十二ノ森公園の謎の道 中編

公開日 2010.12.27
探索日 2010. 8.23
群馬県利根郡片品村

大空に向かって打て! 並木公園


2010/8/23 15:05 《現在地》

案内板の地図を頼りに、そこに書かれていた「並木トンネル」というトンネルにやって来た。

その姿は、いたって平凡だった。



…ただし、ここにあるのでなければ。

この場所…案内板いわく“遊歩道”の途中…にあるにしては、とにかく違和感ありまくりのトンネル。

とりあえず、こんな異様さでも立入禁止などではないようで、むしろ私が通ってきた道がチェーンで塞がれている。




坑口の前には、丁字路があった。
トンネルへ入らず、左の山腹へ逸れる舗装路だが、舗装されているだけマシで、どうやらトンネルへ通じる“メインの道”は向こうらしい。

どこへ行く道なのか?

スーパーマップルだとこの辺りには「並木公園」と書かれているだけで、全然役に立たない。
入口で撮影してきた案内板の画像をもう一度再生してみる。

どれどれ? ↓↓↓



これまでの私は、「十二ノ森公園」を通り抜け、「並木散策路」を通ってここに来た。
そして道はここで二手に分かれている。

真っ直ぐ行くのが「並木トンネル」で、テニスコートと野球場の間にある桜広場の下を抜け、スキー場やサッカー場へ続く「コマクサ散策路」に通じている。
左に行く道は、テニスコートや野球場へ行く道で、その一端は県道沿いの「尾瀬第2駐車場」に繋がっている。

というのが、この公園内道路の全体像なわけだが、
どう見ても、目の前にあるトンネルの姿はここに似合わない。




坑門の観察もそこそこに、日蔭を求めてトンネルの中に入った私。
この日も強烈な酷暑の一日だった。
さすがに5mくらい入っただけでは冷気は薄いが、それでも日蔭の効果は絶大である。
そしておそらく誰も来ないだろうことを良いことに、冷たいアスファルトの上に横たわった。

シャツ1枚を通して背中に伝わる地底のひんやり。



う〜〜ん、 トンネル好きだー。 スリスリ。




仰向けに寝そべったままカメラを洞奥に向けて撮影したので、天地が逆になっている。

地面に近いところに視座を置いているせいで、余計にトンネルの大きさ(高さ)が際立っているが、それにしてもこいつは立派なトンネルだ。
右に写っているブルドーザーの大きさと比較して欲しい。

しかもサイズが大きいだけじゃなく、けっこう長いらしい。

出口の明かりが見えない。

つうかそもそも、何でこいつは灯りがないんだ。

…遊歩道 だよね?

この辺の人はみんな懐中電灯をもって散歩するのか?

おそらくこれでも誰も困ってないんだろうなぁ……。



身体を冷やしつつ、坑門前の異様な“不連続風景”を堪能する。

トンネルは明らかに2車線フルスペックの幹線道路級(国道級?)の物なのに、それに続く道は2本足しても全然不足で、特に私が来た正面の道など、まんま未舗装なのである。

このトンネルが本来は遊歩道のために作られたものではなく、もっと「別の使命」を持っていたことは間違いないだろう。

それが何なのか。
実はちょっとだけ心当たりがある。
前回もひとつだけヒントがあった。
しかし、それは心当たりがあるというだけで、位置的に即座に納得できる物でもない。
もし私の“心当たり”が当たっていたとしても、こんな場所にトンネルを掘る意味は「???」であった。





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さて、トンネルで少し体温も下がったので、一旦外に出て並木公園を散策してみることにした。
いちおう探索の当初のきっかけだった「野球場」を、この目で確認しておきたいという意味もあった。

トンネルの外にある舗装路は見ての通り1車線ぎりぎりしかなく、手当たり次第に伐採されて夏のゲレンデのようになった“並木運動公園”を横切っていた。

しかし、予想外のこともあった。

ここに来て、大勢の人の楽しそうな声が聞こえてきたのである。

並木運動公園は、無人ではなかった。

「公園」はもう良いから「トンネル」行けという声は聞こえません!!!!




道のだいぶ下にかなりの面数のテニスコートが設けられており、そこに大勢の学生らしい人影があった。

若人たちの楽しそうな声が蒼天にこだましている。

そうか、そうか。

運動公園は生きていたか…。

残念だな良かった!良かった!



…さて、少しテンションは下がったが、
ここまできたのだから行ってみよう。





野球場に!


ということで、トンネル前から100mほど走ると、野球場への入口となる分岐地点に着いた。


↑↑ここだ↑↑

今は桜の時期ではないが、「桜広場」になっている。




うん。うん。うん。

なんにも間違ってはいないよ。

桜の木が植えられている広場だからね、桜広場だ。 うんうん。

でも、ちょっと案内板のイラストのような“森”を期待してくると…。
植えられている範囲もずいぶん狭いし、せめてもう少し大きな桜を植えてくれないと、春になっても楽しめなさそう。
これなら、元のままの森の方が…。


で、肝心の野球場なんだが・・・。


あ れ か。




どうやらあそこで間違いなさそうだ。

監督がいらっしゃるんで間違いない!

チームの旗色が良くないのか、なんかずいぶんくらい感じだけど。


に、してもだ。




クソ高けぇ。

ぜんぜん行きたくならねぇ…。




トンネルでせっかく拭った汗も再び、だだ漏れ。

でも、なんとか野球場にたどり着いた。

テニスコートだけじゃなく、この球場にも炎天に身を焦がす若人の姿があった。

バカになんてしてごめんなさい。
十二ノ森公園は 今日は調子が出なかった みたいだけど、運動公園の方は夏休み中とはいえ、大活躍でしたね。
前回もらった読者さんのコメントでは、ここには都会の学生がよく合宿に来るので、彼らを当て込んだ運動公園ということらしい。
なんだ、ちゃんと考えているんじゃん。行政。




にしてもすごい球場だ。

バッターボックスから思いっきりホームランを飛ばしたら、時に山風に乗って関東平野まで届きそうな錯覚を覚える。
つうか現実問題、この球場では “ホームランボール拾い” をしたくないな。

ここの標高はいくつくらいあると思う?

ちょうど1200mだ。

まあ、麓の戸倉が十分に高いのもあるんだが、それでも戸倉交差点+220mの高低差がある。
私は前回から上り続けて、これだけの高度を稼いだことになる。大変なわけだ。
この時点で、もうただの公園じゃねー。
運動公園というのも納得で、麓から歩いて野球場に来るだけでちょっとした山登りだ。


さて、さわやか球児たちに心の中で別れを告げて、私は本来あるべき場所へ帰ろう。




ヨッキといえば、だろ?


濡れた身体を涼しくしてくれ〜。





このタネは、次回明らかに。

↑↑なんの「タネ」だっけ。 つか、「前回」嘘書いたな!↑↑