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茂住というバス停を目印に、旧国道かも知れない一本山側で国道に平行する細道へ入る。
左右には茂住の家並みが続くが、思ったほどヤマの街らしいスカスカな印象はなく、むしろ都会の路地のような雰囲気である。
しかも、民家のような姿をした小さな事業所が多くあって、その表札を見ると「東大」「宇宙線」などの、ちょっと似つかわしくないようなコトバが躍っている。
こう見えてもここはスーパーカミオカンデのお膝元、宇宙科学先端の村なのであろう。
突き当たりまで進むと道は二手に分かれるが、左の山の上に登っていく道の入口にこの案内板が建っている(→)。
「ノーベルへの散歩道」と銘打たれたミニハイキングコースが整備されており、この順路に軌道跡の一部が組み込まれているのであった。
附属の説明文によれば、ノーベル科学賞を受賞した研究者たちも、疲れた頭脳をこの散歩道で癒したらしい。軌道跡が発散する「鉄イオン」が良い効果を与えたのだろうか。
突き当たり左の道を登って、軌道跡と交差する地点へ進む。
照りつける太陽の下、気づけば朝はあんなに吹いていた風も止んでいる。
……アツイ。
ひーひー登ること100mほど。
ヘアピンカーブの頂点という変な場所で、軌道跡らしき小径が突然横断してきた。【現在地点】
左の写真のトラックの裏手から出て来て…。
ヘアピンカーブ内側の意外な場所へと、細道が突っ切っている。
これが、久々に再開した神岡軌道であった。
さあ、右左、どちらへ行こうか。
神岡へ急ぎたい気持ちもあったが、『鉄歩』には「駐車場になっている」と紹介されていた茂住駅の跡を確かめたい気持ちもあった。
よし。
少し戻ることになるが、左へ行って見よう。
チャリのまま、トラックの向こうを覗いてみると…。
なんやこりゃ?
ナニコレ?
いくら軌間610mとはいっても、これはあんまりでしょ?
歩行者がようやく二人並んで歩けるかと言うくらいの、狭い狭い… ロックシェッドなの??
藪の真っ直中にむかって黒い口を開ける姿は、、まるで放置された「どこでもドア」のようだ…。
しかし、ここが軌道跡なのは下の案内看板にも書いてあった事実。
13:16
狭い!小さい!
でも、続いている!!
やっべー(笑)、 怪しすぎるぞー。
普通に考えれば、軌道が廃止された跡に新たに作られた歩行者用のロックシェッドということになるのだろうが、いったい誰がための道?
ノーベル科学者??
しかも、岩石の直撃を受けたものか、コンクリートの擁壁は所々破壊されている。
自転車に乗ったnagajis氏と比較して、ロックシェッドはこの大きさ。
こんなに小さいロックシェッドは、ずいぶん昔に秋田県の抱返り渓谷の遊歩道で見た以来だぞ。
廃道ではないのかも知れないが、ほんと不思議な道。
しかも長いし、曲がってるし〜。
※動画も後でありますよん。
にゅ?
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| にゅ!
|
にゅーーーーーー!!!
さささ、さらに細いトンネルが……!
気づけば送泥管らしきパイプも同居しているし。
管の内部には動くものの気配もあるしー。
異常に狭っまいトンネルへ入る。
…というよりもロックシェッドか。
チャリで通行するのには壁に接触しないかヒヤヒヤするほどに狭いこの部分は、ごく短く10mほどに過ぎない。
周りのコンクリートも新しく、前後の構造物よりも後から追加されたように思う。
そして激狭ゾーンを抜けても、まだロックシェッドは終わらない…。
※後でお見せする動画では、ここで壁に接触し、クラッシュ寸前の事態に。
ワケワカメー!!
突然、ロックシェッドの断面が拡大。(写真は振り返って撮影)
大きくなったあとのロックシェッドは、軌道時代の構造物そのものであろう。
このロックシェッド、入口から既に100m以上も続き、途中で断面や素材が3度も変わっている。
もうこの時点で相当に異常な構造物なのだが…
この後…
まだまだ変化する!
さあ。
これは見慣れた軌道跡のロックシェッド風景。
しかし、チャリで走ることが出来るものはこれが初めてだ。
その狭さゆえ、明かり窓の連続するロックシェッドの体感風景はかなり速くて、妙に迫力がある。
もう子供じゃないのに、電車ごっこをしている気持ちになった。
なお、明かり窓の部分には、おそらく後付けと思われる、転落防止用の欄干が取り付けられてある。
!! !
なんということだ。
明かり窓が無くなったと言うことは、おそらくこれは…隧道!
既に入口からは150mほど来ているが、ここに来て遂にロックシェッド→隧道化。
この闇の先には、一体何があるの?!
現時点では全く明かりが見えないのだが、何かの間違いで坑道へ入ろうとして居るんじゃ…。
怪しく蠢く送泥管もあるし… やべーーよ!!
明らかに完全に疑いなく隧道だ。
風は抜けており、おそらく貫通はしているのだろうが、未だ出口は見えず。
灯りを点灯させてチャリの舳先で闇を掘削しながら進んでいく。 びくびく。
…にゅーると、左へカーブしている。
そして、カーブの先には、明るい場所が…
! !
またしてロックシェッドか。
でも、何かそれだけじゃないような…。
これまでコンクリート敷きだった洞床も、なぜか木敷きに変わっているし…。
…うわっ。
木道は踏むとペコペコした感触のうえ、何か所々隙間があって緑がチラリチラリと。
…まさか、これって。
橋やねぇ。
金属ロックシェッド(小)
→コンクリートロックシェッド(小)
→コンクリートロックシェッド(大)
→隧道
→金属ロックシェッド(小)+ 橋
なんと、五変化のロックシェッドであった。
写真は、深窓のnagajis氏。