これからチャレンジするのは、ヅウタ隧道の北口だ。


南口の場所は特定されているので、そこから隧道の進行方向へまっすぐ山を乗り越えれば最短距離で辿り着ける可能性は高いが、あいにく南口がある田代川の河谷は超がつくほど急峻なため(←)、このルートは実行できない。
だったらということで、山の北側から北口へ近づこうとすると、今度はそこにある笹川湖が最大限に邪魔をする。湖岸の地形が険しすぎる(→)うえに道がないため、岸伝いに近づくこともできなかったのである。
では、どうやって近づくか。
笹川湖畔公園(笹衛士)から表示されている登山口を登っていくと分岐にでます。そこを展望台方面と反対の方向へ進んでいきます。この道は整備しようとして挫折してしまったハイキングコースです。ずっと進んで、衛星管制センターのフェンスがなくなって最初のピークを越えて下っていくとすぐに木が切られたところがあります。そこからではなく、2つめの木が切られているところから北方向に降りていきました。最初は尾根沿いを行けるところまで降りていって、その後左側の沢に降りて下っていきました。そうしたら、上だけ20cmくらい開いている北口坑口と思われる穴を見つけました。ちょうど私が降りていった沢と隣の沢の間に位置しており、隧道を掘るならここだなと思わせる場所です。

やセイジン氏がこのように報告して下さった、右の鳥瞰地図に赤線で書き加えたルートを辿ってみようと思う。
これは、尾根伝いに隧道の直上へ至り、そこから山の北面を下って湖畔の北口擬定地へ空襲をかけようというもので、私も挑戦の構想を持っていたルートであった。
すぐに実行しなかったのは、高低差100mを優に超える片道1km以上の山歩きが必要なわりに、北口が水面下にあれば成果を全く得られないという悪条件から、二の足を踏んでいたのである。
だが今回は“北口坑口と思われる穴”が既に発見されているとのことなので、その確認が私の第一の目標である。それがまさに隧道跡と判断されれば万事OKだし、もし違うと思ったら、そのときは擬定地付近をさらに探してみることにしよう。
底知れぬ闇の奥へと吸い込まれていった水の行方に、私は辿り着けるだろうか。