↑ なんだかちゃちな橋だなぁ。 なんて言ってはいけない。
確かに今回は大きな橋の遺構を2つも見てきた後だけに、こんなに小さな橋だったかと思ったのは事実だ。
しかし、この橋はnagajis氏との思い出の橋じゃないか。
思い出は大切だよ。うん。
なんか、慰めなくてもいいものを無理矢理ほじくったら、卑屈な気持ちになってきた(笑)。
この橋を渡って、次なるステージは… (→)
約1kmの長途を有する、小区間(3)(赤い部分)へ突入だ!
この区間も当然のように「国道とべったり」なんだが、前の小区間(2)での成果を思えば、期待できないことはないと思う。
出発前よりは遙かに期待感は増していた。
出でよ! 遺構!!
2009/4/27 15:51
この景色には当然見覚えがある。
赤沢の小ガーダー橋を渡るとすぐに、ガッチリ封鎖された隧道の坑口跡があるのだ。
前回の探索においては、ここが封鎖された隧道との最初の遭遇であったが、今回はより正確な言葉で表現することが出来る。
この隧道は、「グラウンド」から数えて2本目の隧道であると。(他にシェッドが1本あり)
ということで、前回同様に旧線跡を迂回する。
二度の探索で、神岡軌道の随所に旧線があったことも確信へと変わっている。
そして、
前回、その異貌に強く心惹かれた「出口」へ到着。
ここまでは普通1分くらいの行程だが、途中でおにぎりを食べたので、6分かかった。
それにしてもこれは本当にイイカンジに熟成されてるなぁ。
コンクリートというのは、自然界にある素材を適当に組み合わせて作られている。
だから、朽ち続ければやがて自然界との外見的差異が曖昧になっていくのだろう。
髑髏の眼窩のような横穴が素敵過ぎるぜ。
15:58 《現在地》
隧道から200mほど歩くと、見覚えの無い景色の中に、見覚えのある電柱が現れた。
前回、引き返した地点である。
季節って、本当におそろしいね。
前回のレポートから、引き返しの部分を抜粋。
「
同時に相当数のやり残しもありそうで気持ちが悪い。」
これを自覚しながら引き返したことは、オブローダー的には失態である。
しかし、これは許して欲しいよ…
この藪はないよ。
ということで、
こっからは前回未踏のエリア!
うむむむむ…
夏場はこの辺、一体どうなっちゃうんだろうねぇ。
そんな他愛のないことを考えながら、若葉の萌えに呑み込まれつつある路盤跡を進んでいった。
至って順調である。
しかし、このまま成果がなければ、順調も虚しいと感じるだろう。
私は、これまでの予想外の成果に当てられ、ちょっと欲張りになってしまった。
で も、
そんな欲張りさんをも落胆させないのが、
神岡軌道クオリティ!
早くも、新たなる隧道発見なのである!
ほんと、たまりませんなぁ。
おっふふふふ…
うふうふふふ…
春が来てますよ。
春の廃道、最高。
これまた良い具合に風化している。
問題は、抜けてるか否かだが…。
抜けて無くても無問題!!
こいつは隧道のように見えて、実は「スノーシェッド」だったのである。
土被りは、皆無だ。
中に入る前に、下を見た。
ずっと下の白い部分が、国道スノーシェッドの屋根である。
そして右に見えるカッコイイ未塗装ガードレールの6連装は、雪崩を誘導するための“すべり台”である。
雪崩が来たら、「どうぞシェッドのあるところを通ってね」とやる訳だ。
わずか巾60cm少々の軌道に命を乗せて運んでいた神岡軌道が、どれほど険しい輸送環境におかれていたかということを実証するような国道の重防備だと思った。
もっとも、無雪期の風景を見てこんなことを言っても、真に迫ることは難しいだろうが…。
シェッド内へと侵入。
ちゃんと貫通していた。
この構造物が受ける外圧といえるものは、毎年の雪の重さと雪崩の衝撃だけであるから、ぶ厚いコンクリートがそうそう破壊されないのも頷ける。
きっと細田氏がここにいれば、こう言うだろう。
「雨とか雪の日に、この中で一日のんびり過ごしてみたいすな」。
その気持ち、分からないことはないが、運悪く実際に雪崩が上を越えるところにでも遭遇したら、すっかり白髪に変わってしまいそうだ。
そして、北口よりも穏やかな顔をした南口へと貫通した。
前回と今回の探索を合わせると、東猪谷から当地点までのほぼ全ての路盤を実踏したが、発見累算された隧道の数は8本、スノーシェッドは4本である。
なお、隧道とシェッドが連接している物は隧道としてカウントし、旧線の隧道はカウントしていない(一箇所だけあった)。
これは、本格的に隧道祭りを開催する必要がありそうだ。
そのくらいの勢いがある。
そして、振り返る。
個人的に、これがこのシェッドのベストショットだ。
もし雪のない国ならば、こんな大仰な構造物は絶対に必要なかったろうなと思う。
シェッドの谷側に建てられた蛇腹のようなバットレス(控え壁)が、無骨な雰囲気を一層と醸していて好ましい。
きっとそれは安全の面からも、車を停める位置の確保の難しさという意味からも、難しいことであるが、厳冬期の姿を見てみたいと思ってしまった。
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