があるタイヤで踏むと痕が残るのである。
普段使われている路面や、使い古されて凸凹している路面だとこうならない。
14:02
バリケード地点から約10分歩いた。
40分前は来見野川の谷底にいたのに、もう十分に山上と言える高度感を獲得した。
まだ、道は頑張って伸びている。
普通に考えれば、地形図の道が“徒歩道”表記に落ちる地点で、この“車道”は終わりそうだが、ワンチャン何かの間違いでこのまま車道が上まで続いていたら面白いなと思った。
あのバリケードの隙間を縫って入り込んだ人だけが、こっそり上まで往来できているとかだと、夢がある。
たまには、本当に偶にくらいは、そんな道路の隙間が実際に役立つケースがあってもよい気がしないか?
だいたいバリケードの先で、ポジティブに裏切られた経験がない…。
そんなことなどを好き勝手に考えながら歩いていた(カメラにボイスが入っていた)。
14:04 《現在地》/
ああ…… だめそうですね。
バリケードから500m進み、地形図上の“車道”が残り100mとなったところで、遂に、異変が。
道自体は続いているように見えるが、鋪装が終わるらしい。
と、同時に、交通量ほぼ皆無の化けの皮が剥げる。
灌木の藪が……
14:05
完全に、クルマは無理になってしまった。
歩いては、行けるけれども……。
道形は概成したが、鋪装をする前に工事を止めた感じ。まさに未成道。
と、思ったのも束の間で――
14:08 《現在地》/海抜570m
地形図、完全に正しい。
地形図の道が車道から徒歩道へ“堕ちる”タイミングで、ぴったり車道が終わっていた。
どうもこの先はまたスギの造林地らしいが、きっぱりと終わってるなぁ…。ここも国有林なら、買収失敗はなさそうだが…。
結局、バリケードから600mの地点で、車道は“ちゃんと”終わっていた。
やっぱり、車道は完成していなかったし、繋がっていなかった。
でも、地形図だとこの先の点線区間は短い。地図読みで800mほどに過ぎない。
歩ける道さえあれば、30分も掛かるまいと思う距離。
もちろん、踏破するつもりで来ている。
山の中腹、それ以外の表現が見つけられない、えらく中途半端なところで終わってしまった。
単なる予算の問題なのか、政治的ないざこざか、災害か、自然保護か、それらの複合か、はたまた全く未知の原因か。
今のところ、未成の原因が読み取れるような要素は、ないと思う。
……ともかく、先へ進まなければな。
どうやって?
ここですか?
……ゲーニッツの口まねをしてみたが、山からの反応は無し。
でも、ここだろうなぁ……
わざわざ路面の高さに、法面工の犬走りがあるなんて、偶然じゃないだろ?
狭いけど、堕ちたら危なそうだけど…、 ここ、行きますね。