廃線レポート 小坪井林用軌道(田代線)ヅウタ隧道 後編

公開日 2018.09.08
探索日 2018.03.07
所在地 千葉県君津市


これからチャレンジするのは、ヅウタ隧道の北口だ。

南口の場所は特定されているので、そこから隧道の進行方向へまっすぐ山を乗り越えれば最短距離で辿り着ける可能性は高いが、あいにく南口がある田代川の河谷は超がつくほど急峻なため(←)、このルートは実行できない。

だったらということで、山の北側から北口へ近づこうとすると、今度はそこにある笹川湖が最大限に邪魔をする。湖岸の地形が険しすぎる(→)うえに道がないため、岸伝いに近づくこともできなかったのである。



では、どうやって近づくか。

また、北口をめざして、湖面沿いはレポートで行けないことがわかっていたので、山から行ってみました。
笹川湖畔公園(笹衛士)から表示されている登山口を登っていくと分岐にでます。そこを展望台方面と反対の方向へ進んでいきます。この道は整備しようとして挫折してしまったハイキングコースです。ずっと進んで、衛星管制センターのフェンスがなくなって最初のピークを越えて下っていくとすぐに木が切られたところがあります。そこからではなく、2つめの木が切られているところから北方向に降りていきました。最初は尾根沿いを行けるところまで降りていって、その後左側の沢に降りて下っていきました。そうしたら、上だけ20cmくらい開いている北口坑口と思われる穴を見つけました。ちょうど私が降りていった沢と隣の沢の間に位置しており、隧道を掘るならここだなと思わせる場所です。
やセイジン氏から2018/3/5に戴いたメールから抜粋

やセイジン氏がこのように報告して下さった、右の鳥瞰地図に赤線で書き加えたルートを辿ってみようと思う。

これは、尾根伝いに隧道の直上へ至り、そこから山の北面を下って湖畔の北口擬定地へ空襲をかけようというもので、私も挑戦の構想を持っていたルートであった。
すぐに実行しなかったのは、高低差100mを優に超える片道1km以上の山歩きが必要なわりに、北口が水面下にあれば成果を全く得られないという悪条件から、二の足を踏んでいたのである。

だが今回は“北口坑口と思われる穴”が既に発見されているとのことなので、その確認が私の第一の目標である。それがまさに隧道跡と判断されれば万事OKだし、もし違うと思ったら、そのときは擬定地付近をさらに探してみることにしよう。

底知れぬ闇の奥へと吸い込まれていった水の行方に、私は辿り着けるだろうか。




ズウタ隧道北口へ山越えアプローチ


2018/3/7 14:32 《現在地》

さて、南口に続いて北口へのアプローチをスタートしよう。
出発地点は「笹川湖畔公園(笹衛士)」の看板がある市道沿いの駐車場で、「笹川湖ふれあいコース」という安直なネーミングがなされたハイキングコースへ入る。
自転車は役立ちそうにないので、今回は最初から徒歩だ。




フェンス沿いに緩やかな遊歩道が敷かれており、冬枯れした疎林の森が淋しげだった。
さも当然のことのように駐車場にもこの歩道にも人影がなく、貸し切りであった。
このまま何事もなく尾根の降下地点まで遊歩道が続いたら、レポートは省略するつもりだったが、そうはならなかった。
とはいえ、長々と紹介するほどでもないので、さらっと紹介する。



出発から6分で、尾根上の分岐地点が見えて来た。
ここまで入口から300m弱である。高さは40m弱登っている。

片時も離れず常に歩道の右側に黒いフェンスが続いているが、これは衛星管制センターの敷地を取り囲むものだ。フェンスの向こう側も普通に山や谷しか見えないが、ハイテク施設が奥に隠れているのだ。何やら得体の知れないホースが空中が走っていたりして、不気味だ。


14:38 《現在地》

尾根上の分岐地点に到着。ここまで私を連れてきたよく整備されてきた歩道とは、早くもお別れだ。
ここを道なりに行くと、尾根を越えて北側のヅウタ親水公園へ下りられるが、私はここから東へ分かれる尾根沿いの道を選ぶ。

この尾根道入口脇のフェンス(○印のところ)には、200m先で行き止まりだと告知されていた。
情報提供者曰く、この道は「整備しようとして挫折してしまったハイキングコース」とのことだ。いわゆる、未成遊歩道
本編のメインでは決してない存在だが、私のような者に相応しい道といえる。